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経常収支とインフレの関係について

初歩的な質問で申し訳ありませんが、どうかご教授ください。 1、経常収支とインフレの関係について、たとえば経常収支が赤字であればインフレ動向にどのような影響を与えるのでしょうか?? 2、「また高金利通貨への資金シフトは、仮に高い為替手数料を除いても、結局は為替差損によって相殺される。なぜならば、インフレとは通貨価値の下落を意味し、高金利通貨は高インフレ国の通貨であるからだ。」という趣旨の文章を読んだことがあります。競争的な市場においては裁定機会は存在しないのであるから大まかには合致しているのかなと私は思いましたが、実際には「高金利通貨の価値は上昇する。理由としては何らかのリスクプレミアムが上乗せされている可能性がある。」といった趣旨の文章も見たことがあります。 このことについて実際にはどうなのか、経済学的にはどのような説明がなされるのかのご意見も伺いたいです。 長文になり、また、文章もチグハグになっていたらすみません。 質問1か2かどちらかでも構いませんのでご教授ください。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.2

文章の流れから察してマクロ経済の問題ですよね。企業財務におけるにも資金繰り管理で使う「経常収入」「経常支出」「経常収支」といった言葉がありますが、文脈からして前者の問題と考えます。 1.経常収支とインフレの関係 ・まず経常収支の変動要因をどう捉えるかによって変わります。「フローアプローチ」と「ストックアプローチ」があり、フローアプローチには貿易収支という実需を重視する考え方、1国の対外的な貯蓄・投資バランスを考えるISバランスアプローチに分かれます。ストックアプローチは投資家の資産選択論の流れを汲むポートフォリオバランスアプローチ、金融政策の相違を重視するマネタリーアプローチがあります。 ・フローアプローチは内外の所得差と価格差をパラメータとして考えますので、内外のGDPに占める貿易財産業比率の違いとそれぞれの産業の生産性格差が物価を決めることになります。生産の究極的な要素を労働と考えると、ユニット・レーバー・コスト(ULC)が決め手、ということになります。生産性が低くULCも高い国は物価が高くなり、貿易財産業が外国に劣後するので経常収支は赤字です。海外から安い物品が流入してくるので、経常収支を均衡させる方向を考えると自国通貨は安くなるということです(日本は貿易財産業の競争力が高いので為替は強く、経常収支は黒字な一方、国際競争にさらされない非貿易財産業の生産性は改善が遅れるわけですね)。逆に石油ショック時や最近の食料高騰時のように輸入物価主導でインフレになることもありうる、ということです。 ・ストックアプローチの場合は経常収支の変動要因はマネタリーなものです。この場合は貨幣供給量と金利差が鍵となります。中央銀行が貨幣供給を増加させて金利が低下すると、海外金利が相対的に高くなるため資本逃避が生じて為替は安くなります。輸出物価は安くなり輸入物価は高くなるということです。金利低下による景気刺激によって有効需要が拡大すればインフレになりませんが、需要の伸びが緩慢ならば貨幣供給はインフレ要因になるかもしれません。 ・上記のように、経常収支とインフレの関係は前提とするモデルや時間軸の長さによってかなり変わるものといえます。 2.高金利国通貨への資金シフトについて ・為替を一定として考えるならば金利差の分だけ海外からの投資は得になります。インフレの場合でも名目金利はインフレに連動して高くなるので、儲かることになります。ただし為替が変動していれば仰るとおり為替リスクが存在することになります。

btucxyu
質問者

お礼

丁寧なご回答に感謝いたします。 やはり文章がよくなかったみたいで、以後気をつけます。 さて、bigorange9様が仰られた2種類のアプローチは初めて耳にしました。まだまだ勉強不足のようで、ですから大変勉強になります。 ありがとうございました^

その他の回答 (1)

  • tono-todo
  • ベストアンサー率16% (169/1028)
回答No.1

経常収支・・企業の収支のことですか? インフレとは全く関係ありません。 経営者の能力が高いか低いかの結果が経常収支です。 2は何を知りたいのかわかりませんが、シンプルに考えれば、高金利は資金が流れ込み、結果的にインフレを誘引するでしょう。 古典的にはそう言えます。

btucxyu
質問者

補足

早速のご回答ありがとうございます^^ さて、質問の文章が悪かったようで大変申し訳ありませんが。 >経常収支・・企業の収支のことですか? マクロのお話で、ミクロ(企業)でありません。 >高金利は資金が流れ込み、結果的にインフレを誘引するでしょう。 確かにそうなんでしょうねぇ。実際に高金利でのドルペッグ制はアジア通貨危機の要因であったわけですし。 私が知りたかったのは、伝統的な経済学においては、高金利通貨は高インフレ国の通貨であることが多く、結局その通貨の購買力の下落を意味するので金利に惑わされるなという考えなんだろうでしょうが、先日ある本を読んでいましたら、(その本の著者は某外資系に勤めていたファンドマネージャーです)実際の世界では高金利通貨の価値は上昇するというようなことが書いてありました。 代表的な例としてはオーストラリアドルなどでしょう。他には私には引き出しが少なく思い浮かびませんが・・・ そしてそのような通貨にはリスクプレミアムが乗せられているために上昇するのかもしれないとも書いてありました。 これを分かりやすく経済学的に説明していただければと思いまして質問させていただきました。

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