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関係って関係項をはなれて実在するの?

fishbowl66の回答

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回答No.1

「科学は、客観でありうるためには、感覚を経ないでつくられた概念からではなく、感覚によってつくられた概念から出発しなければならない。科学は、その出発点における定義を構成する諸要素を、可感的な与件から直接に借りなければならないのである」(デュルケーム1895) そのように客観の学として構想された社会学は、なにを具体的な研究対象とするのか。デュルケームによれば、社会はそれを構成する諸個人には還元されない固有の『実在』性をもっているはずであり、このことがかれの社会学の第二の特徴であった。社会学が対象とする法や契約、連帯、習慣、宗教、倫理、行動規範などは、諸個人の外部にありながら、諸個人の行動を規制する集合表象であり、社会現象であるというのである。 「行動と思考の集合的諸様式は諸個人の外部に『実在』性をもっているということ、そして諸個人はあらゆる時点に置いてこれに従っているということに尽きる・・・」(ib) (人類学的思考の歴史 竹沢尚一郎より『』は引用者) 難しい問題ですね。 よく難解な本の解説に、決まり文句のように、この本が難解なのは扱っている問題が難解なのである、伝々・・ という言い訳を目にしますが、この回答にも同じ言い訳をしたい気がします。 さて、『実在』に関しては、その内容がプラトンでしたか、イデア的な考えではなく、上記引用に見られるような、存在の一種の形式として、この回答で使用している事を、お断りしておきます。 上記の引用は社会学の対象としての社会の『実在』に関して述べている部分ですが、社会というのも一種の関係のようなものです。こで述べられている事は、対象として研究対象とするためには、その対象が存在していないとしたら、科学として成り立たないジャン。そこで、関係について研究しようとする場合も、研究の対象として関係にも『実在』してもらわないと困るわけですね。 ただ、有名な話では、イギリスの元首相サッチャー女史は、社会は存在しません、存在するのは個々のの個人・・・などと仰ったとか。 こうした議論は、『存在か非存在』『実在か非実在』といった二項対立や白黒をつけるような形になって、どちらかと言えば不毛な議論になってしまうのではないでしょうか。私としては、存在や実在にも各々温度差があるんじゃないのかな、などと予想しています。以下は、パースの形而上学からの一説 「それらの性質は多様性、一様性、そして多様性から一様性への移行である。多様性から一様性への移行によって私が意味しているのは多様性が経験のほとんどあらゆる部門で何度も繰り返されるや習慣を形成する傾向を示すということである。これらの習慣は統計的一様性を生み出す。その統計の中で取り上げられる事例の数がそれらの多様の程度と比較して小さいとき、法則は極端に粗雑なものとなるだろう、しかしその数が一兆にものぼれば、すなわち百万の三乗、あるいは分子の場合がそうであるように、それよりも遙かに多いときは感覚的に認知できるような、法則からの逸脱はない。」 誤解を恐れず、思い切って言ってしまえば、質とか存在も、量や数の問題ジャン、と。 難解な問題です、くれぐれも鵜呑みなされませんように、全く自信なし。

noname#96349
質問者

お礼

fishbowl66さん、ご回答ありがとうございます。 >こうした議論は、『存在か非存在』『実在か非実在』といった二項対立や白黒をつけるような形になって、どちらかと言えば不毛な議論になってしまうのではないでしょうか。私としては、存在や実在にも各々温度差があるんじゃないのかな、などと予想しています。 こう締めくくるのは如何でしょう。 実在はわれわれの持つパースペクティブに投げ込まれることによって真理の判定を受けるのである。 また後ほど補足させていただきます。

noname#96349
質問者

補足

「関係命題は、一般には、一つまたはいくつかの主語ー述語命題と、形式的には、論理的に同値ではない」(ラッセル、論理的原子論) 「伝統論理学はあらゆる命題は主語ー述語形式であると主張しているので、関係の実在を認めることができない。つまり、あらゆる関係は、見かけ上関係付けられている関係項の持つ性質に還元されなければならないというのである。」(外部世界はいかにして知られうるか) へーゲル主義者ブラッドリーの「内的関係」に対するラッセルの批判です。 この後「非対称的関係」という例を持ち出して論駁してゆくのですが 。 ブラッドリーの「現象と実在」は面白そうなのですが、翻訳本が見つからない。 ちなみにメルロ・ポンティの「眼と精神」はホワイトヘッドの宇宙論に影響を受けて書かれたものらしいですが、ホワイトヘッド著作にはしばしばブラッドリーの名が引用されています。 他に何か気づかれましたらよろしくお願いいたします。

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