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ご嫉妬いたします、は間違いですか?

kyouzaiya-kの回答

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回答No.7

敬語には理屈で説明のつかない部分があります。「敬語の指針」も、説明を放棄し、習慣によるとしかいっていない分野があります。理屈好きの私としては、何かむずむずする感じが残るのですが……。 次は、以前、「お訴えする」という謙譲語は可能か、という御質問に対しお答えしたものです。参考になさってください。 「お/ご~する」という形は、先般文化審議会から答申された「敬語の指針」によれば、 謙譲語Iの一般形とされています。 (「敬語の指針」のURLは以下のとおり。リンク先は文化庁HP内URL。 http://www.bunka.go.jp/1kokugo/pdf/keigo_tousin.pdf) 謙譲語Iは、「動作の向かう先」を立てる敬語、と定義されています。 「~」には、動詞の連用形、あるいは動作性の名詞(サ変動詞の語幹)が入りますが、それらは「動作の向かう先」にあたる人物があるものに限られます。 逆に言えば、「動作の向かう先」を持つ動詞は、すべて「お/ご~する」という謙譲語Iの一般形にできる、ということになります。 さて「訴える」という動詞ですが、もちろんこれは向かう先を持つ動作を表します。よって、 「お訴えする」という形にできる……はずですが、そうはいきません。 質問者の方の感じられたように、「おかしな言葉遣い」であると私も感じます。 それはなぜか、考えてみましょう。 上記「敬語の指針」の27ページには、次のようにあります。 >なお,<向かう先>の人物があっても,例えば「お憧れする(お憧れ申し上げる)」「御賛成する(御賛成申し上げる)」とは言わない,というように,慣習上「お(ご)……する」「お(ご)……申し上げる」の形が作れない場合もある。< 「お訴えする」も同様に、慣習上使えない形ということになるでしょう。ただ、それ以上のことを、「敬語の指針」の上の説明では何も言っていません。 そこで、「敬語の指針」を策定した文化審議会の一員で、敬語研究の専門家の方(菊地康人東大教授、以下K氏)の意見を参考にしながら、話を進めたいと思います。 なお引用内の【】は、引用者(私)がつけた強調の符号です。 K氏は著書(下記)の中で、悪い意味の動詞や、複合動詞の大半、俗語的な動詞は向かう先があっても「お/ご~する」形にはしづらい(「お殺しする」「お連れ歩きする」「お乗っけする」などとは言わない)とした上で、さらに次のように述べていらっしゃいます。 >「憧れる・追う・まねる・めざす・傾倒する」などは、意味的にはむしろよい内容なのに「お/ご~する」という形はなじまない。【主語から補語に一方的に向かう(しかも相手に恩恵を与えるわけではない)意味の場合は成り立ちにくい】ようである。選挙演説で【「(私の意見を皆様に)お訴えする」という言い方を時々聞くが、ずいぶん不自然な敬語である。】 >【「お/ご~する」は、その動詞が労力や負担を肩がわりする意味合いのもので、それによって具体的・直接的恩恵を得る人物が想定できる習慣が確立している場合でないと、言いにくいようである。】 >「お/ご~する」といえるかどうかは、このように、ある程度まで理屈をつけて述べることができるにしても、究極的には、【要するに習慣による面があるといわざるを得ないのではないか】とも思われる。 >【「お訴えする」のような不自然な「お/ご~する」を得意になって使うのは、へたをすると、無教養な印象を与えかねない】ので、注意を要するというべきだろう。 以上、K氏の考えによれば、「訴える」という動詞は、向かう先の人物が具体的・直接的恩恵をこうむるわけではないので、「お~する」という形にはできない、ということです。 K氏のお考えは定説とまではいえないようですが、それはつまり、この問題は目下研究されつつある分野であるということではないでしょうか。私も、K氏のお考えにほぼ賛成であり、研究が進めば、どのような動詞が「お/ご~する。」にあてはめられるか、もっと明確な説明がつけられるのではないかと考えています。 よって、はっきりこうだと結論を述べるわけにはいきませんが、「お訴えする」という言い方が不自然ととらえる人間が多いということは少なくとも言えると考えます。 参考書「敬語」(菊地康人 講談社学術文庫)

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