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分子の運動エネルギーについて
単原子分子n[mol]の内部エネルギーは3nRT/2、二原子分子は5nRT/2、三原子分子は6nRT/2となっていますが 手持ちの教科書には分子1個の運動エネルギーについては3kT/2としか書いてありません。 分子1個の運動エネルギーもこれに比例して3kT/2→5kT/2→6kT/2と増えるのでしょうか それとも分子1個の場合はどんな分子でも3kT/2なのでしょうか 回答よろしくお願いします
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No.1とNo.2の方々の回答に有るように、分子の運動の <自由度1つ当たりのエネルギーは、kT/2>になります。 ここで 1)単原子分子とはヘリウムHeのような分子のこと、 2)二原子分子とは水素H2のような分子のこと、 3)三原子分子とは二酸化炭素CO2のような分子のこと、 ですから、それぞれの分子の運動の自由度は次の様になります。 1)分子を球状とすると、運動はX,Y,Zの3方向に可能で自由度は3。 (回転は分子が球対称で有るために無視される。) 2)分子をダンベル(亜鈴)状とすると、運動は1)の3方向の他に、 ダンベルの軸方向とそれに直交する軸の2つに対して可能で 自由度が2つ追加され、合計5。 3)分子をスキージャンプフォームのV字に開いたスキー板の形とすると、 2)の2つの回転軸の他に、更にV字が開いたり閉じたりする 自由度(伸縮の自由度)が1つ追加され、合計6。 「自由度」を分子1個の「運動を記述するために必要な変数の数」と 言い換えもできます。 以上をまとめると、分子1個の持つ内部エネルギは 1)単原子分子では、3kT/2 2)二原子分子では、5kT/2 3)三原子分子では、6kT/2 となります。
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- htms42
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#9です。 私の理解不足であいまいなことを書きました。 参考URLの中の記述についておかしいと書いたことを撤回します。 エネルギーの当配分則で考える自由度の数は古典論と量子論で区別する必要ががあります。 振動状態での自由度が運動エネルギーと位置エネルギーで自由度が2つになるというのは古典論での話です。 調和振動でのエネルギー順位を求めるときにはその2つを考慮した値になっていますから振動のモード1つで比熱を考えればそれで終わりです。2倍する必要はありません。その表現に高温近似を当てはめると古典論での自由度2に対応する値、Rになります。 CO2の比熱比1.30を出すときに0.43を2倍したのは直線状分子の変角振動が縮重しているからです。H2OやSO2のような分子では変角振動の縮重はありません。 (直線状の分子 O=C=O がどちらの方向に曲がるかで2つの方向の可能性があります。この図の面内で折れ曲がる、この面に垂直な方向に折れ曲がるの2つです。) SO2の場合についての比熱の計算がバーローの「物理化学」に載っています。3つの振動のモードからの寄与を全部あわせるとγ=1.26が得られるということを示しています。 これは10/8=1.25に近いですから自由度8です。振動からの寄与が自由度2に対応しています。でもこの自由度2はほとんどが変角振動1つから来ています。SO2の変角振動の振動数は518cm^(-1)でCO2の667cm^(-1)よりも小さいです。
お礼
わざわざ訂正ありがとうございます
- htms42
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#7、#8です。 書いたことに「?」のつく部分があるようです。 まだチェックできていません。 一応保留ということにしておいてください。 申し訳ありません。
- htms42
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#7の続きです。 #6にあるサイトに自由度について文章がありました。 質問されている方の書いたものです。 誤っているのですがきちんと指摘されていません。 むしろそれを認めてしまっています。 「CO2は3原子分子だから自由度は9」 「並進で3、回転で2、残りの4は振動である」 「そのうち対称振動1、非対称振動1、変角振動2」 自由度の最大は9ではありません。 9は「1原子あたり3、原子が3つだから9になる」という数字です。 これは3つの原子が自由に運動できるという場合です。 束縛があればエネルギーの分配先としての自由度の数はこの数よりも多くなります。3+2+2×3=11です。振動のモードが3つありますからそれぞれについて自由度が2増えるのです。 これはデュロンプティの法則でもわかることです。N個の原子から出来た金属固体を考えます。力学的な運動の自由度は3Nですがエネルギー等配分で考える自由度は6Nになっています。この金属を加熱して気体にします。自由度は3Nに減少します。モル比熱は3Rから(3/2)Rに変わります。 一案最初には認めていたはずの考え方が後ろではどこかにいってしまっています。基準振動が4つあるという文章に乗っかって話を進めているサイトですから読んでいてわからなくなるのも仕方がないでしょう。
