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「空襲」と「空爆」
「空襲」と「空爆」についてですが、言葉の意味の質問ではないので、歴史のカテゴリーで訊いてみました。 とりあえず辞書の意味で言うと ---------------------------------------------------- 空襲[名](スル)航空機で地上目標を襲撃すること an air raid ◇空襲する|make an air raid ((on a city)); attack ((a city)) from the air 空爆[名](スル)「空中爆撃」の略。 くうちゅう‐ばくげき【空中爆撃】 航空機から爆弾を投下して攻撃すること。空爆。 an aerial bombardment; 〔空襲〕an air raid ◇空爆する|bomb ((a city)) -------------------------------------------------- このように見ていくと、爆撃とは限らない空中からの攻撃が「空襲」で、爆撃だけの空中攻撃を「空爆」と言う、ということのようですが、実際はどうなんでしょうか。 個人的には、「空爆」においても局面によっては爆撃以外の攻撃をするし、「空襲」においてほとんどが爆撃という場合もあるのではないかと。 むしろ、例えば威圧感を与えたい、優位さを誇示したい場合に「空爆」と言い、逆に、例えば残虐さを緩和したい、(対等な戦局での)攻撃の正当性を訴えたい場合に 「空襲」と言う、など、政治的な使い分けがあるのではないかと(ここに書いた捉え方は全然裏付けとかを考えていない単なる思いつきですが)思えてなりませんが、いかがでしょうか。 歴史、特に近代以降の戦災や、戦中・戦後・占領下等の言論制御などに精通していらっしゃる方、何かご存じでしたらお教え願います。
- hyott
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最初に結論から書けば、「空爆」「空襲」の定義づけにおいて明確な違いはありません。日本における軍事専門誌や航空専門誌などに寄稿している著名な軍事評論家である野木恵一氏や江畑謙介氏などのレポートにおいても、「空襲」「空爆」「爆撃」などの言葉が一定のルールや脈絡もなく散見されます。 とはいえ現代の日本では「空襲」「空爆」「爆撃」「航空攻撃」「航空支援」。英語圏では「air raid」「strike」「bombing」「attack」などなど、これらは現在ではすべて、航空機あるいは地上、空中(ヘリも含む)、水上艦などのプラットホームより発射される対地・対戦車・対レーダーミサイル(巡航ミサイルも含みます)などによる攻撃を意味していると考えても良いかと思います。 確かに現代における戦争や紛争において、いわゆる「空襲」という単語を使うメディアは今では日本ではほとんど見かけなくなりました。これは戦後も歴史上の出来事と言えるほどの時間が経過した今でも、「空襲」という言葉自体に一般市民が拒否反応を起こす事を恐れた新聞テレビなどのメディアの、いわゆる自主規制的な傾考えが影響しています。あなたが仰っている「政治的」な使い分けに近いことがあるとすれば、唯一これではないでしょうか。もちろんここには戦中・戦後・占領下の言論統制は関係はあまりないかと考えます。 近代以降の戦災に関して言えば、太平洋戦争直後の朝鮮戦争ではまだ「空襲」の言葉が見かけられていますが、その後ベトナム戦争当時の北ベトナム爆撃を「北爆」と名づけたり、湾岸戦争、コソボ紛争における航空機による爆撃をすべて「空爆」といった頃からその傾向が顕著となってきていたと考えられます。 とはいえこの傾向は日本だけに限ったことではなく、最初に書いたようにアメリカにおいても、過去の歴史上の航空機による爆撃に対していくつもの呼び名が存在しています。例えばスペイン内戦のゲルニカ爆撃には「bombing」を、太平洋戦争での真珠湾爆撃には「attack」を、そして日本本土空襲では「air raid」を当てるといった具合で、そこにはなんの統一性もありません。 では理由は何かといえば、結局これらの言葉の使用に対して国際的な基準や国内的な取り決めなどが存在しないからです。例外があるとすれば過去に付けられた戦争の名称を、他の新しい戦争には使用しないという取り決めくらいでしょうが、これも現在も継続中の「アフガン戦争」でちょっと怪しくなってはいます(話が逸れてしまいました)。 つまり国際的な事実として兵器や戦術などの呼び名やカテゴリー区分は各国の事情や慣習次第だということなのです。これは各国の他の軍事事情においても同じで、ここでも例をいくつか挙げれば、ヨーロッパでは「巡洋艦」と呼んでもよい戦闘能力や規模を持った艦船がアメリカでは「駆逐艦」と呼ばれ、日本では何でもかんでも「護衛艦」です。 「空爆」に関係する航空機にしても、(戦闘機はほぼ共通していますが)戦闘機に高い爆撃能力を加えた航空機(戦闘爆撃機)を、アメリカ空軍では「戦術航空機」から近年単に「戦闘機」に統一したかと思えば、海軍では「戦闘攻撃機」と呼び、ヨーロッパでは「多目的戦闘機」、そして日本では「支援戦闘機」と呼ぶという具合です。 