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分子軌道とパウリの排他律など
分子軌道上の電子にもパウリの排他律やフント則があてはまりますか? 分子軌道を形成すれば、分子軌道に対して新たに各電子の量子数が決定するのですか?
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> 分子発光など、量子計算に必要なパラメーターなのではないのでしょうか? そうですね。発光に関していえば、原子でも分子でも、スピン量子数は大事なパラメーターですよね。ANo.1では、ほとんどの原子の基底状態が開殻であることと、ほとんどの分子の基底状態が閉殻であることとを念頭に置いて回答しました。ご理解ください。 原子の発光と吸光では、軌道角運動量に関係する量子数がとくに大事なパラメーターでした。ですけど、分子の発光と吸光では、この量子数は(ある種の分子を除いて)ぜんぜん役に立ちません。というのは、ほとんど全ての分子軌道は、軌道角運動量をもたないからです。この量子数のかわりに分子発光の量子計算で大事になるのは、分子軌道の対称性です。 原子発光でも分子発光でも、軌道の対称性が大事なのは同じなのですけど、原子軌道では、すばらしいことに、軌道角運動量量子数と軌道の対称性が一対一に対応しています。そのため、わざわざ軌道の対称性とか難しいことを持ち出さなくても、量子数だけで話が済みます。それに対して分子軌道の軌道角運動量量子数は、軌道の対称性と関係なくほとんどいつも0なので、役に立ちません。それで軌道の対称性が表舞台に出てくるわけです。 主量子数は、ANo.2の回答者の方も書かれていますが、分子軌道では単なる軌道の番号付けくらいの意味しかないです。というのも、分子には原子と違って、そもそも主殻/副殻というような殻構造がないからです(内殻と原子価殻という区分は分子にもあります)。なので、主量子数は、原子軌道では軌道エネルギーに関する大事な量子数でしたが、分子軌道ではほとんど出番がないです。分子発光の量子計算で軌道エネルギーが必要なときは、軌道エネルギーそのものが大事なパラメーターになります。
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#1: >その通りなのですけど、分子軌道の量子数って、原子軌道の量子数ほど重要ではないので、あまり深く考えない方がいいです。 OP: >分子発光など、量子計算に必要なパラメーターなのではないのでしょうか? たしかに、水素様原子のようなときは、量子数は重要です。変数分離して得られるルジャンドルの微分方程式などの式の重要なパラメータにり、数学的に意味を付けやすいし、物理的もイメージを持ちやすいパラメータです。したがって議論の時も量子数が大切になります。量子数が物理的にも数学的にも非常に分かりやすい意味を持つからです。 しかし分子の波動関数は複雑で、解析解が得られないだけでなく、軌道が複雑になってくると付けた量子数の物理的意味を考える事も難しくなります。混成軌道を考えるときに元の原子の量子数から議論をスタートさせたり、分子軌道法などでもいろんな命名の習慣がありますが、できあがった分子の軌道に恣意的に番号を付けることがそれほど重要でしょうか? そのような番号より、むしろ例えばエネルギー順位やや対称性など別の側面注目をして考えることが、分子発光のなどときも有用になってきるのです。 参考まで
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> 分子軌道上の電子にもパウリの排他律やフント則があてはまりますか? ともにあてはまります。 > 分子軌道を形成すれば、分子軌道に対して新たに各電子の量子数が決定するのですか? その通りです。 その通りなのですけど、分子軌道の量子数って、原子軌道の量子数ほど重要ではないので、あまり深く考えない方がいいです。
お礼
A
補足
分子発光など、量子計算に必要なパラメーターなのではないのでしょうか?