14th Jun 2012 のネイチャーの記事を読みました。
(1)The dawn of the twenty-first century has seen the emergence of a major theme in biomedical reserch: the molecular and genetic basis of what it is to be human. Surprisingly, it turns out that we owe much of our biology and our individuality to the microbes that live on and in our bodies ― a realization that promises to radically alter the principles and practice of medicine, public health and basic science. it is therefore appropriate that ever more research is focused on these microbes and their genes, which together are known as the human microbiome. In this issue, the Human Microbiome Project Consortium publishes the most extensive catalogue yet of organisms and genes pertaining to our microbiomes.
21世紀の初めに、生物医学の研究の重要なテーマが出現した。人とはなんであるかという分子的、遺伝子的基盤の研究である。驚くべきことにこれは我々の体の中に住んでいる微生物が我々の生物学的、そして個体性を課すものだということが判明した。これは医学、公衆衛生や科学的基礎の原理や実験を劇的に変化可能性がる事実である。そのためこれは体内の微生物とその遺伝子に焦点が今まで以上に当てられることが適正であり、これらはヒト微生物群ゲノムとして知られている。この出版物において、ヒト微生物群ゲノム計画共同事業は我々の微生物群ゲノムへの生物と遺伝に属する現在までのさらに広範囲になった目録を発表する。
we owe much of our biology and our individuality to the microbes that live on and in our bodies の訳仕方が分かりません。それとapropriateの訳がどういう風にすればいいのかもしっくりきません。
(2)
In the wake of the Human Genome Project, calls were issued
ヒトゲノムプロジェクトの立ち上げにおいて、この要求は明らかになった。
callsとはゲノムプロジェクトでの要求ととらえていいのでしょうか?
(3)Two studies, by Huttenhower and Methe, together with 15 other papers that are being published simultaneously elsewhere, comprise the first reports of the HMP Consortium research groups.
同時にいたるところで発表された、HuttenhowerやMetheらの2つの実験と15のほかの論文はHMP共同事業体研究団体の初めの報告を構成している。
でいいのでしょうか。
(4)This allowed Huttenhower et al. to discover that taxonomic and genetic diversity were greatest in tooth and stool samples, intermediate in skin samples and on the inside surface of the cheek, and lowest in vaginal samples. The researchers report that each habitat is characterized by a small number of highly aboundant 'signature' taxa, but that the relative representation of taxa and genes in each habitat varies considerabley between individuals.
これはHuttenhowerらに歯や便のサンプル、皮膚の中間体のサインプルやほほの内部表面、そして膣の底部のサンプルに分類学的そして遺伝子学的多様性が非常に多く存在していたことを発見することを可能にした。この研究者らは徴候的な分類の高い存在量のわずかな数によってそれぞれの生息地を特性付けたが、それぞれの生息地の分類の相対量や遺伝子は個体間でかなり異なることを報告する。
でいいのでしょうか。small number of highly aboundantがイメージがわきません。
(5)suggesting that within-community niche specialization occurs.
これは共同体内のニッチ特殊化が生じてることを示唆している。
specializationは特殊化でいいのでしょうか。分化でしょうか。
(6)the limited temporal scope of the HMP data set prevents a robust analysiss of how these communities change over time.
HMPデータ群の制限された時間的範囲はこの共同体が時間とともにいかに変わるかの莫大な分析をすることを防いだ。
(7)Studying the human microbiome has so far been a lesson in humility.
ヒト微生物群ゲノムの研究は今までは人間性におけるレッスンであった。
で大丈夫でしょうか。
(8)non-redundant gene families were detected by both groups, with 34% of the gene families being detected only in the HMP data and 10 % only by the metaHIT project.
非重複遺伝子ファミリーは両方の研究グループによって検出され、これは34%がHMPデータのみで検出され、そして10%はmetaHIT計画のみで検出された。
でいいのでしょうか。being detected だと検出され始めていると訳したいのですが手前の文章が検出されたと過去形なのでちょっと訳に不安です。
>(1)The dawn of the twenty-first century has seen the emergence of a major theme in biomedical reserch:
「21世紀に入ると、生物医学研究において、主要となる課題が浮かび上がってきた。」
> the molecular and genetic basis of what it is to be human.
「それは、ヒトがヒトたりえるのは何かという分子遺伝学基礎(研究)である。」
>Surprisingly, it turns out that we owe much of our biology and our individuality to the microbes that live on and in our bodies ― a realization that promises to radically alter the principles and practice of medicine, public health and basic science.
「驚くべきことに、人間の生物相と個人的差異についての多くは、皮膚や体内に棲息する微生物の依っていることが分かってきたのである。それは、医学、公衆衛生、基礎科学における原理と実際を劇的に変えることが期待できる発見である。」
>it is therefore appropriate that ever more research is focused on these microbes and their genes, which together are known as the human microbiome.
