>そもそもこの様な絶対的記載事項が欠けていたり公証人の認証のない定款を法務局に持って行って設立登記の申請をしても即、却下されそうに思うのですが・・・。
もちろん、絶対的記載事項が欠けている定款を公証人は認証しませんし、絶対的記載事項の欠けている定款あるいは公証人の認証のない定款が添付された場合、登記官は当該設立登記の申請を却下します。しかし、公証人も登記官も人間ですから、それらを見過ごして、設立登記が完了してしまうことは、きわめて稀だとは思いますが、絶対にないとは言えないでしょう。一旦、設立登記がなされてしまった場合は、登記官は職権で当該登記を抹消することはできません。設立無効の訴えを認容する判決が確定すれば、裁判所書記官が設立無効の登記を嘱託することになります。
公証人法
第26条 公証人ハ法令ニ違反シタル事項、無効ノ法律行為及行為能力ノ制限ニ因リテ取得スコトヲ得ヘキ法律行為ニ付証書ヲ作成スルコトヲ得ス
商業登記法
(申請の却下)
第二十四条 登記官は、次の各号のいずれかに掲げる事由がある場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
省略
十 登記すべき事項につき無効又は取消しの原因があるとき。
以下省略
(抹消の申請)
第百三十四条 登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。
一 第二十四条第一号から第三号まで又は第五号に掲げる事由があること。
二 登記された事項につき無効の原因があること。ただし、訴えをもつてのみその無効を主張することができる場合を除く。
2 第百三十二条第二項の規定は、前項第二号の場合に準用する。
(職権抹消)
第百三十五条 登記官は、登記が前条第一項各号のいずれかに該当することを発見したときは、登記をした者に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨を通知しなければならない。
以下省略
会社法
(会社の組織に関する行為の無効の訴え)
第八百二十八条 次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
一 会社の設立 会社の成立の日から二年以内
以下省略
お礼
botton hole様 わかり易く丁寧な説明をして下さりありがとうございました。 その上、条文まで掲載していただいて本当に感謝しています。 おかげで司法書士試験に向けてがんばれます。 ありがとうございました。