- ベストアンサー
なぜ給与は半額になったのか?
- 経済については無知なのですが、気になったことがあったので、蛮勇をふるって質問してみることにいたしました。
- 年代別でみると、かつては五十代で、一千万円を超えることは稀ではありませんでした。だが、今の五十代の後半の平均が四百五十七万円です。概ね半額です。一体、なぜに半額になったのでしょうか?
- かくして私には、給与半額を生み出しているのは高給取りの経営者だと思えるのですが、こうした認識は、あまりに大雑把過ぎるでしょうか? 他に収入が半額になる決定的な理由があるのなら、教えていただけませんか?
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
経済については無知だと最初に」断っておられるので、それを承知で手短かに申します。 まず、データを確認する必要があります。年収ラボを見ると、元データが国税庁の民間給与実態調査であることが明記されています。なぜ、統計局でなく、国税庁がこんなデータを集めるのでしょうか。答えは簡単で、業務上、税収の見積もりを立てる必要があり、特別の調査をしなくても源泉徴収票が手元にあるので集計が用意だからです。 しかし、いくつか問題も出てきます。たとえば、 1)給与以外の収入が除外されているので、質問者のように年収と言い換えることはできない、 2)2か所から給与がある場合、分母の人数が増え、一人当たり給与が半減する、 3)非正規社員や定年後再雇用者が増えると、一人あたりの所得が減少する、 などの問題です。 元データの利用上の注意をみると、このデータでサラリーマンの年収を論じるのは大胆すぎることが分かります。 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/top.htm なお、比較的実態に近いデータは、人事院が集計しています。毎年の人事院勧告の基礎資料で、零細企業が入っていないなど揚げ足取り議論の多いデータですが、同一基準で年次別に比較可能なデータとしては信頼できると思われます。 これによると、サラリーマンの所得が半分になったという論拠は薄いように思われます。 なお、役員報酬が増えて従業員の給与が減ったいう議論は、データのうらづけが全くないので、なんともお答えできません。1億円以上の報酬がある役員については有価証券報告書に記載する企業が増えていますが、5000万人の従業員に対し数百人のオーダーではなかったでしょうか。 いずれにせよ、勤続30年の正社員のボーナスが20年前に比べ半減したというケースは少なくないと思いますが、基準内賃金がかなり減ったというケースは例外的ではないでしょうか。また、経営者の高額報酬のせいだというのは濡れ衣のように思われます。
その他の回答 (5)
- blackhill
- ベストアンサー率35% (585/1658)
OKWAVEには、この経済学のカテ以外に、社会の大項目のなかに経済のカテがあります。ここでの説明は高等学校の社会経済履修程度の程度の経済学の知識を前提にしていますが、社会のほうは枠にはまらない問答が多いと感じられます。 それはともかく、専門用語でいうと、ご質問は労働分配率の推移と、所得格差拡大の2つにまとめられると思います。 労働分配率については、過去15年、70%台前半に収まっていて、最近ではむしろ上昇傾向にあります。少なくとも給与半額などの意見は到底根拠があるとは考えられません。 また、所得格差の拡大は、ある程度データ的に確認できます。しかし、その主たる原因は高齢化にあると考えられます。 個別のコメントについては、簡単に補足します。 (お礼)ま ず、国税庁のデータであることが問題であるとおっしゃる。しかしそうであるとす るのなら、申告外の収入が実際には多く存在するということになります。私は経済に は無知なのですが、二十年前と比べて、脱税者が増加でもしたのでしょうか。である とすれば、国税庁のデータは役に立たないでしょう。 (補足回答) 税務署に申告する所得には、給与所得のほか、年金、雑所得(原稿料など)、配当、一時所得などがあります。源泉徴収で把握できるのは給与所得ですから、これだけが申告所得だとするのは間違いです。脱税とは関係ありません。 (お礼)次に列挙してくださった三点の問題点は、あまり重要と感じませんでした。というの も、非正規社員とは、本来正社員になるはずだったのに、なれなかったということで しょう?なるほど「正社員」の年収については、このデータでは何も確かなことは言えないで しょう。しかし、普通に働こうとしている人の収入が半減したということは言えると 思うのです。(※「サラリーマン」の定義ですが、正社員ではなく、文字通り、「毎 月サラリーを貰っている人」という風に私は捉えてよいと考えていたのでした)。 (補足回答) 65歳以上の就業者の7割、35歳以上の女性就業者の半数は非正規ですが、これらの人々は必ずしも正規労働者になれなかったとはいえません。