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子供への遺伝について
遺伝で子供へ伝わる情報というのは、親の後天的な努力によって変わってくるのでしょうか? 例えばあるAという人がいたとして、 そのAが(1)毎日野球の練習をして、プロ野球選手になった場合 (2)何十年も家に引きこもり、寝て暮らした場合 この(1)と(2)の場合では、子どもに伝わる遺伝情報というのは違ってくるのでしょうか? それともおなじですか?教えてください。
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他の回答にもあるとおり、(1)でも(2)でも、子に伝わる遺伝情報は変化しない、というのが正答です。 このようなことを「獲得形質は遺伝しない」という言い方をします。生物学上の大原則でもあります。 ただ、その理由は「何をしても遺伝子が変わらないから」ではありません。例えば癌は遺伝子の変異に起因するものがありますし、レトロウイルスの感染、放射線の被曝などでも遺伝子は変異します。 ただ、それが子に伝わるかというとそうではありません。 例えば親が放射線に被曝し、白血病になったとします。この場合、親の遺伝子は変異していますが、では白血病になった後に作った子供が生まれながらにして白血病になるかというと、なりません。 忘れてはならないのは、「親の持つ遺伝子」は1個ではないということです。赤血球を除いたほとんど全ての細胞に、その個体の全遺伝子が等しく存在しますから、放射線の被曝によって造血系の遺伝子が変異した場合、「同じ変異が同じように生殖細胞のゲノムにも起きる」ことがなければ、「放射線被曝によって起きた遺伝子の変異が子に遺伝する」ことはないわけです。そんなことが起きる可能性はほとんどゼロです。 放射線による品種改良は、「親に被爆させて親を親’にし、その形質を子に伝えさせる」のではありません。親を被爆させて親とは異なった遺伝子を持つ子を作らせるだげです。 放射線被曝は「親の遺伝的変異」が起きるわけですが、ご質問の(1)や(2)のようなケースだと、そもそも親の遺伝的変異も起きないわけですから、それが子に遺伝することも当然あり得ないというわけです。 ただ、引き籠もりのような「性格」が遺伝しないか、については、当然あるでしょう。性格もその動物が持つ「形質」ですから、筋力等と同じように遺伝的背景がある、と考えるのが自然です。 ですから、「親の怠け癖が子に遺伝した」というような言い方も、生物学的には必ずしも間違いとは言えません。「怠け者遺伝子」は存在するでしょうし、子にも遺伝するでしょうから。 ただ、筋力隆々の人でも運動しなければ筋肉が落ちるように、性格も遺伝子だけで決まるものではありません。それにそもそも「筋肉もりもり遺伝子」も「怠け者遺伝子」も、"1つの遺伝子"ではあり得ませんから、どのような環境下でどのような形質を発現するかは、複雑怪奇でちっとやそっとでは解明できそうにありません。 同じ鍛え方をしても筋肉の付き方が人によって違うのと同じように、同じような環境下でも努力できる人もいれば努力が持続しない人もいるでしょう。 これらの性格は数値的に定量できるものではありませんから、「遺伝50%、環境50%」といったように影響を定量化できるわけもありません。 一卵性双生児は、芸能人にも何組かいますが、個人的に知っている人を含めても、みな見事に「そっくり」です。異性の好みまでほぼ同じ、という話はよく聞きますよね。 それが二卵性双生児になるとかなり違います。 もちろん一卵性双生児も「すべて完全に同じ」ではないのですが、一卵性双生児と二卵性双生児を何組か、性格が「どれだけ似ているか、どれだけ違うか」を比較してみれば、「性格も遺伝する」のは明らかでしょう。
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- otx
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親が後天的に何をしようが、持っている遺伝情報は変わりません。 それで、子供に伝わる遺伝情報は変わりません。 ただし。質問者様が話題にしているような、子供の行動や性格は 100%遺伝情報で決まる訳ではありません。 環境で変わります。親の育て方や子供をとりまく環境などで。 遺伝子を気にするよりも、育て方や環境などを気にした方がいいと思います。
お礼
そうですよね!子どもの環境の方が遺伝子などよりも重要ですよね。 というか遺伝子を気にしても、どうしようもないですもんね。 この点については確信を得ることができました。 ご回答ありがとうございました。
- tanuki4u
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獲得形質は、遺伝子の発現が変わるだけであり、遺伝子自体は変わらない。 ということになっておりますので、現在は。 親が後天的に頑張って、放射能を浴びて遺伝子が変われば、その遺伝子は遺伝します。 しかし、この場合 親が放射能を浴びても、生き続けられる遺伝子に変わった。親が親’に変わった。 その変わった遺伝子が親’から子に伝わることになります。 http://www.atomin.go.jp/atomica/08/08010103_1.html これの最後の方、農業用放射線利用というやつです。 ちなみに 1) 2)では遺伝子は変わらないと思われます。
お礼
ご回答ありがとうございます。 自分の遺伝子を変えるには放射能を浴びるほどの覚悟が必要なのですね。 農作物に放射能を当てて遺伝子を変化させる・・・ なんかとても怖い気がします。
- BONUSU
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遺伝子の持つ情報は何をしても変わることがありません。 したがって子供に遺伝する情報も同じです。 ただし、同じ遺伝情報を持つ一卵性双生児であっても 生活環境によって成長に差が出ます。 (同じ生活環境に見えても兄と弟の関係や名前の違いで差が出るのです) よって親が怠惰な生活を送っていればそれが子供の成長に影響を与えるので 「だらしないのが遺伝した」とよく言われる訳です。 これは生物学的な遺伝ではありません。 よく混同されるのでご注意下さい。
お礼
ご回答ありがとうございました。 なるほど子どもの性格や能力を決定するのは遺伝にくわえ 生活環境というのがかなり重要な役割を果たすのですね。 たとえがとてもわかりやすく参考になりました。
- nemoax006
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基本的には先天的要因が50%であとは自己努力が50%といわれていますが、先天的要因にも隔世遺伝もあり正確なことは良くわかりません 一卵性双生児が同じ人生を歩む確率ってどれくらいなんでしょうね
お礼
ご回答ありがとうございます。 一卵性双生児が同じ人生を歩む確率、私も気になります。 私の知り合いには医者と弁護士になった双子がいます。 歩む道は違えど、二人とも相当優秀ですよね。
- owata-www
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遺伝としては親の後天的な努力は関係ありません 親が努力しようがしまいが、親の持っている遺伝情報は同一ですから
お礼
回答していただきありがとうございます。 とても簡潔でわかりやすかったです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 遺伝に関わるさまざまなトピックがすっきりとまとまっており、非常にわかりやすかったです。 「放射線による品種改良」のとこは文系脳の私にはちょっと難しかったですけど;; また自分でも勉強してみます。