- ベストアンサー
「お先に」の使い方
「お先に」は「先に」の丁寧な言い方ですが、 「お先に失礼いたします」 「お先にどうぞ」 と、どちらにも使いますよね? 後者は相手を敬うために「お先」と言っているのでしょうか。 となると、前者は「先に失礼する」自分に対して「お」をつけていることになるのでしょうか?? こういう疑問がわいたのは、 「お先に参ります」という文章を何かで見て、違和感を感じたからです。「参る(自分)」を敬っているような、変な違和感が… (間違った文章なのでしょうか) ご存知の方、ご教授願います。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
はじめまして。 ご質問1: <後者は相手を敬うために「お先」と言っているのでしょうか。> その通りです。 1.ご質問文の「お先に」は両方とも、敬語の中の「尊敬語」の用法になります。 2.「お先に失礼いたします」: 文法上の分類は以下の通りです。 (1)「お先に」:尊敬の接頭語「お」をつけて、後に残る人に対する尊敬語になっています。 (2)「失礼いたします」: 1)常体は「失礼する」 2)「失礼する」は、人と別れたり退却する時に使う動詞です。 3)「致します」は「する」の謙譲語です。 3.「お先にどうぞ」: (1)「お先に」:尊敬の接頭語「お」をつけて、先に通る人に対する尊敬語になっています。 (2)「どうぞ」:人に丁寧にすすめる気持ちを表す副詞。 4.つまり、この2文ともそれぞれ「後に残る人」「先に通る人」に対する尊敬語になります。 ご質問2: <前者は「先に失礼する」自分に対して「お」をつけていることになるのでしょうか??> いいえ。 1.後に残る人に対する尊敬語になります。 2.尊敬語になる理由は、その人より先に退却する自分の動作が向けられる相手、ここでは後に残る人、に対する敬意として、「お先に」と言う尊敬語が遣われているのです。 ご質問3: <「お先に参ります」という文章を何かで見て、違和感を感じたからです。「参る(自分)」を敬っているような、変な違和感が…> おっしゃる感じはわかります。確かに何やら自己敬語のような気がしないでもありません。 しかし、この文の敬語法は間違っていません。理由は以下の通りです。 1.「参ります」は「行く」の謙譲語「参る」の丁寧語です。つまり、丁寧な謙譲語になっています。 まずこの動詞だけで、相手に敬意を払っていることがわかります。 2.「お先に」は、「(その人より)先に行く」という自分の動作が「向けられる対象となる相手=その人」に対する尊敬語として使われているのです。 3.以上のように、「お先に」を使った文は、いずれも尊敬語や謙譲語を使って「敬意を表す用法」になっているようです。 4.「お先に~します」が、ご指摘にあるような「自己敬語」にならない理由は、 (1)「お先に」と言う以上必ず相手がいるということです。 (2)自分が相手より先にする動作は、その動作が向かう相手に対する行為になります。 (3)その相手が敬意を払わなければならない人ならば、「先に」に尊敬の接頭語「お」をつけて、「お先に~します」と言わなくてはいけないということなのです。 5.例えば相手が敬意を払わなくてもいい家族のような場合なら、 「(パパより)先に行く」 でいいのです。 6.「お先に参ります」は「あなた様よりお先に参ります」ということで、「あなた様」に対する敬語表現になっているのです。 以上ご参考までに。
その他の回答 (2)
- ANASTASIAK
- ベストアンサー率19% (658/3306)
用法としてはおっしゃるとおり間違っているでしょう。 まったくその通りです。 ただ一点、「お先に失礼いたします」を弁護するとすれば、 この「お先」という「先」は自分のことを指して言ったもの ではない、ともとれるということです。話者の相手から見て その見る行為を指して「お先」と言っているわけです。 もちろん、「先様」という表現があるとおり、行為の先に あるものを敬っていう言い方もあります。要するに視点の ちがいであって、「お先に失礼いたします」はいわば一つ ひねった敬語なのかもしれません。
お礼
改めて日本語の難しさを感じました。 回答ありがとうございました。
単なる丁寧語の「お」では?
お礼
大変細かく説明していただいて、ありがとうございました。 大変勉強になります。