「赤く変色した夏の木の葉を、アカラムハ(赤らむ葉)といった。その省略形のアカルバ(赤る葉)に子音[w]が添加されてワカラバになり、「カ」が母交[a→u]をとげて「クラ」になったため、ワクラバ(病葉)に転化した。…([w]の添加では)グワイ(具合)・バワイ(場合)・ユワミ(湯浴み)ということがある」(田井信之「日本語の起源」)
元来、「病葉」は「ビョウヨウ」と呉音の発音が載っている辞書(「漢語林」大修館)もありますが、この場合はもともとの「(1)病気や虫におかされた葉」を指すようです。
歳時記では「病葉(わくらば)」は夏の季語となっているのは「(2)(青葉繁茂の季節の)落葉の時期でないのに色づき、あるいは枯れている葉」であり、これが上の「アカラムハ(赤らむ葉)」由来となるのでしょうか。
また、季節に関わりなく「(3)常緑樹の枯れ葉」を指す場合はビョウヨウ」「わくらば」のどちらでも通るのでしょう。
一方、同じ「わくらば」の発音でも「嫩葉」の方は木の若芽を指す方です。
それに、「ワクラバニ」といい中世以降には歌語として「ワクラワニ」ともなった方は、「「別(わ)く」に上代の接尾語「ら」「ま」が付いてできた語」(「古語大辞典」小学館)として異語源であり「まれに/偶然に/邂逅」の意味を帯びているようです。
『わくらば』という語形での文献初出は室町時代ですが、万葉集に『わわらば』という語があり「破れた葉」の意なので、これが『わくらば』の古形でしょう。『わわらば』が『わくらば』になったの ...続きを読む