iPS細胞の誘導と再生医療への応用についての質問

このQ&Aのポイント
  • iPS細胞は様々な組織の細胞への誘導が可能であると言われていますが、その根拠や現状について知りたいです。
  • iPS細胞の再生医療への応用について疑問があります。体細胞を直接培養してもいいのではないか、iPS細胞の利点は何なのか知りたいです。
  • 現在、どの組織がiPS細胞によって治療に適していると考えられているのか教えてください。特に皮膚、軟骨、神経、心臓などについて知りたいです。
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iPS細胞について質問です。

iPS細胞について質問です。 (1)iPS細胞からどのような組織の細胞でも誘導できるということですが、 何を根拠にそのように言われているのでしょうか。 現在、すべての組織の細胞を実際に誘導できているなどは思えません。 とりあえず現在では、どのような組織の細胞が誘導できているのでしょうか。 (2)そもそもiPS細胞を再生医療に応用する意味がよくわかりません。 体細胞(体性幹細胞など?)の細胞を患者さんから摘出して、 それを培養すればいいような気もします。 iPS細胞から誘導するメリットは何があるのでしょうか。 自分で思いつくのは、 ・損傷ですべて無くなってしまった場合、 ・摘出・培養が難しい場合      などです。 実際には、iPS細胞を利用するのが良い組織と、 体性幹細胞などを培養するのが良い組織があると思います。 現在、どんな組織が、どういう風に考えられているのか教えて頂きたいと思います。 (特に、皮膚、軟骨、神経、心臓など)

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  • otx
  • ベストアンサー率44% (256/576)
回答No.1

(1)iPS細胞がどのような組織、細胞にも分化し得ることは、 マウスの細胞から作ったiPS細胞を「胚盤胞」と呼ばれるマウスの受精卵からちょっと発生が進んだ胚の中にiPS細胞を注入すると、 生まれたマウスにはiPS細胞由来の細胞、組織をもったものが生まれること、 さらにキメラマウスとの交配で次世代の子孫にiPS細胞に由来する個体が産まれることから証明されています。 これはES細胞でも同様です。 つまり、全ての細胞、組織になる受精卵由来の細胞と同じ能力をiPS細胞は持つということです。 ただ、これは生体内(in vivo)でそうなるということであって、試験管内(in vitro)でiPS細胞を人工的にいろいろな細胞、組織に分化させることができるということではありません。 ヒトに移植するとかの目的には試験管内で分化させなくてはなりません。 しかし、現在のところは質問者さんのおっしゃる通り、試験管内で細胞までは作れても(詳しく何種類かは知りませんが)、 組織まで作ることはほとんどできていません。 しかし、上記の理由で、ポテンシャルとしてはいろいろな組織に分化する可能性はあります。 だた、生体内での行われる調節されたiPS細胞の分化のさせ方を試験管内で再現するに至っていないということです。 (2)確かに、体の中には幹細胞と呼ばれる細胞が存在しています。 しかし、その数はものすごーーーーーく少ないものです。 また、分離する方法もほとんど確立していません。確立しているにしてもどうやって幹細胞をとってくると思いますか? 例えば精巣からとるとしたら、精巣をすりつぶして細胞をバラバラにしてそこから数が少ない幹細胞を集めるのです。 幹細胞を取るために、その幹細胞が存在する組織をすりつぶさなければならないのですよ?それってどう思いますか? また、例えば血液の幹細胞は血液中に存在します。この場合、最初から細胞はバラバラなのでいいと思うかもしれませんが、 幹細胞を集めるために大量の血液を採血しなければなりません。 幹細胞だったら1つあればいい、そこから大量の細胞が分化してくるのだからと思うかもしれませんが、 現在、幹細胞を幹細胞の特徴を保ったまま生体外で長期間培養するのはほとんどできないです。 また、体外で幹細胞の数を増やそうとしても、数が増えることはなく、 増えてきたとしても、その時には、すでに別の細胞になってしまっています。それでは目的の細胞を作ることはできません。 別の人の幹細胞は拒絶されるので論外です。 つまり、体にある幹細胞は集めるもは超大変、体外で培養維持はできない増やせない、のです。 その点、iPS細胞はまだ分化させる技術はありませんが、少なくとも万能性を維持したまま体外で長期間培養できますし、数もいくらでもできます。 仮に、iPS細胞が培養中に変化したとしても、体細胞から容易にiPS細胞を作ることが可能です。 このことはかなりの利点です。

shun6066
質問者

お礼

ありがとうございます! よくわかりました! まだまだiPSには課題があるとしても、今後に期待ですね。

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