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パウリの排他律は多電子系において成り立つべきなのか?

grothendieckの回答

回答No.3

白色矮星について私が挙げたURLは手軽に見るには良いですが、もっとちゃんとした本を読まれることをお勧めします。  S.L.Shapiro and S.A.Teukolsky,"Black Holes, White Dwarfs and Neutron Stars" (Jhon Wiley and Sons) 白色矮星は高密度・低温の星で電子がほぼFermi準位まで占有されているような星です。パウリ排他律によって温度が0でも圧力(縮退圧)が生じるため強い圧力を支えられるのです。もちろんこんな素人でも知っているようなことは「専門家」の権威ある回答に完璧に記述されています。しかし「専門家」のご高説はあまりにも程度が高く難解、Sophisticatedで凡人には理解不能です。高踏的、高度の素養を要するため素人が読むと逆の意味にさえ取られかねません。つまり「白色矮星ではパウリの他排律が破れて全ての電子が1s軌道に落ち込みます。」という文を素人でも分かるように書き直すと「パウリ排他律のため最低エネルギー準位に全ての電子が入ることはできず縮退圧が生じます」となるのです。なんという深い含蓄でしょう!さすがは「専門家」ですね。パウリ排他律を実際の問題に適用するときは「フェルミオンの波動関数は反対称化すべし」という形で使われてきました。これはあらゆる領域で有効性が確認されてきました。場の演算子の反交換関係を厳密に定式化しても波動関数の反交換関係を導けないのではしょうがないのではないでしょうか。

atushi256
質問者

お礼

補足 ありがとうございました。 >パウリ排他律を実際の問題に適用するときは「フェルミオンの波動関数は反対称化すべし」という形で使われてきました。 結局のところ、第一量子化(と言うのかどうか知りませんが)の範囲においては、パウリの排他律≒フェルミ統計=>反対称化でよいようで、安心しています。なんら、今まで自分がしてきたことに矛盾しなかったからです。 「非相対論のHはあくまで近似であり、フェルミ統計を満たす根拠があるわけではない。」と書きましたが、よくよく考えたら、ハミルトニアンの粒子番号に対する対称性から、固有波動関数は粒子の入れ替えに対して反対称(または対称)にとることができますね。 しかるに、フェルミ統計=>反対称化とするなら、全く問題は無かったということになりますね。残る問題は 反対称化=>フェルミ統計 が言えるのかどうかどうかですが、それはゆっくり考えたいと思います。 ありがとうございました。

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