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ゼノンのパラドックス克服法

asterの回答

  • aster
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回答No.3

  こういった問題は、新書を見ると、必ずどこかの本に載っています。有名過ぎて、「パラドックス」に関係する本だと、たいてい出ています。参考URL1にも、簡単に述べられています。 これらは、論理的パラドックスというより、(論理的パラドックスも、その面はあるのですが)、「時間」と「空間」とは何かという問題に関係しています。 数学的に考えている空間や時間や運動、そして、点があり、点を通過して運動があるという、数学的な考え、「時間の空間的把握」などによって、パラドックスが発生しています。従って、同じ地平で、パラドックスを解決しても、見かけの解決で、根本的に解決になりません。 第一の「矢の不動」のパラドックスは、例えば、瞬間瞬間には、確かに矢は、ある点で止まっているのであり、「連続的な運動」というのが、実は錯覚なのだ、という考えで解決できます。 運動が、「連続」しているという根拠はないからです。量子論ではありませんが、時間も空間も、最小単位があるとすれば、矢の不動パラドックスは、パラドックスではなくなります。 二番目のは、超弦理論では、確か、空間と時間の最小単位があったはずです。普通の数学で考えると、時間や空間に最小単位があって、かつ「運動が連続」とすると矛盾が出てきますが、超弦理論では、空間の最小単位があるのですから、そもそも「連続運動」という、数学的理想概念は成立しません。 これらは、「無限」と「無限分割」の可能性の問題で起こってくるパラドックスで、更に、時間とは何か、空間とは何かという把握で起こってくるパラドックスです。 時間や空間は、実はよく分からないのです。数学的に形式化された概念はありますが、それは現実の時間や空間ではないのです。「矢の不動」パラドックスは、「運動の連続性」という、実証できない概念を数学概念として、入れると、発生します。 1を2でどこまでも(無限に)割って行くと、どういう数になるのかと問題の答えは、「極限は0」というものです。「極限」ということは、この計算は限りなく0に近づくということで、決して0にはならないのです。 では、どういう数になるのかと尋ねて、そういう数が「ある」と考えると、パラドックスが起こります。なぜ起こるかというと、この演算操作は、無限の「操作」であって、「完了していない」からです。完了したとき、初めて特定の数が存在できるので、完了していないのに、特定の数を仮定すると、パラドックスになるのです。 「矢の不動」でも、物理学が教えるのは、或る瞬間という時間を厳密に指定すると、量子力学的には、不確定性原理で、粒子の存在位置は、確定しなくなります。 粒子を矢だと考えると、運動している粒子=矢は、或る瞬間を指定すると、止まっているどころか、どこにあるかも分からず、時間指定を少しゆるくすると、大体この辺りという、存在可能性確率の三次元関数になります。 どこかにいるのでしょうが、どこかは分かりません。 宇宙は、こういう構造を持っているということが分かっているのであって、それを、パラドックスとは言わないのです。 そういう次第で、解決方法は色々あるが、根本的には、時間や空間や運動とは何かという、哲学的に答えが出てこない問題に、最終的には帰着するのです。ゼノンのパラドックスは、時間、空間、運動などの「本質」を考察する契機になる重要な問題なのです。 形式的な解決は色々あるのですが、それで何かが解決するかというと、当面の疑問が解決するので、時間や空間の問題は解決しないのです。 >参考1:パラドックスの話(3)ゼノンのパラドックス >http://www.ffortune.net/kazu/logic/paradox/para03.htm >参考2:No.305411 質問:今触れたものは、永遠?失われる…? >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=305411 >No.210187 質問:パラドックスについてデス。 >http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=210187  

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