お礼
サイトの内容自体が間違っていたのですか 回答ありがとうございます
- htms42
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#6に紹介されているサイトを見てみました。 CO2では667cm^(-1)の振動が励起されているという計算をしています。 分布関数から出した比熱の値が0.43Rになっています。これを2倍した値を使ってγを求めると1.30がでてきます。 0.43は0.5よりも少し少ないです。でも比熱への影響で考えるとずれは小さくなります。 0.43/0.5=0.86 1.30/(9/7)=1.01 1%のずれです。 水の場合、γ=1.33です。3原子分子の剛体運動そのままの値ですから変角振動は出てきていないと考えてよいということになります。 でも肝腎の「変角振動」についての理解は危ういですね。 >変角振動がどういうものかは知りませんが、その自由度が3ではなく縦波を除く2であって、回転の自由度が2で実測とぴったり合うならそれでいいのではないですかね。 ・これはフォーラムを主催している人の文章です。 変角振動だから角度が変わる振動です。 これを伸縮振動の図で説明しているコメントが出てきたり、 (このコメントではCO2を C O O と書います。O C Oです。) 変角振動は横振動だから自由度は2だという説明がされていたり 振動が媒質の中を伝わる場合にしか使うことが出来ないはずの「波」という言葉を使っていたり とか「?」のつくところがたくさんあります。 固体比熱についてのデュロン・プティの法則を出していながら自由度6の意味が理解できていないことになります。 束縛状態の中での振動が3方向ありますから 1方向についての自由度が2で合計で6です。 1方向について運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの2つにエネルギーが配分されるとして自由度が2になります。(これは最初に確認されている内容だったのですが後ろの方では忘れられています。同じ人の発言です。) mintD様が読んでみてわからなくなってきたと書いておられるのは軸の定まらない文章が次々とでてくるからです。
#5の回答が出ましたので、質問内容の範囲を超えますが、参考として以下をあげておきます。 http://sci.la.coocan.jp/fphys/log/stat/2_main.html
お礼
ありがとうございます 今の自分の知識では、下のほうになるにつれてよくわからなくなりました
- htms42
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分子の運動エネルギーという時は重心の並進運動について言っています。振動も回転も運動だと言えば振動のエネルギーも回転のエネルギーも運動エネルギーだということになりますので混乱してきます。 この意味での並進の運動エネルギーの自由度はx、y、zの3方向のものしかありません。これはすべての粒子に共通です。 常温の気体では回転運動は充分に励起されていると考えられます。回転軸は3方向が可能ですから自由度は3です。直線状の分子の場合は自由度は2になります。定圧比熱Cpと定積比熱Cvの比を比熱比γで表します。γ=Cp/Cvです。 Cp-Cv=RですからCv=(3/2)Rのときγ=5/3=1.33になります。1原子気体の場合です。 2原子分子気体 γ=7/5=1.40 3原子分子気体 γ=8/6=1.33 (折れ線型・・・H2O) γ=7/5=1.40 (直線型・・・CO2) ここまでは分子を剛体として考えたものになっています。 4原子分子でも同じです。 これ以上の自由度は分子の変形に対応します。 CO2はO=C=Oの直線型ですから予想されるγの値は1.4です。 理科年表(少し前の版)に載っている値は1.30(16℃)です。 この値はγ=9/7に近いです。 自由度7というのは振動のモードが1つ励起されているとするとでてきます。(振動の場合はモード1つで自由度が2増えます。運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの2自由度に対応するからです。) OCOの角度が変わる振動(変角振動)です。理科年表に載っている変角振動の振動数(波数)は667cm^(-1)です。H2Oの変角振動の振動数 1595cm^(-1)の半分以下です。励起されやすい振動だということです。CO2の逆対称伸縮振動の振動数は2349cm^(-1)です。 #4に書かれている(3)の説明は誤りです。
