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xのとりえる値の範囲
実数x,y,zが y+z=1 x^2 + y^2 + z^2=1 を満たしながら変わるとき、xのとりえる値の範囲を求めよ。 これはy+z=1, yz=x^2/2 より、y,zを解にもつ2次方程式を立ててその式が 実数解を持つ条件を求めればxのとりえる値の範囲が出てくると書いてあったですが、 なぜこのように考えられるのか分かりません。考え方を教えてもらえませんか?
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No.6で述べた基本に沿って、ご質問の問題ではどうなるのか、 詳しく調べてみましょう。 まずは正攻法を示しますので、これを完全に理解することが先決です。 xがある値『k』を取り得るかどうか、 すなわち値『k』がxの値域に含まれるかどうかは、 ●「『[a]y + z = 1 かつ [b]k^2 + y^2 + z^2 = 1』……(#) という、この(#)を満たす実数y,zが存在するかどうか」……(*) にかかっています。 文章が入れ子構造になっているので注意深く読んでください。 ここでの特徴は、yとzという 2文字についての存在条件となっていることです。 まず、(*)の中の(#)の部分([a]かつ[b])を 書き直していきます。 [a]は y = 1 - zであり、これを用いれば[b]は k^2 + (1 - z)^2 + z^2 = 1と書き換えられます。 整理すると「z^2 - z + (k^2)/2 = 0」となります。 すなわち、(#)は 『[a']y = 1 - z かつ [b']z^2 - z + (k^2)/2 = 0』……(#') と書き直すことができました。 さて、全体の(*)は「(#)を満たす実数y, zが存在する」 という条件でした。 ここで書き直したばかりの(#')をよく見ながら考えると、 [b']のほうを満たす実数zが存在しさえすれば、 その値から 1 - z という値を作れば、 (1から実数を引いても必ず実数になるので) [a']を満たす実数yは自動的に存在することが分かります(ここがポイントです)。 そうすると結局、 2つの文字y, zについての2つの条件[a'][b']を考える必要はなく、 (*)は単に 「[b']を満たす実数zが存在する」……(*') という条件にまで切り詰めることができるのです。 (#)の中だけでどんなに書き換えを行っても 文字や条件の個数が減ることはありませんが、 その存在条件である(*)全体を考えて初めて 個数を減らすことができるわけです。 あとは(*')を2次方程式[b']の実数解条件と捉えて 判別式を持ち出せば値域が求まります。 以上がこの問題の仕組みです。 ところが、この問題ではたまたま条件(#)が y,zについての対称式で与えられているために、 地道に文字を減らして(*')に持って行く代わりに、 super_mario_さんのおっしゃるような 「2文字についての存在条件を一挙に処理してしまう」 という方法が可能なわけです。 確認して欲しいのですが、上で述べた[b']を見ると、 No.6の「お礼」欄にsuper_mario_さん自身の書かれた 「tについての2次方程式」と同じものが得られています。 この解法では、[a]を用いて[b]を対称性が崩れないように変形して 「『[a] y + z = 1 かつ [bb] yz = (k^2) / 2』……(##) という、この(##)を満たす実数y,zが存在するかどうか」……(**) という条件に書き換えていることになります。 ここで[a]をy = 1 - zとして[bb]のyをさらに書き換えて消去すれば、 結局さきほどの解法に合流してしまいます。 しかし、ご存知のように(##)は 「y, zは2次方程式『■^2 - ■ + (k^2)/2 = 0』の2解である」……(##') と言い換えられますから、これを満たす2実数y, zの存在条件(**)は 2次方程式の実数解条件として少しだけスマートに処理することができます。
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- hinebot
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zabuzaburoさんが2回に渡り詳しく解説されているので、蛇足かも知れませんが。 > x,y,zが実数のうちy,zが実数だけに注目すればいいのですか? 疑問もっともです。 でも、こう考えてください。 t^2-t+x^2/2 = 0 という2次方程式を考え、 「y,zは実数だから判別式≧0」とした時点で、確かに注目しているのは「y,zが実数」ということだけのように見えます。 がしかし、ここで「xは実数」ということも暗黙の了解として使っているんです。 分かりますか? 2次方程式の判別式を考えるとき、その2次方程式の係数は実数でなければなりません。つまり、「xは実数」として考えている訳です。 もし、「xが虚数」ならその時点で、y,zが実数になるには?って考えても無意味ですよね。
お礼
>ここで「xは実数」ということも暗黙の了解として使っているんです。 分かりますか? 2次方程式の判別式を考えるとき、その2次方程式の係数は実数でなければなりません。つまり、「xは実数」として考えている訳です。 そ、そうだったのですね!なるほど!全然気づきませんでした!おかげさまで疑問もすっかり晴れたので良かったです。ありがとうございます。 >zabuzaburoさんが2回に渡り詳しく解説されているので、蛇足かも知れませんが。 いえいえそんなことないです!すごい重要なことを仰っていただいて新たな発見がありました。お返事どうも感謝です!