「それゆえ、こうした微生物とその遺伝子を併せた微生物群ゲノムというものに焦点を定めた、いっそうの研究を進めるべきなのである。」
>In this issue, the Human Microbiome Project Consortium publishes the most extensive catalogue yet of organisms and genes pertaining to our microbiomes.
「このことについて、Human Microbiome Project Consortiumは、ヒトの微生物群ゲノムに属する微生物とそのゲノムに関する、これまでにないほど広範囲にわたる一覧表を出版している。」
>we owe much of our biology and our individuality to the microbes that live on and in our bodies の訳仕方が分かりません。
biologyとindividualityが対比のようです。後者が個々人とすれば前者は集団としての有様ではないかと思います。
>それとapropriateの訳がどういう風にすればいいのかもしっくりきません。
that以降が適切であるということですね。そういうニュアンスで適当に訳語を考えていいと思います。
>(2)In the wake of the Human Genome Project, calls were issued
「Human Genome Projectの辿ってきた過程においても、(これらのことは)議論があった。」
>callsとはゲノムプロジェクトでの要求ととらえていいのでしょうか?
上記のような研究について要求があり、議論があったということでしょう。
>(3)Two studies, by Huttenhower and Methe, together with 15 other papers that are being published simultaneously elsewhere, comprise the first reports of the HMP Consortium research groups.
「HuttenhowerとMetheによる二つの共同研究は、同時期に他から発表された他の15の論文と合わせて、HMP Consortium研究グループの最初の報告となっている。」
>(4)This allowed Huttenhower et al. to discover that taxonomic and genetic diversity were greatest in tooth and stool samples, intermediate in skin samples and on the inside surface of the cheek, and lowest in vaginal samples.
「このことからHuttenhowerらが見出したのは、歯(表面?)と便の試料、皮膚内部試料と頬内部表面、膣最下部の試料において、分類学的及び遺伝的多様性が最大となっていることである。」
>The researchers report that each habitat is characterized by a small number of highly aboundant 'signature' taxa, but that the relative representation of taxa and genes in each habitat varies considerabley between individuals.
「彼ら研究者らの報告によれば、それぞれの(微生物)棲息地が、少数だが非常に豊富な『サイン』のある分類群によって特徴付けられるが、そうした棲息地における分類群と遺伝子の関連性の表現は、個体間でかなり異なるとのことだ。」
>small number of highly aboundantがイメージがわきません。
highly aboundantなものが、少数(a small number of)あるということでしょうね。
>(5)suggesting that within-community niche specialization occurs.
「(そのことが)示唆するのは、群生物棲息地内での生態学的地位の特殊化が起こっているということだ。」
>specializationは特殊化でいいのでしょうか。分化でしょうか。
微生物の棲息地内で役割分担による棲み分けが起こっているのではないかと思います。
>(6)the limited temporal scope of the HMP data set prevents a robust analysiss of how these communities change over time.
「HMPのデータセットは時間的に限った範囲となっているため、これらの微生物群棲息地が時々刻々変化することによる、骨の折れる分析作業を免れることができている。」
data setは直接の観測データではないかと思います。
>(7)Studying the human microbiome has so far been a lesson in humility.
「微生物群ゲノム研究は、今までは、卑下についての教訓だった。」
研究しても分からない→その難しさに辟易する、そういう繰り返しだったのでしょう。
>(8)(only 57% of the) non-redundant gene families were detected by both groups, with 34% of the gene families being detected only in the HMP data and 10 % only by the metaHIT project.
「双方のグループで検出された非重複の遺伝子ファミリーは僅か57%で、そのうちHMPのデータにあったのは34%でしかなく、metaHITプロジェクト独力で発見できたのは10%であった。」
>being detected だと検出され始めていると訳したいのですが手前の文章が検出されたと過去形なのでちょっと訳に不安です。
これは進行形の意図がない、the gene familiesを修飾する現在分詞です。主語の一致性から受動態となっていて、beingを入れてあるのは、その前のwere( detected)に掛かるのを防ぐ意図でしょう。これは過去として訳すべきでしょう。
お礼
お礼が大変遅くなりまして失礼いたしました。 いつも本当にありがとうございます。 我々は誰なのかを調べるというタイトルとリンクした文頭になっているのですね。 ヒトとは何かを分子遺伝学的に調べることが21世紀の始まりにおける課題となった。と本当にすらすらと読める訳ですね!! 驚くべきことに、人間の生物相と個人的差異についての多くは、皮膚や体内に棲息する微生物の依っていることが分かってきたのである。それは、医学、公衆衛生、基礎科学における原理と実際を劇的に変えることが期待できる発見である。という訳。ご教授いただいたおかげでようやく意図がつかめました。 日本語の解説を何度も読み返しながら自分の力だけでも訳せるように努めたいと思います。 微生物群ゲノム研究は、今までは、卑下についての教訓だった。難しさを物語るかっこいい訳です。ありがとうございます。