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事後的な故意について
自分の子供を不監督で浴槽でおぼれさせて死亡させておいて、後で、ああああ死んでよかった、めんどくさい育児から解放されてよかった、子供を殺害することを考えていたが、偶然、死なせることができてよかったって証言した場合は、殺人罪にならないですよね? 刑法には事後的に生じた故意を処罰する規定はないとおもうのですが。 あと、人の自転車を間違えて持ってきてしまったにもかかわらず、その自転車を返さなかった場合は罪になるのでしょうか? また、店を出てから飲食代の払い忘れに気がついたにもかかわらず、代金を支払いに戻らなかったらどんな罪になりますか?
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「証言した」からではなくて「証言内容が本当であれば」、質問の通りならば殺人罪にはなりませんし、この場合未必の故意など問題になりません。故意は原則として「行為の時に存することを要する」のです。なぜなら故意犯罪に対する法的非難は「その行為を避けられたのにあえてしたことに対する非難」であって「あえてした」のでない限り「刑罰を科すにふさわしい非難を与えられない」からです。しかし、「証言が嘘」であれば話は違います。つまり、「証言した場合」ではなく「本当にそう思っていた場合」というのが正解(ちなみに、訴訟でその証言が信用してもらえるかどうかは証拠の評価の問題で実体法上の殺人罪の成否とは別論です)。 もっとも、そんなあからさまに非難を受けるようなことを「証言」するようなお馬鹿な人はそんなにいないと思いますが。(重)過失致死罪が成立する場合に情状面で不利になるのはほぼ確実です。 なお、少々違いますが、「事後的な故意とそれに基づく行為により事前の行為を包括して別の犯罪となる」場合はいくつかあります。例えば事後強盗罪。窃盗の後で逃げるために暴行脅迫を用いる意思を生じて逃げるために暴行脅迫を行っても、事前の窃盗も含めて事後強盗罪となります。 他人の自転車を間違えて持ってきてそれを返さなかったとしてもそれだけでは犯罪にはなりません。ただ、理由もなく返さない人間の「間違えた」という主張をどの程度の人が信じてくれるかは微妙です。もっとも、例えば傘の取り違えの場合には、「あんたは俺の傘を持って行っているからそれを返してくれるまでは返さない」というのは「留置権の行使として民法上認められる行為」です。ですから、場合によっては犯罪にならないどころか法律上正当な主張ということもありえなくはありません(滅多にないとは思いますが)。 店の飲食代の払い忘れも犯罪にはなりません。もっとも、払い忘れる人は滅多にいないでしょう。そしてそれを後で気づいても知らん振りするのもそれだけでは犯罪にはなりません。例えば、支払い忘れるほどの飲食代金など額もたかがしれていますが、旅先で支払いを忘れて帰宅後気づいたとして、支払おうにもあまりに手間が掛かりすぎるので面倒なのでそのまま知らん振りする人くらいはいてもおかしくありません。確かに、道義的には問題ありですが、刑罰をもって対処すべき程の反社会性があるとは到底思えません。 なお、後日、同じ店に行ったところ、「こないだの代金払ってくれ」と言われて、払う気もないのに「金がないからまた今度」とか言ってその場を逃れたりすると、法律上は詐欺罪になる可能性があります。 ちなみに、「つり銭が多かったことに後で気づいたが猫ばばした」だと、占有離脱物横領罪になります。受け取る時に気づいてそのままそ知らぬふりで受け取ると詐欺罪。 #犯罪になるのであれば何罪か示すのが刑法上の議論では常識なので、犯罪になる場合は罪名をきちんと書いておきました。
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常識的に考えて 犯罪が発生しうる場合は、罪になります。 間違えて持ってきたり、忘れていたなら、気がついた時点で返すのが当たり前であり 「そうしなかった」ら、その時点で犯罪が成立しますねw 「死ぬかもしれない・・・」レベルで放置すれば、未必の故意ですが そうで無い場合・・・・
- yayaya3
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まさかこうなるとは、忘れていた、知らなかった。 じゃあ無罪って、子供じゃないんだから 済まされる簡単な世の中では無いと思いますよ。
- utama
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殺人の未必の故意があるというには、その行為によって死ぬ可能性を認識していることに加え、死亡することを認容していることが必要です。行為の時に死亡することを認容していなかったのであれば、後から認容したとしても、未必の故意にはなりません。 ただ、認容していたかというのは、行為者の心の中の問題で、客観的な証拠があるわけではなく、後から「ああああ死んでよかった、めんどくさい育児から解放されてよかった、子供を殺害することを考えていたが、偶然、死なせることができてよかった」というような証言をしたら、はじめからそういった認容の気持ちがあったのではないかという事実上の推測は受けると思います。
- ryuujiok2205
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そう甘くはありません。「未必の故意」をお調べください。
補足
そうですね、では未必の故意とは、たとえば失明した状態で建造物損壊事故を起こす可能性を知っていながら車を運転したばあいのことをいいますよね。その場合、やはり建造物損壊罪や器物損壊罪は成立するのでしょうか?
補足
そうですね、ただ、未必の故意かどうかは別として、後から認容したような場合はやはり情状が悪いということで刑が重くなりますよね?