ここでの問題提起は主たる家計維持者の収入がどうなったかということではありませんか。それであれば、人事院のデータを用いるべきだと思われます。 >なお、役員報酬が増えて従業員の給与が減ったいう議論は、データのうらづけが全 くないので、なんともお答えできません。 (お礼)有名な話しなのでよいかと思っていたのですが、日産などのことです。リストラを行 ったが、社長の給料分のリストラも多かったことだと思います。何しろ八億円を超え ていますから。ちなみに、トヨタの管理職は、一億円程度だそうです。この調子で、 調べ始めると、本来は一千万円程度の給与が相応しい組織の長が、何倍もせしめてい るということがあるように思ったのです。もっとも全体的な統計があるお話しとは異 なります。 (補足回答)経営者の労働市場と、従業員の労働市場を混同した議論のように思われます。さらに、従業員の給与を切り下げ、経営者の報酬に回すような企業が果たして存続できるでしょうか。
お礼
再度、丁寧にありがとうございます。なるほど、別のカテで教えてもらった方がいいのかもしれませんね。確かに私は納得いっていないようですから。 >税務署に申告する所得には、給与所得のほか、年金、雑所得(原稿料など)、配当、一時所得などがあります。 年金受給者は母体に含まないのであれば、年代別できればいいのではないでしょうか。となると、五十代後半を見ればよいわけです。そして原稿料、配当を貰える人がどれだけいるのでしょう。大半の方は無縁だと思います。母体に大きな影響を与えることに思えないのです。 >ここでの問題提起は主たる家計維持者の収入がどうなったかということではありませんか。それであれば、人事院のデータを用いるべきだと思われます。 このご指摘については、言わんとすることはわかります。しかし結局、共働きのようなケースを含めて考えたいのなら、家計維持者という概念が、もはや成立しないように思うのです。これが、オーソドックスな経済学の見方から逸脱しているとおっしゃるのなら、なるほどと承っておきたいと思います。 >経営者の労働市場と、従業員の労働市場を混同した議論のように思われます。さらに、従業員の給与を切り下げ、経営者の報酬に回すような企業が果たして存続できるでしょうか。 従業員と経営者の労働市場は別個とは、暴論だと感じるのですが、これは私の無知でしょうか。 そういう企業は、存続できないし、するべきではないと思いますよ。しかし、竹中平蔵だとか、橋下徹のブレインは、社長対社員給与は欧米式に千対一でよろしい、年収が四百万円は欧米では当たり前なので日本でもやっていけるはず、などと主張しています。
私自身が素人ですので、参考までにとどめておいてくださればいいのですが、仰る統計の結果について、私自身が納得している理由を以下に簡単に示してみます。 1)日本人の給与所得者全体の平均給与額は仰るようにおおむね半額とまではいわなくも、大きく下がっていると思います。物価が上がらないので正社員の所得はあげる理由がなく、組合などのはたらきもあって一挙には下がらないまでも、給与体系もかわってきており、年功であがっていた分がさっぱり上がらなくなり、仕事が減って時間外賃金が少なくなり、ボーナスも大きく下がっていますので、トータルではジリ貧ということだと思います。以前は存在しなかった派遣社員やパートなどの割合がほぼ全年代にひろがってきて、30パーセントに達しておりその平均給与はもともと低く、更に実質下がる一方ですので、これらが全体の平均賃金を大きく引き下げているのだと思います。これは企業の競争の舞台が国内から海外に広がり、また海外の労働者も日本へ入ってきている、その必然的な結果として、世界標準としての勤労者の賃金に日本も近づいているということで、やむない傾向だといえるでしょう。 >富の分配のされ方が変わったのだとしか、考えられません。 企業の生き残り策のひとつとしての労働コストの適正化ということでしょう。その結果として企業の内部留保がおおきくなったということはあまり聞きません。むしろ現実として円高の影響を吸収し切れないのではないでしょうか。 これも世界標準としての大会社を中心とした超高所得のCEO はまだ日本では日産やソニーなどの外国人取締役に限られており、こういったことが勤労者の給与削減に影響しているとは思えません。基本的に彼らの給与は利潤からまかなわれており、出所が違いますしそういった会社の全体のフローからは微々たる額でしょう。
お礼
