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原発、燃料棒がすべて露出
福島原発、燃料棒がすべて露出というニュースが入ってきました。 臨界になる可能性はありますか? ニュースの解説では、燃料棒が溶けて下に積もれば危険と 話していました。
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回答番号:ANo.5です。 但し、臨界に達しないからと言って、安全とは限りません。 エネルギーが発生するのは、核分裂反応が起きた時だけでは無いからです。 放射性物質の原子核が放射線を出して、別の原子核に変わる場合にも、核分裂と比べれば少ないながらも、化学反応とは比べものにならない程の、大きなエネルギーが発生します。 使用済み核燃料には、大量の放射性物質が含まれていますから、それが放射線を出して崩壊する際のエネルギーにより、使用済み核燃料は、強力に発熱し続けるため、冷却が不充分だと高温になります。 そして、その高温で融解した核燃料が、圧力容器の底に溜まれば、高熱で圧力容器が融けて穴が開き、格納容器の底部の水を加熱して水蒸気に変え、その水蒸気の圧力で、格納容器が破損して、放射性物質が飛散するかも知れません。 私はその専門家の方の解説を視聴してはおりませんが、その方が仰る、溜まると危険とは、多分、臨界によるものではなく、放射性物質の崩壊による熱で、圧力容器や格納容器が破損する事なのではないかと思います。
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- kagakusuki
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臨界になる可能性はありません。 臨界とは連鎖核分裂反応を持続可能になった状態の事ですが、そのためには、原子炉内部の中性子の数の密度が、あるレベル以上に保たれている必要があります。 他の方も仰っている様に、地震が発生した段階で、自動的に制御棒が差し込まれていますから、連鎖核分裂反応に必要な中性子は、制御棒が吸収してしまい、核分裂を持続させるには、中性子の数が常に不足する状態になっています。 それから、原子炉用の濃縮ウランは、一塊に集まると、返って核分裂を起こし難くなる場合もあります。 ウラン鉱石から取り出される天然ウランには、中性子を吸収して核分裂を起こし易いウラン235は、僅か0.72%しか含まれておらず、残りの殆ど(99.27%)は中性子を吸収しても核分裂を起こし難いウラン238が占めています。 このままでは、核分裂させ難いため、濃縮と呼ばれる処理を行って、ウラン238を除去し、ウラン235の割合を高めて、核分裂し易くしたウランが、濃縮ウランと呼ばれるものです。 濃縮ウランには、用途によってウラン235の割合が異なり、原子爆弾に使われる兵器級ウランは、ウラン235が90%以上に濃縮されていますが、商業発電用の原子炉に使われる低濃縮ウランは、通常は2~4%程度に過ぎません。 原子核は一般的に中性子のエネルギーが低い方が吸収し易い傾向があるのですが、ウラン238は丁度、ウラン235の核分裂で放出される中性子が持つエネルギーの付近で、中性子を吸収する確率が増える性質があります。 このため、ウラン238を多く含む低濃縮ウランの塊では、中性子の多くはウラン238に吸収されてしまい、ウラン235の核分裂に使われる中性子の割合が低いため、中性子の数が次第に減ってしまい、核分裂反応が持続し難いのです。 原子炉では、低濃縮ウランで核分裂反応を持続させるために、ウランの燃料棒を間隔を空けて配置し、その間を水等で満たしています。 燃料棒から放出された中性子は、水分子を構成している水素の原子核と衝突する事により、効率良くエネルギーを失い、ウラン238の吸収確率が高いエネルギー領域よりも低いエネルギーになり、ウラン235に吸収される割合が増える様になります。(ウランの塊のままでは、中性子が水でエネルギーを失う前に、ウラン238に吸収されてしまう) 又、水という邪魔ものに衝突した中性子は、簡単には原子炉の内部からは出られませんから、水が無い場合と比べて、再び燃料棒に吸収される割合が増え、中性子の利用効率が増す訳です。 この様に、水は単なる冷却剤として以外にも、核分裂反応を持続させるためにも重要な役割を果たしています。 東海村でのJCO臨界事故を思い起こして下さい。 あの時は、ウラン235の割合が18.8%もある比較的濃縮度が高いウランであるからこそ、一つに纏めた際に連鎖核分裂反応が始まりました。 【参考URL】 東海村JCO臨界事故 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85 JCO臨界事故で起きたウランの反応のまとめ http://rei.to/text4.html そして、その様な濃縮度が比較的高いウランでも、核分裂反応を助ける働きをしている水を抜く事で、反応を止める事が出来ました。 福島原子力発電所では、ウランの濃縮度が低い事に加え、注入した海水には、中性子を吸収するホウ素が混ぜられていますから、融解して圧力容器底部に溜まったとしても、臨界に達する事は無いと思います。
- tetsumyi
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不安をあおる目的で書き込むのではありませんが真実を知っておくことは必要ですからお知らせしますが、その通りです。 原子炉用の濃縮ウランはある程度の量が集まると臨界に達して爆発的な核反応が起きます。 濃縮工場での臨界事故を思い起こしてください。 この事故はバケツでウラン濃縮を行なって臨界となりました。 つまり濃度によってバケツ1杯の量が1箇所に溜まると反応を止めることができなくなると言うことです。 原爆のように狭い空間に閉じ込められているのではありませんから、大爆発にはならないでしょうが小爆発を繰り返して放射性物質を周囲に撒き散らすことになります。 撒き散らして分散すれば核反応は起きなくなりますが、もはや誰も近付くことができない汚染された地域が広範囲ができることになります。 中心部はチェルノブイリのようにコンクリートで固められて放射性物質が拡散しないようにする以外に方法はなくなります。
- rukuku
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こんばんは >臨界になる可能性はありますか? 以下の2つの理由からありません。 1.福島第一原発の場合、制御棒が挿入され、原子炉の運転は停止しています。 2.水がなくなれば、核分裂反応が起きにくくなります。 唯一問題なのは、「余熱」です。 本来ならば水を注入して冷却すれば事態は収まります。しかし、今回の場合、地震と津波によるダメージで水を注入する装置が壊れてしまいました。 その代わりとして、海水を注入する処置が行われていますので、これ以上の状況の悪化はないと思います。
>燃料棒が溶けて下に積もれば危険 燃料棒が融けて内部の燃料が多量に下部に積もると「暴走」状態になります。 チェルノブイリと違い減速材が炭素ではないので炉の全体が燃えることはありませんが、スリーマイル島の状況を超えてミニ核爆弾並みになり、大量の核分裂生成物を辺り一面に放出します。 この場合、他の原子炉の調整修復作業はもう出来ず、反応が収まるまで数ヶ月近付くことも出来なくなります。 原発は太平洋に面しているので、核分裂生成物は偏西風に乗って北太平洋北部からアラスカに飛散することになります。
- norinofan
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怖いですね。 露出してるという事は温度が上がり続けるんですかね。
補足
詳細な回答ありがとうございます。 使用済み核燃料が地震により破損、一つの角に集まり、プールの水が蒸発してしまった場合、 高温になり、床を溶かす可能性がありますか。 また壁が吹き飛んでいる場合は、放射線は生命に危険があるくらい飛散しますか。