ニュージーランドの大学に勤務する日本人です。これは、関係代名詞の組み立て方を考えるとわかりやすくなります。以下の例で説明してみましょう。
(それぞれ、別の文章で)
1:私は黒の財布を持っている。
2:私はその中にいつも一万円入れている。
↓
(関係代名詞でつなげて)
3:私は黒の財布を持っているが、
中にはいつも一万円入れている。
まず1の文章は、次のようになります。
I have a black wallet.
続いて2の文章は、こうなります。
I always keep 10,000 yen in it.
"it"="the black wallet"ですから、こう書いても構いません。
I always keep 10,000 yen in the (black) wallet.
さて、この二つの文章を一つにまとめるわけですが、関係詞というのは「二つの文章の共通点をもとにくっつける」わけですから、上の二つの文章の共通点をくっつけやすいように、語順を変えてみましょう。
I have a black wallet.
In it I always keep 10,000 yen.
この二つ目の文章の"it"は、その前にある言葉(即ち「先行詞」)と同じものですから、ここを関係詞に置き換えましょう。
I have a black wallet
in which I always keep 10,000 yen.
これでできました。次の例でも確認してみましょう。「私たちは一緒に働くうえで、規則を定めなくてはならない」というのはどう言えばいいでしょう。
We need to set some rules.
We will work together by the rules.
ここでは「規則」という部分が共通しますから、それを隣り合うように並べると、
We need to set some rules.
By the rules we will work together.
それから、二つ目の「規則」という部分を関係詞で置き換えると、
We need to set some rules
by which we will work together.
いかがでしょうか。なぜ in や by が必要なのか、ご理解いただけたでしょうか。関係詞は「もともと二つあった文章を一つにつなげるもの」というのがミソです。もとの二つの文章を考えれば良いのです。
さて、この「前置詞プラス関係詞」の前置詞は、二つめの文章の終わりに残しておいてもかまいません。次の例はともに別解として文法的には正しいものです。ただ、少なくとも会話上では、あまり使われないような印象があります。
I have a black wallet
which I always 10,000 yen in.
We need to set some rules
which we will work together by.
また、最初の文章では「私は財布を持っている。その中に常に一万円入れている」というように、場所を示す部分が関係詞になっていますね。こんなときは、「関係代名詞」でなくて「関係副詞」を使ってもかまいません。
I have a black wallet
in which I always keep 10,000 yen.
I have a black wallet
where I always keep 10,000 yen.
いかがでしょうか。「前置詞プラス関係代名詞」が「関係副詞」に代わっていることがおわかりでしょうか。
以上、長々とご説明いたしました。他の皆さんのご意見もご参考になってください。お役に立てれば幸いです。頑張ってくださいね。
お礼
簡潔かつ実用的な回答をありがとうございます. 英作などで短い文章を並べると格好が悪かったり, 不自然だったりするので関係代名詞は欠かせないので助かりました. 見た目もなんとなくwhichよりもby which とかしてた方が, 英語らしくてかっこいいとか思ってしまいます. これから実際に使っていきたいと思います. ありがとうございました.