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心理学に興味を持ち始めた娘にお勧めの本

心理学に興味を持ち始めた17歳の娘にお勧めの本を探しています。 お勧めの本、お教えください。

質問者が選んだベストアンサー

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  • Diogenesis
  • ベストアンサー率49% (859/1722)
回答No.9

(承前) 精神分析家の仕事は煙突掃除に喩えられることがあり, 誤解を恐れず言うなら「下衆の勘繰り」と呼ばれるものによく似たところがあります。 しかしながら,その実態が知られていないだけに, 神秘のベールに包まれた聖なる儀式のように想像されている節があります。 現代の心理学や精神医学が精神分析に対して批判的なのは,主として次の2つの理由からです。 ■精神病理学理論としては,概念規定や理論構成が恣意的で,科学の条件とされる反証可能性を有していない。 ■精神疾患の治療法としては,コスト(お金と時間と精神的負担)の割に治療成績が芳しくない。 このような致命的欠陥にもかかわらず,フロイトの精神分析と, そこから分離独立したものの同じ欠陥を抱えるアドラーの個人心理学やユングの分析心理学は, 心理学や精神医学の範疇を超えて20世紀の文化・芸術に多大な影響を与え続けてきました。 市井の人々が自己や他者のふるまいを理解する際に頼る常識=素朴心理学にもその影響は浸透しています。 納得しがたい行動を無意識だの投影だのコンプレックスだので説明したり, クリトリスでしか快感を得られない女性は未熟であると思い込んだり, 夢の隠された意味をしたり顔で解釈してみせたり・・・。 町内会費を払うと知らないうちに地元の神社の氏子にカウントされてしまうように, 多くの人は自覚もないままフロイト神社の氏子にされてしまっているのです。 21世紀を生きるわれわれが精神分析を学ぶ最大の意義は, 自分たちの常識がいかにフロイト的思考に侵食されているかを自覚し, それを相対化できるようにすることにあるのだと思っています。 精神分析(およびその分派)と心理学や精神医学との関係,また文化や芸術との関係については このサイトでもしばしば話題になっていますので,過去のQ&Aを検索してみてください。 私自身が回答を寄せたものをいくつか挙げておきます。 ■エディプス・コンプレックスについて  http://okwave.jp/qa3083542.html ■潜在意識の権威と言えば誰ですか?  http://okwave.jp/qa3005347.html ■加藤諦三さんはどういう心理学者ですか?  http://okwave.jp/qa2762006.html ■心理学と哲学・思想の違い  http://okwave.jp/qa2030505.html ■『フロイト先生のウソ』  http://okwave.jp/qa1079336.html ■無意識と本能の意味と類型  http://okwave.jp/qa993588.html ■心理学の歴史  http://okwave.jp/qa939075.html ■フロイトは過去の人ですか?(比ゆ的に取ってください)  http://okwave.jp/qa846565.html ■心理学は、学問or科学ではない!?  http://okwave.jp/qa806304.html ■シュールレアリスムはリアリズム?  http://okwave.jp/qa3150844.html ■「美術」と「心理学」のつながりについて。  http://okwave.jp/qa2863461.html ■ユングの「分析心理学」は恋愛・結婚を考える上で有効だと思われますか?  http://okwave.jp/qa1304759.html 私は上記1番目のQ&Aの中で, フロイト神社の御神体(=エディプス・コンプレックス)は 信徒でない者にとって秘法館の「人魚のミイラ」みたいなものだと書いています。 けっして神道や精神分析を貶めるつもりはありません。 私,祖母を神葬祭で見送りましたし,畏敬する先輩・同級生にはフロイトやユングの研究者もいます。 フロイト神社にお百度参りして癒される人がいることは確かですし,それはそれでいいのですが, 私自身は裏口から入場して秘法館のいかがわしさを存分に楽しみたいと思うのです。 あやしい展示物の中に研究ネタを探すも良し。人気の秘密をあれこれ考察するも良し。 だけど秘法館を科学博物館であるかのように強弁するのはいただけません。 秘法館めぐりの手引きには,数多の解説本よりもフロイト自身の著作, たとえば「精神分析入門」,「日常生活の精神病理学」といったものをお勧めしたいと思います。 私がこれらの著作に初めて触れたのは小学校高学年だったと記憶します。 高校生なら充分に読みこなせるはずです。 新しい翻訳によるフロイト全集の刊行も始まっています。 ■フロイト全集/全22巻+別巻/岩波書店  http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/092661+/top.html ・・・御質問の本題から遥か遠くに来てしまったようです。 このサイトを含むウェブ上のあちらこちらで, 精神分析の考えに依拠した(あるいは曲解した)書き込みが あたかも心理学の常識であるかのように垂れ流されている現状に危惧を抱いていたこともあり, 真摯な質問に乗じて長々と書いてしまいました。 最後に本題に戻って,精神分析以外の推薦図書の追加を。 ■心理を考える。  http://okwave.jp/qa3023034.html これにて失礼します。

toyakoyou
質問者

お礼

懇意なご回答 痛み入りました。 ご回答者様の造詣の深さを文の端々から 心理学との強い関係性のある方と お見受けしました。 色々 お教えいただいたことを踏まえ 娘ともども 小生も 勉強していこうと思います。 あらためて、ありがとう ございました。