ありがとうございます。しかし、以下はどうなのでしょう。 >労働コストの適正化 いやー。私はまったくそう思いませんが。日に八時間程度を労働にかけているのに、家族を持てるか不明という給与が提示されるのは、承服しがたいことです。確かに、No6の方が教えてくださったように、データ上、必ずしもオールタイムの労働者を含まない、ということはわかります。とはいえ、五十代後半で五百万円を切っている。これで老後の蓄えをし、大学生あたりの子供を養うことは無理だと思います。別に理想的な生活をする必要はありませんが、日に八時間働いたら、子供を養って、最低限以上食べて行ける額を提示することが「適性」にあたると思うのです。 >基本的に彼らの給与は利潤からまかなわれており、出所が違いますし >会社の全体のフローからは微々たる額でしょう。 いや、社員の給与も利潤から出ているのではないでしょうか。私はどうも、社長らの給与が社員とは別の何かから出ているという神話があるような気がしてなりません。
- chie65536(@chie65535)
- ベストアンサー率44% (8757/19871)
追記。 話をまとめると「統計の数字が半分になっても、数字がそう見えるだけで、実態(個々の個人の年収)が半分になっているとは限らない」って事なんです。 ニートや専業主婦(夫)や重度障害者など、収入が無くて当然の人達も計算に含めて水増しすれば、統計上の数字は幾らでも下落させる事ができますから。
お礼
前のお礼欄で書いたように、どうも母体の問題ではないようです。
- chie65536(@chie65535)
- ベストアンサー率44% (8757/19871)
>概ね半額です。一体、なぜに半額になったのでしょうか? 「統計マジック」「数字のマジック」ってのもあるんです。 統計は、母集合を操作する事により、幾らでもゴマカシが出来ます。 極端な例ですが、例えば、4名の日本人の、ある時の年収が、以下のようになっていたとします。 A:200万 B:200万 C:600万 D:1000万 この4人の平均年収は、500万です。 5年後にもう一度調査すると、以下のようになっていました。 A:0万(失業してニート化して0万) B:230万(年収30万アップ) C:650万(年収50万アップ) D:120万(定年退職して年金120万) この4人の平均年収は、250万です。半減してます。 しかし、母集合を「有職者のみ」にするとどうでしょう?AとDは計算から除外しますから、平均年収は440万です。1割ちょっとしか減っていない事になります。 しかも、有職者だけを見ると、BもCも年収が増えています。実態は真逆です。 このように、統計の数字ってのは「どの範囲を、どう集計するか」によって、実態と真逆の数字を作り出す事が出来るのです。 これが「統計マジック」「数字のマジック」です。 そういう訳で「統計上の数字が半減していたからと言って、実態も半減しているとは限らない」のです。 「日本人の年齢別平均年収の増減」に「無職者」や「専業主夫、専業主婦」や「ニート」なども含まれて統計が出されている場合は「その世代の個人の年収の増減」は比例しないのです。 「統計マジック」「数字のマジック」には、以下のような物もあります。 よくある宣伝で「アンケートで購入者の90%以上が再購入すると回答しました」ってやつ。 1000人が買って、990人が「酷い商品だ。だめだこりゃ」と思ってアンケート用紙を捨て、残りの10人だけがアンケートに答えて、10人のうち9人が「再購入する」と記入したとします。 実際の再購入希望者は9/1000で、1%未満ですが、アンケートに回答した10人のうちの9人は再購入すると答えたので「アンケート回答者のうち」と言う狭い範囲では「アンケートで購入者の90%以上が再購入すると回答しました」は事実になってしまいます。 母集合を「購入者全員」にするか「アンケート回答者のみ」にするかで、数字がまったく違ってしまいます。 質問者さんがネットで調べた数字のうち「母集合が明らかになっていない場合は、何の意味も無い数字」ですから、無視しなければなりません(統計を取った人間が恣意的に操作した数字かもしれません) こういう統計の数字が意味を持つのは「統計の母集合が明確で、母集合の取り方にきちんとした意味がある場合のみ」です。 ニートも無職者も年金生活者も専業主婦(夫)も一緒にして計算されてしまったのでは、本当の意味での平均年収の数字にはなりません。
お礼
ありがとうございます。おっしゃることは私も考えていましたが、あらためて確認をとりました。サラリーマン、すなわち、有職者の収入です。 またもう一点。おっしゃる無職を含めて半額まで落ち込んだのであるとすれば、失業率がもっと高くなければ、成立しない数字でしょう。ニートと騒がれていますが、ニートの数はそれほど、多くないと思いますよ。それに全体で主婦は減少傾向ではなかったでしょうか。そうしてみると、母体の問題だけではないと予想されます。 ともあれ、どうもありがとうございます。
利益とは売上と経費の差額から出てきます。 1000万円の給与を出すには5000万円の品を6000万円で売らないといけません。 6000万円の相場が5500万円に、つまり8%弱の低下があったとします。これで給与も500万円です。半額になりました。 GDP は売上ベースですから、8%減っただけです。でも給与は50%減です。 まぁ社員の給与から天引する割合が同じなら、相対的な格差は著しく高まる事になりますね。そういう意味では道徳的によろしくない。トリクルダウンは発展途上においてのみ成立するのかと。