お礼
まさに振動や回転が運動エネルギーといえるかどうかで悩んでいました 回答ありがとうございます
- yokkun831
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>分子1個の運動エネルギーもこれに比例して3kT/2→5kT/2→6kT/2と増えるのでしょうか そのとおりです。ボルツマン定数kは、わかりやすくいえば「1分子あたりの気体定数」なのです。ですから、 分子1個当たりの運動エネルギーが 1原子分子 3kT/2 2原子分子 5kT/2 ・・・ならば、 nモルの理想気体の内部エネルギーは、 1原子分子 3nRT/2 2原子分子 5nRT/2 ・・・になります。 R = Na × k(Na=アボガドロ数) という関係にあるわけです。
お礼
回答ありがとうございます やはり運動エネルギーも二原子分子、三原子分子となるにつれて増えるのですね
- kagakusuki
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運動エネルギーは3kT/2ですが、その他に回転エネルギーがあるため、2原子分子や3原子分子の内部エネルギーは、単原子分子よりも高くなります。 今仮に、単原子分子の場合を考えてみます。 分子は熱運動によって、前後、左右、上下、の各方向に運動する事が出来ます。(右前方向は、右方向の運動と前方向の運動が、組合さった運動です) 後方向への運動は、前方向へマイナスの値だけ運動する事ですから、前方向と後方向は、同じ種類の方向と言えます。 同様に、上と下で1方向、左右で1方向、の運動と言えますから、運動の方向は全部で3方向となります。 この様な、動く事の出来る方向の数の事を、自由度と呼びます。 運動の方向は、3方向ですから、この事を「運動は3自由度である」と表現します。 内部エネルギーは、自由度の1つ1つに、等し量が分配されるという性質があります。 そして、自由度1つ当たりのエネルギーは、kT/2になります。 どの様な分子も、運動は3自由度ですから、分子の運動エネルギーは3kT/2になります。 では、2原子分子の5kT/2や3原子分子の6kT/2は何かと言いますと、運動エネルギーの3kT/2に、回転エネルギーが加わったものなのです。 回転速度が同じ場合、回転エネルギーは、回転するものの質量が重い程、又、質量が回転軸から離れている程、高くなります。 原子の質量の殆どは、原子核に集中していますから、単原子分子の回転エネルギーは、原子核の回転エネルギーに、ほぼ等しくなりますが、原子核の直径は原子の1万分の1以下しかありませんので、原子核の回転エネルギー(≒単原子分子の回転エネルギー)は、非常に小さくなります。 そのため、単原子分子の内部エネルギーは、運動エネルギーのみの3kT/2になります。 次に、2原子分子ですが、今仮に、分子を構成している2個の原子が上下に並んでいる場合を考えます。 回転を行う際の回転軸が、2個の原子の中心を結んだラインと、同じ方向に向いている場合には、回転しても原子の位置に変化は生じませんから、回転したとはみなされません。 回転軸が、前後方向を向いている場合と、左右方向を向いている場合は、原子の位置に変化があるため、回転した事になります。 従って、2原子分子の回転の自由度は、2自由度となり、運動の3自由度と合わせて、全部で5自由度となりますから、内部エネルギーはkT/2の5倍で、5kT/2になります。 同様に、水分子の様な3原子分子の場合は、回転の自由度が3自由度ありますから、運動の自由度と合わせて、6自由度となるので、内部エネルギーは6kT/2となります。 尚、同じ3原子分子でも、二酸化炭素の様に、原子が直線上に並んでいる分子は、回転の自由度が2自由度である筈ですが、何故、内部エネルギーが5kT/2にならないのかに関しては、私も満足の行く説明を見た事はありません。
お礼
自由度×kT/2、ということですね 回答ありがとうございます
- shiki2115
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単原子分子とはヘリウムHeのような分子のこと 二原子分子とは水素H2のような分子のこと 三原子分子とは二酸化炭素CO2のような分子のことを指します。 分子の数を表しているものではありません。 分子を構成する原子数を言っています。 教科書ではこの分野を取り扱う時は、基本、希ガス元素のHeやArを取り上げることが多いので、そのような表記になっているのだと思います。 分子の運動エネルギーに関して、高校レベルでも導き出し方があるので、一度勉強してみると面白いと思います。
お礼
授業では壁にt秒間の間に壁に与える力積を求めて計算したのですが、 壁にぶつかるときには分子内での回転は関係ないから、と考えていいのでしょうか 回答ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます 少し説明が難しいので、よく調べてみます