その他の回答 (8)

  • Diogenesis
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回答No.8

お待たせしました。#4,#7です。 長くなったので回答を分割しました。 御質問の本題からかけ離れているので,読み飛ばしていただいても結構です。 (承前) 精神分析は心理学の一部であるという見方にも異論は多いと思います。 なにしろ精神分析の臨床実践を担っている者の大半は心理学徒ではないのですから。 精神分析そのものは心理学や精神医学のアカデミズムの外側で生まれ育ったものです。 アカデミズムから認知され大きな影響力を持つようになった後もこのことに変わりはありません。 その証拠に,大学や大学院でどれだけ精神分析の研究をしても精神分析家にはなれません(ここ大事!)。 華道や茶道の研究で博士になっても師範に弟子入りして修業しなければ免許皆伝にならないのと同じことです。 日本の場合,精神分析家の団体である日本精神分析協会のインスティテュートにおいて 医学部卒業,あるいは(臨床心理学等の)修士課程修了後, 5年以上の臨床経験を持つ候補者を対象とする訓練コースが開設されています。 ■日本精神分析協会  http://www.jpas.jp/ (注:和田秀樹氏の主催するインステュテュートとは無関係。    日本精神分析協会が認定する36名の精神分析家リストに和田氏は入っていない。    またフロイトと決別したアドラー派やユング派は精神分析に含まない。) 町医者の診察室から始まった精神分析は 「傷病を抱える患者を治療する」という医学モデルの人間観・職業観に立脚しています。 「不適応に陥っている来談者を援助する」というカウンセリングのそれとは対照的なものです。 また米国精神分析学会が精神分析家資格を長く医師に限定していたという歴史的事情もあって, 今も精神分析家の圧倒的多数は医師です。 彼らは精神分析が心理学の一部であるとの見方には与しないでしょう。 (精神分析を含む精神病理学のことを慣習的に「心理学」と呼ぶことはあるにしても。) 診断における行動科学化,治療における生物科学化の進展した現代の精神医学の世界では 精神分析を基盤とする力動精神医学自体がマイナーなものになってしまいましたが。 翻って,心理学ではどうか。 精神分析が心理学の発展に一定の貢献をしてきたことは誰もが認めますが, 心理学の主流派になったことなど歴史上一度もありません。これからもないでしょう。 精神分析の位置づけは,客人か(私はこの意見),せいぜい傍流といったものです。 心理学は,精神分析の知見のうちで使えそうなものを定義しなおして取り込むと同時に, その欠陥を反面教師とすることで学問的基盤を強固にしてきたというのが真相に近いようです。 また心理学は,精神分析の守備範囲を超えた広大な研究領域を有しており, 多くの研究者はフロイトなんぞとは無縁の仕事をしているというのが現実です。 精神分析の視点に立脚する研究者や臨床家はたしかに存在しますが, それは応用心理学のひとつである臨床心理学の,そのまた一部の話。 ユング派や交流分析のような精神分析から分離独立した流派や エクレクティック(折衷主義)を標榜する臨床家まで含めて「精神分析系」と括るなら, 臨床分野でのシェアはそこそこいくかも知れません。 しかし彼らは精神分析家ではありません。 純粋に精神分析を追求している心理学徒はほんのひと握りでしかないのです。 (つづく)

