「含み益」の定義については、すでに回答されている方のおっしゃる通り、銀行の保有する株式の記帳価額(簿価)と実際の市場価額(時価)の差です。銀行がその株を買ったときより値上がりしていれば「含み益」、値下がりすれば「含み損」となります。
これがなぜ不良債権処理や銀行破綻に関係するかというと。
銀行は不良債権、つまり焦げ付いて回収し損ねた借金の損を、何年もかけて事業の利益と保有資産の売却で埋めようとしてきました。その財源のひとつが「株の含み益」。株価が回復したところで保有株を売り、出た売却益で損を埋めるのです。
概ねの銀行は、この3月末の株価がある程度は回復するとみて不良債権処理計画をたてていました。多分日経平均で16,000円から18,000円くらいを目してたんではないでしょうか。
ところが最近の株価低迷で含み益は激減。保有株を売っても考えていたほどの益は出ません。それどころか売れば損になることも・・・。この状態で会計基準が時価評価になり、保有株が3月末の時価で評価されるとバランスシート上も債務超過になってしまう恐れがあるのです。
銀行の経営者や当局が、3月末の株価に異常なまでに神経を尖らせているわけがお分かりになりましたでしょうか?
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