- zabuzaburo
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非常に重要なご質問だと思います。 取り得る値の範囲というものを深く掘り下げる必要があります。 最初に言っておくとすれば、キーワードは「存在する」という数学用語です。 もっと単純な問題で考えてみましょう。 ●xが全ての実数値を取り得るとき、y = x^2 - 2x + 3の取り得る値の範囲を求めよ。 これは y = (x - 1)^2 + 2 と平方完成して 「頂点(1, 2)・軸『x = 1』・下に凸」のグラフを描けば「y ≧ 2」 という答は出ます。 この答を見れば、 「例えば3は値域に含まれるが、1は値域に含まれない」 といったことが分かりますが、 この「3」と「1」との差別は一体どこから来るのでしょう? これを調べるために、 再び値域が求まっていない状態に立ち戻って、 「『3』は値域に含まれるか?」 「『1』は値域に含まれるか?」 を個別に調べてみることにします。 まず、y = 3となることがあるかどうか? これは「x^2 - 2x + 3 = 3」という方程式を解いてみれば良いですね。 実際に解いてみると「x =0, 2」となりますから、 次のように答えることができます。 Q「『3』は値域に含まれるか?」 A「はい、含まれます」 Q「本当にそうか?実際にyが3となるのはどんなときか、 示してもらわないことには信用できないな」 A「はい、x = 0 のとき y = 0^2 - 2×0 + 3 = 3 となりますし、 ついでに x = 2 のときも y = 2^2 - 2×2 + 3 = 3 となりますから、 確かに『3』は値域に含まれます」 これに対し、「1」はどうか? 今度は「x^2 - 2x + 3 = 1」を解くと、 「x = 1 + i, 1 - i」となります。 すなわち、y = 1となるようにしたければ xに虚数でも入れない限り不可能で、 yを1にするような実数xは存在しないことが分かります。 結局、「ある値『k』が値域に含まれるかどうか?」というのは、 「『x^2 - 2x + 3 = k』となるような実数xが存在するかどうか?」 にかかっている、ということが分かります。 ここに「存在する」という数学用語が登場します。 すなわち、この問題は ●「x^2 - 2x + 3 = k」となるような実数xが存在する……(*) という、この(*)が成り立つためにkが満たすべき条件 を求めよ。 と言い換えることができるわけです。(*)の部分はすなわち 「x^2 - 2x + 3 = k」という方程式が実数解を持つ ということですから、この問題では判別式を使って値域が求まるのです。 ただ単に「xは実数だから」という表現だけでは、 それでなぜ値域が求まることになるのか、 super_marioさんがよく分からないと感じるのは当然です。 値域を求めるという問題の本質的な構造が このような「存在条件」であるということを、 徹底的に理解する必要のある段階に到達しておられるようです。
お礼
こんにちは。お返事ありがとうございます。 大変わかりやすい解説ありがとうございます! わかりやすかったのですが、今回の問題とどうリンクしているのかちょっとわかりません。 >●「x^2 - 2x + 3 = k」となるような実数xが存在する……(*) という、この(*)が成り立つためにkが満たすべき条件 を求めよ。 なるほど、「xは実数」という条件からkの範囲が求められることは分かりました。 この問題では、y,zを解にもつ新しい変数tについての2次方程式は、y+z=1, yz=x^2/2 より t^2 - t + x^2/2 = 0 となって、y,zが実数をもつことからxの範囲が求まると思うので、「値域を求めるという問題の本質的な構造がこのような「存在条件」であるということ」とは話が違うように感じたのですが・・・。でも納得できましたので良かったです!
- hinebot
- ベストアンサー率37% (1123/2963)
>なぜ、「y,zは実数だから判別式≧0」から「xのとりえる値の範囲」が求まるのかということです。y,zが実数だから判別式≧0とやってなんらかしらのxの範囲が出てくるとは思うのですが、それがxの何を意味しているのかがちょっと分からないのです。 まず、「y,zが実数だから判別式≧0」はOKですか? この条件からxの範囲が求まりましたよね。 逆に考えると、xがその範囲外だと、判別式<0となり、y,zは虚数になってしまいます。(∵y,zを解とする2次方程式を考えたのだから) これじゃ、納得いきませんか?
お礼
こんにちは。再びどうもありがとうございます。 ということはy,zが実数という条件からxの範囲が決まるという話ですか? x,y,zが実数のうちy,zが実数だけに注目すればいいのですか? すみません。
- Nandayer
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解法そのものは理解しているが、「実数をとりえる範囲を答えるのに、なぜ2次方程式なんか考えるのだろう?」という疑問をお持ちなのでしょう。そういう解釈でお答えします。 確かに、知らないで思いつくような解法ではないと思います。私なんか最初、こんなので答えになるのか?と思った覚えがあります。 数学の解答は論理的でなければなりませんが、論理を追って考えれば問題が解けるかというと、そうとは限りません。だから数学は、難しかったり、面白かったりするのだと思います。 他の例で言うと、幾何の証明問題の補助線でしょう。ある程度納得のいく補助線もありますが、「なぜ、そんなところに線を引くのだ!」と思うような補助線もあります。そんな疑問には「そうするとうまくいくから」としか答えてもらえません。 正攻法、つまり最初から順序立てて考えても解けないときは、 ・答えがわかったとしたら、どんなことが成り立つかを考える。 ・結論を導くためには、どんなことが成り立ってほしいかをさかのぼって考え、 前提から導かれる結果とつなげる。 ・別の問題に言い換えて考える。 ( ANo.#1 さんや ANo.#3 さんは図形の問題に言い換えて説明されています。) などを考えるとよいと言われています。他にもあるのでしょうが、私に思いつくのはこんなところです。 以上、回答がずれていたらすみません。
お礼
お返事ありがとうございます。それと、すみません、私の質問の仕方が不十分でみなさまに誤解を与えてしまいました。m(__)m なぜ、「y,zは実数だから判別式≧0」から「xのとりえる値の範囲」が求まるのかということです。y,zが実数だから判別式≧0とやってなんらかしらのxの範囲が出てくるとは思うのですが、それがxの何を意味しているのかがちょっと分からないのです。 とりえる値がどうやって求まるのでしょうか?
