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「高きに居て驕るべからず、ひきゝに有りてうらむべからず。唯世の中は横槌なるべし」(「杵折賛(きねをれのさん)」(芭蕉句選拾遺))  此槌のむかし椿歟梅の木か  ばせを 今では掛け花活けとなって天下の奇物と讃えられるこの横槌の折れ端も、その前は賤(いや)しい田舎での砧(きぬた)の形見でしかなかった。そもそも山で椿を咲かせ、あるいは梅の香を愉しませた木であったものだ。横槌として賤しく叩かれても恨みもせず、花入れとして貴人の頭上の具となっても驕りもしない。 「風雅の誠」と名付けた蕉風開眼への遍路の一齣なのでしょう。 注1)ひきき…「ひきし(卑し/低し)」のク活用連体形で、中古での「浅(あさ)し」に替えて鎌倉初期から成立。現代語の「ひくい」に転成が始まったのは室町後期以降だが、江戸初期の雅文では格調においても「ひきゝ」が相応しいものと。 注2)「歟」…変体仮名「か」 http://www.geocities.jp/ezoushijp/ezoushiwoyomutameni.html

  • 登録日2008/07/05