アメリカでは国防省内でもその呼び名はばらついていますし、アメリカ4軍でもその使い方はまちまちです。日本においては「爆撃」や「空爆」といった、いわゆる「攻撃的」な文言を使うことさえはばかられているのが実情で、すべて「支援」や「阻止」というあやふやな言葉で片付けています。個人的には現代においての「空襲」「空爆」の何れも、する側される側に関わらず、また政治的な思惑があろうがなかろうが、「航空攻撃」で括っていいのではないかと考えます。 ただひとつだけ例外を上げるならば、まだ世界にはアメリカを始めとして純然たる爆撃機部隊を所有している国がありますので、その爆撃機による航空攻撃だけはやはり「爆撃」という言葉をあてるべきではないかと考えます。 長々と寄り道ばかりの回答で申し訳ありませんでした(^_^;)
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- k16399638
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【広辞苑第五版】 くう‐しゅう【空襲】‥シフ 航空機から機関砲・爆弾・焼夷弾・ミサイルなどで地上目標を襲撃すること。「―警報」 くうちゅう‐ばくげき【空中爆撃】 空中から航空機によって爆弾を投下すること。水平爆撃と急降下爆撃とがある。空爆。 うーん、空爆は爆弾、おそらく重力落下のアイアン・ボム限定のようですね。 困ったときの、広辞苑。
お礼
ありがとうございます。 基本的にはそんな感じなんでしょうね。
- tra55
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遠距離砲で砲撃を連続で行う場合 砲爆撃といったり空爆という場合も あります、砲弾は空を飛んで落ち 着弾すると爆発するので、あながち 空爆といいえて妙 あんまり、昔から使っていた言葉では ないみたいですね 第二次大戦の航空機による爆撃は 全般的に空襲と書いている場合が 多く、ベトナム戦争あたりでは アメリカ軍の爆撃を北ベトナム空爆 略して「北爆」と呼んでいましたね 第二次大戦は、爆撃技術は、いまのように 狙い済ました地点に的確にヒットさせる 技術が進んでいなかったので 無差別爆撃が多く、空襲という言葉が ふさわしいのではないでしょうか ベトナム戦争の米軍の爆撃も無差別に 近いものでしたが、民間居住区に これみよがしにジュウタン爆撃というより 北ベトナム潜入部隊が密林に潜んでいる 辺りを陸の味方の偵察隊に調査させ 着弾地点の絞込み観測をしてから 爆撃していますので無差別手当たり しだいの爆撃、空襲とは、ちょっと ちがったのでしょうか
お礼
ありがとうございます。 たしかに、無差別性に着目すると、すこしすっきりしてきます。
- tande
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少なくても戦前日本は「攻撃した時は空爆」「攻撃された時は空襲」なんて分けちゃいません。 例を挙げるなら、41年12月9日の新聞には「ハワイ空襲」「グアム空襲」などと書かれている場合があります。 軍において攻撃する場合に○○空襲という言葉を用いる場合がありますし、また海軍の第十一航空艦隊に第1空襲部隊と呼ばれていた部隊があります。(第1~6まで存在していたようです) なんというか、未だに私は戦前日本で「空爆」という言葉を使用したという文書を未だに見ていなかったりします。 もしかしたら戦前は「空爆という言葉すら無かった」のかもしれませんね。
お礼
ありがとうございます。 戦前は「空爆という言葉すら無かった」 なるほど、その辺を考慮すると、背景が見えてくるかもしれません。
- neKo_deux
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イラク戦争では、艦船からのトマホーク巡航ミサイルによる攻撃は「空爆」と報道されていました。 第二次世界大戦の際は、航空機からの機関銃による攻撃も含めて「空襲」で通っていたように思います。 > 例えば威圧感を与えたい、優位さを誇示したい場合に「空爆」と言い、 > 逆に、例えば残虐さを緩和したい、(対等な戦局での)攻撃の正当性を訴えたい場合に 「空襲」と言う、 日本国内での視点だと、攻撃する/されるで分かれているように思います。 第二次世界大戦の際にも空襲警報とかの用語は使われていたように思いますが、軍部が残虐さを緩和したい、攻撃の正当性を訴えたいって事は無かったと思いますし。
補足
ありがとうございます。なるほど、攻撃する側だと「空爆」、される側からだと「空襲」というのは、それがすべてでないにせよ、確かにわかります。 そうすると、イラク「空爆」は既に日本のメディアがアメリカ寄りであった可能性もありますか?イラク「空襲」だったら、確かに若干の被害者目線が入る気もするし。
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