- kony0
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全然別解で、かつご質問の意図とは全く違いそうなのですが・・・ 図形的にいうと、球を平面で切断していることになります。 球の中心(=原点)と切断面(y+z=1)との距離は、点と平面の距離公式を使うとh=1/(√2)ですから、切断してできる円の半径は{√(1-h^2)} = 1/√2 です。 しかも、この平面はx軸に平行ですから、xのとりえる値の範囲は-1/(√2)<=x<=1/(√2)でOKでしょう。 ちなみに、yおよびzのほうは、いずれも-1/2~1/2の間で動きます。これは、たとえば切断面を、これに垂直な方向に見ればイメージつかめるかと思います。
お礼
こんにちは。お返事ありがとうございます。そういえば球の方程式って円の方程式にzを足した物でしたよね。点と平面の距離公式なんてのもあるんですね。これも点と直線の距離公式にzが加わっただけですか? ちょっとイメージがつかめないんですけれども・・。xの範囲もどうして-1/(√2)<=x<=1/(√2)になるのでしょうか?非常に興味のある解法だと思うのですが。
- ADEMU
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X^2+Y^2+Z^2=X^2+(Y+Z)^2-2YZ=X^2+1-2YZ=1より X^2=2YZ=2Y(1-Y) 2Y(1-Y)>=0であるから 1>=Y>=0 X^2=2Y(1-Y)のとる範囲を考えると 0<=X^2<=1/2 よって -√(1/2)<=X<=√(1/2)
お礼
参考にしておきます。ありがとうございました。
- hinebot
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y+z=1 …(1) x^2 + y^2 + z^2=1 …(2) (1)から z=1-y これを(2)に代入して x^2+y^2+(1-y)^2 =1 って、普通やってしまいそうですよね。ちょっと続けてみましょうか。 x^2+(2y^2-2y+1) =1 ここで√2y = u とおくと、 x^2+(u^2-√2u+1) =1 x^2+(u-√2/2)^2 = 1/2 これは点(0,√2/2)を中心とする半径1/√2(=√2/2)の円を表します。 つまり、上記円周上の点が条件を満たすことになります。 よってxの範囲は -√2/2≦x≦√2/2 となる。 もちろんこの方法でも良いと思いますが、解説の場合、y+z があるので、yzを 求めて2次方程式に帰着させようとしているわけです。 (1)の両辺を2乗すると y^2+2yz+z^2 = 1 これと(2)から、yzを xで表すことができます。 そう、yz=x^2/2ですね。 そこで、y,zを解にもつ新しい変数tについての2次方程式は、解と係数の関係から t^2-t+x^2/2 = 0 となります。y,zは実数だから判別式≧0です。 これで、xの範囲が求まるわけです。 判別式= 1-4×x^2/2 = 1-2x^2 ≧0 すなわち、2x^2-1 =(√2x+1)(√2x-1)≦0 ∴-√2/2≦x≦√2/2 となり、上で求めた結果とも一致します。 つまり、実数⇒2次方程式の判別式 へなんとかこじつけようとしたと考えてください。 お聞きになりたいのは、こういうことではないかもしれませんが…。
お礼
こんにちは。お返事ありがとうございます。 いろいろ解法を教えていただけるのはありがたいのですが、まず基本的なことができてからだと思うので、いちおう解答にあるような方法ができるようにしますね。すみません。 >y,zを解にもつ新しい変数tについての2次方程式は、解と係数の関係から t^2-t+x^2/2 = 0 となります。y,zは実数だから判別式≧0です。 これで、xの範囲が求まるわけです。 ここがわからないのですが、なぜ、「y,zは実数だから判別式≧0」から「xのとりえる値の範囲」が求まるのですか?条件は「x,y,zが実数」と「2つの式」ですよね?y,zが実数だから判別式≧0とやってなんらかしらのxの範囲が出てくるとは思うのですが、それが何を意味しているのかがちょっと分からないのです。 よろしくお願いします。
お礼
すごい!すごいわかりやすかったです! 初めに説明された正攻法を完全に理解できたので、今回の問題改めてみるとすんなりいけました。仕組みをわかればちょっと難しくなっても分かるんですね!どうもありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。