お礼
ありがとうございます。売り上げは見かけの上では同じでも、純利益が半分に落ち込んだというご意見に受け止めました。となると、半分の給与になってもおかしくない、と。 しかし、それなら、経営者の給与も半額に落ちるべきですが、経営者のお給料は上がる一方です。やはり経営者優遇は、何かがおかしい気がします。発展途上ということではなく、竹中平蔵をはじめ、社長対社員は千対一でよいと称し、格差は広がっているのです。橋下氏のブレインも似たことを言っています。 しかし年収三百万円では、将来設計不可能です。分かりやすい例を出すと、「クレヨンしんちゃん」の一家で、六百五十万円です。年収三百万円なら、子供を持たないことにして共働きなら結婚し、五百万円くらいいはなるでしょう。これでローンを組んで家を買って老後に備えるくらいできるでしょうが、子供は恐ろしくて持てないと思います。どういう時代になったのだろうと思います。 いや、ちょっと話が横道にそれましたか。ともあれ、ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。大変、論理的でした。しかし、実際のおっしゃっている中身は、納得できないのです。 まず、国税庁のデータであることが問題であるとおっしゃる。しかしそうであるとするのなら、申告外の収入が実際には多く存在するということになります。私は経済には無知なのですが、二十年前と比べて、脱税者が増加でもしたのでしょうか。であるとすれば、国税庁のデータは役に立たないでしょう。 次に列挙してくださった三点の問題点は、あまり重要と感じませんでした。というのも、非正規社員とは、本来正社員になるはずだったのに、なれなかったということでしょう? なるほど「正社員」の年収については、このデータでは何も確かなことは言えないでしょう。しかし、普通に働こうとしている人の収入が半減したということは言えると思うのです。(※「サラリーマン」の定義ですが、正社員ではなく、文字通り、「毎月サラリーを貰っている人」という風に私は捉えてよいと考えていたのでした)。 >なお、役員報酬が増えて従業員の給与が減ったいう議論は、データのうらづけが全くないので、なんともお答えできません。 有名な話しなのでよいかと思っていたのですが、日産などのことです。リストラを行ったが、社長の給料分のリストラも多かったことだと思います。何しろ八億円を超えていますから。ちなみに、トヨタの管理職は、一億円程度だそうです。この調子で、調べ始めると、本来は一千万円程度の給与が相応しい組織の長が、何倍もせしめているということがあるように思ったのです。もっとも全体的な統計があるお話しとは異なります。
補足
【締めるにあたって】 正直、ふと自分で計算をはじめて、答えが分かってしまいました。日産の従業員数を計算したら、一人あたりの負担は二百万円まではいかないようです。七億円程度なら、一人の負担はそう高くありません。とはいえ、トヨタと比べると従業員の給与は安いわけです。他の要因があるので、厳密なことは言えませんが、程度の差はあれ、役員の給与が影響を及ぼしていることは疑いないように思えました。少なくても、社員の給料を減らして、経営者が多くとっている構図になっている、とは言えそうです。役員が給与を「普通」にしたのであれば、一人あたりの収入が何十万円か増えそうです。 もっとも、この問いには給与が減っていく傾向について、どういう原因があるか?と問うたのでした。専門家らしい方は、 ・採用するべき統計がおかしい、 ・正社員以外は相手にならない、 ・共働きの家は含まない、 とおっしゃっているようです。 しかし現代では、正社員で共働きではない家庭がいくつあることでしょうか。そうすると、人事院のデータでも、不十分なことになります。何より、年収ラボだけではなく、他の数値も似たようなデータを示しています。たとえば、大阪府の民間のバス会社の給与の平均が五百万円を割っています。一部大企業の年収は変化していないということかもしれませんが、そういうことを言われても、全然納得できるものではありません。 結局、私の立論を専門家の方に納得させるためには、また新しい数値の取り方が必要になるようです。前に他人の経済学の博士論文を手伝ったことがありますが、教科書レヴェルを抜けて研究となると、実態を把握する統計の取り方は、実に多様で、難しいのだそうです。この点を私はある程度、回答者任せで投げたのですが、反発が強く、議論のための議論で終わったな、というところです。しかし、これが日本の現状かもしれません。仮に給料が半額になったと判明したら、暴動でも起きかねないでしょう。 ともあれ、皆さまのご参加に感謝いたします。