慣性核融合について

このQ&Aのポイント
  • 慣性核融合について興味があり、図書館で借りた本には、レーザー、相対論的電子ビーム、軽イオンビーム、重イオンビームを使用するビームについて書かれていました。
  • 質問1:現在の慣性核融合ではどのビームが実用化されやすいのか? 質問2:慣性核融合炉の実験炉の完成度と実用炉の見込みは? 質問3:慣性核融合方式と磁界閉じ込め方式、どちらが先に実用化されやすいのか? 質問4:他に核融合に関するトピックスはあるか?
  • 現在の慣性核融合では、どのタイプのビームが最も早く実用化されるのか、慣性核融合炉の実験炉の完成度と実用炉の見込み、慣性核融合方式と磁界閉じ込め方式の比較、そして他の核融合に関するトピックスについてまとめます。
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慣性核融合について

慣性核融合について こんにちは、 慣性核融合に興味があり、図書館で本を借りて読んだりしています。 その読んでいる本がかなり古い本で、1980年台のものです。その本には、慣性核融合を起こすビームには、「レーザー」「相対論的電子ビーム」「軽イオンビーム」「重イオンビーム」なんかが載っています。下記について教えてください。 質問1、 現在でも、ビームは、このようなものなのでしょうか?それらの内、どのビームが一番早く実用化されそうなのでしょうか? 質問2、 慣性核融合炉の実験炉は完成しているのでしょうか?実用炉はいつごろ出来そうなのでしょうか? 質問3、 慣性核融合方式は、磁界閉じ込め方式と比べて、どちらが先に実用化されそうなのでしょうか? 質問4、 その他、核融合についてトピックスは無いでしょうか?

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  • gamma_46
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回答No.1

 お勉強をされているようなので、少ないエネルギー注入で慣性核融合を起こすためには、燃料球を圧縮する必要がある事はご存じと思います。燃料球の圧縮は燃料球の表面が加熱されてプラズマ化して、外に向かって噴出する時の反作用で圧縮します(瞬間的に起こるので爆縮と言います)。  従ってミリメートル程度かそれ以下の小さな燃料球を無駄無く加熱するためには、ビームを集束してエネルギーを集中して1平方センチ当たり十~百兆ワットの強さにする必要があります。しかし、空気中でそれをやるとビームが燃料球に届く前に周りの空気がプラズマになってしまい、肝心の燃料球にエネルギーが届きません。  従って、強力なビームを燃料球に届けるためには途中を真空にしなければなりません。また、核融合が起こると膨大なエネルギーが放出されるので、炉壁が壊れないように壁は数メートル以上離して置くので、ビームは真空中を数メートル飛んでその先で広がらずに集中できなければなりません。  そのような条件を満たすことができるのは、レーザーと重イオンだけです。他の方法はどうやってもウマく行きませんでした(難しい話しになるので、理由は省きます)。その上、加速器の建設費はレーザーの十倍くらいお金がかかるので、今では慣性核融合実験はレーザーでしかやられていません。(注;運転効率は加速器の方がいいので、もっと核融合の物理が分かって、加速器技術も上がれば将来は重イオンビーム核融合炉もできるかも)  核融合の当面の目標は、自己点火といって「外からエネルギーを注入し続けなくても、自分の核融合で加熱を持続させること」が目標です。磁場閉じ込めも、慣性核融合もそのために大型装置の計画や建設が行われています。<まだ、炉と呼べる物はできていません> 磁場閉じ込めではITER(フランスに作ります)が国際協力で設計中です、慣性核融合ではNIF(アメリカ)がほぼ完成し実験を始めるところです。フランスも独自にNIFと同程度のLMJという実験装置を作っています。どれも、数年~十年後には使ったエネルギーより多くの核融合エネルギーを得る事「臨界以上」を目指しています。 臨界が達成された後は、炉壁の耐久性、ビーム源の効率を上げる等の工学的課題が残っていますが、大型装置は計画から設計、建設まで十年以上かかり、数年は実験してデータを集めそれを見てまた直すという事をするので、発電炉になるのは(今のやり方の延長で考えると)50年以上先でしょう。 50年以内に実用化するためには、研究の進め方や、物理、工学面での発想の転換を迫るような大きな飛躍が必要かもしれません。どの方式が先かは、意見が分かれています。ここ十年ちょっとは慣性核融合が先頭を切るでしょうが、効率の良いレーザーを実現できるかが鍵です。磁場閉じ込めは、核融合が進んだ時のプラズマの安定性はまだ誰も実験した事が無いので分かりません。 トピックスは、慣性核融合では、阪大レーザー研のサイトが充実しているでしょう。 英語でも良ければ、https://lasers.llnl.gov/about/http://en.wikipedia.org/wiki/Laser_M%C3%A9gajoulehttp://lamda.mat.muroran-it.ac.jp/IBF/Seminar_Program/Seminar_B/9A-1B_02_T.Norimatsu.pdf 磁場閉じ込めは、原子力機構と核融合研(http://www.naka.jaea.go.jp/ITER/index.html, http://www.nifs.ac.jp/index_003.html)。 重イオンビームに興味があるのなら、http://www.gsi.de/portrait/Broschueren/Wunderland/09_e.html

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質問者

補足

詳しいご説明有難う御座います。 「今は1980年代に書かれた本の内容とかなり違うなぁ」とご説明を読んで思いました。 「相対論的電子ビーム」「軽イオンビーム」はもう使わないのですね。 >50年以内に実用化するためには、研究の進め方や、物理、工学面での発想の転換を迫るような大きな飛躍が必要かもしれません。 そうなのですか。世界中の超優秀な頭脳の方が頭を悩ませられている問題なので、素人には無理でしょうが、何か斬新な方法がないのか?想像することは、ワクワクしますね。 (湯川先生や益川先生も、ちょっとした思い付きがノーベル賞に結びついています。但し、そこに至るまでの理論は完全に理解してないと話になりませんが、、) >ここ十年ちょっとは慣性核融合が先頭を切るでしょうが、効率の良いレーザーを実現できるかが鍵です。磁場閉じ込めは、核融合が進んだ時のプラズマの安定性はまだ誰も実験した事が無いので分かりません。 そうで御座いますか。磁場閉じ込め方式は、「トカマク」、「トロイダル磁場」「プラズマ電流」とか複雑そうで、素人は、馴染み難いです。慣性核融合の方が、磁界閉じ込め方式に比べたら、まだ馴染みやすいです。(取り組めば、取り組む程、問題や疑問点が増えて、難しくなるはずですが、) 慣性核融合は、丹生慶四郎と言う先生の書かれた「核融合」や物理学最前線1の「粒子ビーム核融合」が素人にも分かりやすい素晴らしい本で気に入っていたのですが、理論とか技術とか古くて、今とはかなり違うのかもしれませんね。 他に慣性核融合に関する読みやすい日本語で書かれた本、(解説)論文等は御座いますのでしょうか?ご教示頂きましたら幸いです。

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