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サブプライム問題の発端・原因は結局なんなのでしょう?

t-kamiyamaの回答

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回答No.8

まず「サブプライムローン」という住宅ローンの内容の特徴を挙げると 1、本来は借金を返せそうにない低所得者層をターゲットにしている 2、返済開始後数年間(5年間が多い)は返済額(と金利)がかなり安い という点です。普通に考えれば2はともかく、1はおかしいですよね?借金返してくれそうにもない人にお金貸しちゃうんですから。 こんなローンが作られた理由は3つあります。一つはアメリカの住宅バブルです。住宅がずっと値上がりすると信じられていたので、たとえ借りてが貧乏で借金を返せなくなっても、その段階で値上がりしている住宅を競売すれば儲かると貸し手が考えたのです。二つ目はローンの証券化です。これは簡単にいうと、ローンの貸し手(銀行等)が「○○さんに対する住宅ローン債権」というものを有価証券にして第三者に売っちゃうことです。こうすることで貸し手は新たな資金をすぐ得られるのでどんどんローン貸し出しをしちゃったのです(というか、こうやって貸し出しをやった結果、まともな借り手にはもう貸しちゃったので、残った「本来借りれないような人」にまで貸し出すようになったんですが)。そして、三つ目は(あまり指摘はされていませんが個人的には非常に重要なこととだと思っています)これが最初はうまくいったことです。実はサブプライムローンの危険性(特に後から述べる返済額増加後の危険性)はかなり以前から指摘がなされていました。が、そういった声は無視されました。なぜなら、現実にはサブプライムを扱うローン会社は凄い儲けをだしてましたから。一説ではサブプライムローンに関係するエコノミストのかなりの人はいつか破綻がくることを理解していたといいます。でも、それが少なくとも今日でなく、それによって他社が利益を上げてるなら-たとえいつか破綻すると分かっていても-目の前の利益をあげるためにローン貸し出しをするのが市場経済なのです。 では、なぜ返せなくなったのでしょうか? きっかけは最初の2にあります。サブプライムローンの特徴は、低所得者でも借りやすいように最初の数年の返済額を著しく低く抑えている点にあります。そして去年の初めごろから「最初の数年」が終わり、返済額がいきなり増えた人たちが激増しました。もともと貧困者層を主な顧客としていたことから、返済額が増えたとたんに大半の人が返せなくなりました。そのため貸し手は住宅を競売にかけていったのですが、競売にかけられる住宅が激増したために、住宅市場で供給過剰がおこり、住宅の価格が下がっていったのです。このローンは前述のように「借りてが貧乏で返せなくなっても値上がりした住宅を競売すれば大丈夫」という前提でできてたローンなので、この値下がりは致命的でした。 こうして、返済額増加後の返済不能者の増加+住宅価格の下落による競売での回収不能によってサブプライムローンが「回収不能の債権」となったのです。 なお、2点つけ加えると、住宅ローンの債権化によってサブプライムローンが市場のあちらこちらにばら撒かれたため、この問題が市場全体に影響を及ぼしてしまいました。また、アメリカでは住宅を担保にお金を借り、それを消費にまわすのが一般的であるため、住宅価格の下落は消費全体を押し下げるという影響を与えます。

hiro109z
質問者

お礼

最初にうまくいってしまったこと、これがすべての始まりなのですね。 結局は、その債権をかった者が浅はかだったということなのでしょうか。 非常にわかりやすいご回答、ありがとうございます。

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