  • Diogenesis
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回答No.7

#4です。 質問者さんと#1,#6の回答者さんのやり取りを拝見して 肝心なことがうまく伝わっていないように感じましたので, 差し出がましいようですが,補足をさせてください。 和田秀樹氏の「痛快!心理学」は 「精神分析」の入門書ではあっても,断じて「心理学」の入門書ではありません。 出版側の都合でこのようなタイトルになったようですが, 紙幅のかなりの部分が精神分析とそこから分派した理論の解説に割かれています。 (大学の概論レベルの心理学教科書では,精神分析関連の記述は1割未満です) 精神分析の入門書なら性欲がその中心的主題になるのは当然のことです。 性欲の問題を抜きにして精神分析を理解することなどできませんから。 和田氏は受験評論家にして老年精神医学を専門とする精神科医ですが, その拠って立つ理論的基盤はジクムント・フロイトの精神分析, より正確にはフロイトの娘アンナに始まり米国を中心に発展した自我心理学を 批判的に継承したハインツ・コフートの自己心理学と呼ばれる学派です。 ちなみに自我心理学だの自己心理学だのというのは精神分析の中の分派の名前であって, 心理学の研究分野の名前ではありません。 和田氏は近年,雑誌記事などで認知心理学者を標榜することがあるようですが, 認知心理学分野での業績など皆無です。 氏の心理学に関する著述には 主催するインスティテュートのスタッフが介在しているようです。 とにかく精神分析=心理学ではないということだけは断言できます。 では,精神分析と心理学の関係はどうなっているのか? これは少しばかり込み入った話になるので,またあとで書かせてください。 (つづく)

toyakoyou
質問者

補足

ありがとうございます。 和田さんの本 に関し 精神分析を心理学として 捉えられてしまう 危険性があるので 心して 取扱いなさい というメッセージですね。 精神分析も心理学の一部として 認識すればよいですね。 小生、個人的に、和田さんは、あまり好きな人間ではありませんが、部分的にそう感じているのかも。ゲシュタルトですね。

回答No.6

♯1です >提示いただいた 「痛快 心理学」 読みました。 >大変面白かったのです。が 性的な例え話が多いことに 娘に薦める>ことにためらう自分があります。 >自分自身の意識の焦点の問題と思うのですか・・・ >ご意見お聞かせいただければと思っています。 和田氏は医師なので医学の観点による解説をしたいの だと思います 産婦人科医の女性の解説のごとく 一般の方の性的表現とは受け取り方が違うだろうという 考えからそういうフレーズを混ぜるのかもしれません 子供さんにも医師の本であることを前置けばそういう受け取り 方はしないかもしれません ただしかし親御さんの立場からよろしくないとの 考えならば和田氏は100冊以上その手の本をかいているので そちらの方にもっとふさわしい内容のものがあると思います メンタルヘルスとしてはこれは私は読んだ事はないのですが http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31895276 あたりが評判が良いようです 和田氏の本を薦めるのは解説が興味深くわかりやすいからです あと東大出身ですし その辺の観点からお勧めしたいのですが 大手の本屋にいけばいくつも読めると思います のでいくつか読んでみてもよろしいかと思います もしなんでしたらそこだけカッターで切って渡すのは マズイですかね(笑)

toyakoyou
質問者

お礼

親身な 返答 ありがとうございます。 そうですね、和田さんの本、平易な文体で読みやすいですね。 ただ、ご回答者様の >あと東大出身ですし が やや 気になったのは どういう心理でしょうか。 スミマセン。

回答No.5

確かに心理学は、深くひろい海なのですが… 大學の心理学概論のように、世界地図を眺め、何処にどんな海が在るかを掴んでから 各論(認知・臨床・社会・集団・犯罪等など)の海に潜って、研究する方法 No.4の方が紹介しているのが、この方法ですネ。 そして、取りあえず興味のある心理学をやって見て、後で色々な方向を探る方法があります。 先の方法諭があるのを踏まえた上で、「人間関係に苦慮している」のでしたら 私がお薦めするのは、「自己成長への旅立ち-TA100講」という本です。 http://www.human-skill.co.jp/book/index.html TA(交流分析)は、エリック・バーン博士の開発した臨床心理学の分析システムです。 人と人とのやりとりの仕組み(ストローク理論)を始め、人の心の構造(PAC分析)性格分析(エゴグラム) いじめや不幸せなやり取りの原因(ゲーム)、幸せな人生を得る為の人生脚本分析など 色々な智恵がつまっており、しかも実生活で使える方法が沢山にあります。 この本はTAの本としては、わかり易い本なのですが、 TA自体はもっと奥深く複雑なものですから、体感されることも大事です。 本を読んでもしもTAに興味が沸いたなら ご近所でTAセミナーなどを探されて、娘さんと一緒に受講されてみたら如何でしょう。

toyakoyou
質問者

お礼

詳しい ご案内 ありがとうございます。 TAですね。 実は 私は 以前、TAのセミナーに通っていまして、非常に親しみを持って ご回答者様の回答を拝読しました。 親としては、禁止則をいっぱいいっぱい 言ったつもりはないのですが 言っているのでしょうね。 脚本練り直しですね。

  • Diogenesis
  • ベストアンサー率49% (859/1722)
回答No.4

教養として読む,あるいは単なる読み物として読むのなら 和田秀樹でも河合隼雄でも斉藤学でも何でもかまわないと思いますが, そのようなものが心理学の核心であると勘違いなさらぬよう 助言してさしあげてください。 お嬢様が学力に恵まれた高校生なら, 少し背伸びをして, 学問としての心理学の全体像を分野別に紹介する 最新の心理学入門シリーズをお勧めしたいと思います。 大学の教養レベルを想定して刊行が始まったばかりですが, 執筆陣の顔ぶれを見ると期待が持てそうです。 ■心理学入門コース/全7巻/岩波書店  http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/028111+/top.html (既刊)  ■社会と人間関係の心理学   松井豊,上瀬由美子(著)   http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/1/0281150.html  ■脳科学と心の進化   渡辺茂,小嶋祥三(著)   http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/8/0281170.html もう少し平易でコンパクトなものをというなら, 高校生向けに書かれた下記のような本はいかがでしょう。 ■心理学ってどんなもの  海保博之(著)/岩波ジュニア新書/岩波書店 ■心理学って何だろう  市川伸一(著)/心理学ジュニアライブラリ/北大路書房  ■高校生のための心理学  松井豊(編)/New心理学ブックス/大日本図書 また進路の選択肢のひとつとして心理学専攻を考えていらっしゃるのでしたら, 下記のQ&Aなども参考になさってください。 回答中にあるリンクをたどると相当の情報量になると思います。 ■心理士に関係ある職業・心理学を最大限に活かせる職業  http://okwave.jp/qa2850352.html ■心理学の本  http://okwave.jp/qa2120654.html

toyakoyou
質問者

お礼

たくさんの情報 ほんとにありがとうございます。 娘に薦める前に 読まなくっちゃって 感じています。 あらためて感謝いたします。

  • backs
  • ベストアンサー率50% (410/818)
回答No.3

最初から絞られた研究領域の本を読むのはあまり良くないと思います。まずは「図解でわかる心理学のすべて(日本実業出版社)」などの心理学全般の内容が書かれている本を読んで、その中から自分が特に学びたい分野を選んだ方が良いです。 個人的には最初に臨床関係の本を読まないようにすることをお薦めします。 また大きなお世話なのですが、将来的に心理学を大学で研究したいというのであれば、統計学と行動分析学、それから生理学の基礎をしっかりと学んでからカウンセリングなどを専門とする臨床心理学などの分野を勉強するように奨められたほうが良いですね。

toyakoyou
質問者

お礼

ありがとうございます。 そうですね。最初から研究領域の本は ちょっと ですね。 小生も大昔、選択科目で心理学を通年で、とったのですが 無味乾燥 の印象がありました。実験心理学が専門の教授だったからかも と いまになって 感じます。 せっかく 興味の芽が出かかっていますので 大切にしたいと思っています。

  • merinoon
  • ベストアンサー率28% (17/60)
回答No.2

心理学といってもいろんな分野があるので、娘さんの興味がどこら辺にあるのかわからないのですが...。 科学系より文学系である私は、私は先日亡くなられた河合隼雄さんの著書が好きで、かなり読みました。日本で最初にユング派臨床医として認定された大御所です。母性・父性論、家族、神話、日本文化、宗教...などについて一般向けに書かれたものは、”読み物”としてもなかなかよくできています。 初めて読んだのは、「家族関係を考える」。高校の倫理社会の課題で、この本についてのレポートを書きました。思春期真っ只中の当時、親との関係を見直すよいきっかけになりました。高校生向けによいかもしれません。 文学がすきなら、「昔話の深層」が、ユング心理学をベースにグリム童話を解説していて、面白いです。 最近よく話題になっているところでは、「アダルトチルドレン(AC)」について書かれた本。斉藤学さんの「アダルト・チルドレンと家族」や「『家族』は怖い」とかが、わかりやすいかもしれません。(でも、親が子供に勧める本というと、ちょっと微妙かな...。)

toyakoyou
質問者

補足

詳しく お教え頂き 感謝します。 >心理学といってもいろんな分野があるので、娘さんの興味がどこら辺にあるのかわからないのですが...。 娘自身も心理学の多岐にわたる分野は分かっていないと思います。 恐らく 日々の人間関係に苦慮している背景(過剰適応的な性格をしているため苦労しているのかと)があるのと、先日、授業での教師の雑談に興味を持ったようです。例えば I say  You say等の人間関係に関する分野に興味を示したようです。

回答No.1
toyakoyou
質問者

お礼

早々の ご教示 ありがとうございます。 早速 読ませていただき 薦めたいと思います。

toyakoyou
質問者

補足

提示いただいた 「痛快 心理学」 読みました。 大変面白かったのです。が 性的な例え話が多いことに 娘に薦めることにためらう自分があります。 自分自身の意識の焦点の問題と思うのですか・・・ ご意見お聞かせいただければと思っています。

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