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フレンチ歌詞、邦訳より英訳の方がわかりやすいのはなぜ?
私は趣味でNHKの語学番組を見ています。 英語以外のヨーロッパ系統言語に関しては、 語学の勉強というよりの番組内で紹介される現地の歌を 聴くのが好きなため視聴しております。 そして知った歌のCDを買ったりしますが、 言語そのものの学習はしていないため、 歌詞の内容についてはCD付録の訳詞が頼りです。 とあるフレンチポップスの虜になり、 CDについている日本語訳を歌詞を見て、 歌を楽しんでおりますが、わかりづらい箇所もあります。 ところが、ある機会にそのフレンチ歌詞の英語訳を見ました。 非常にわかりやすくリズミカルで、大変な感動を覚えました。 具体的に言うと、英訳の方が日本語訳よりも、 はるかにシンプルで、詩的で、内容が生き生きと伝わってくるのです。 一方、日本語訳は詩的ではなく、歯切れの悪い文章調です。 もちろん、翻訳者の技量もあるとは思いますが、 この歌の歌詞に限ったことではなく、 全般的に見てフランスやドイツの歌は、 なぜか日本語訳よりも英語訳の方がわかりやすいんです。 外国の映画・番組は見ますが、 仕事でも日常でも英語は全く使う事のない私が、 我が母国語の日本語訳よりも英語訳の方が 歌詞の内容や情景を素早く鮮やかに理解できるというのは よく考えると不思議です。 これはなぜなのでしょう? だいぶ前に、 フランス語=英語の遠い親戚、ドイツ語=英語の近い親戚、 であるという話を聞いたことがありますが、 ひょっとしてこれが関係しているのでしょうか? 言語学に詳しい方、同じような体験を持つ方、 ご返答を頂戴できると嬉しいです。
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文学は専門外ですが、分かる範囲で。 もちろん言語系統的に近い(同じ印欧語族)というのは大きな理由の一つでしょう。ただ、文化的な下地に共通部分が多いというのもあると思います。 例えば「神」の捉え方も日本人とは大きく違いますし、それにまつわる習慣も違います。また、日本語には感情や心情を表す表現がたくさんありますが、欧米の文学では逆に情景描写に力点が置かれることが多く、表現も豊かなようです。 文学的・言語的な面からみると、日本語と欧米諸語では詩の響きの構造も大きく違います(参考URL)。 日本の詩歌には韻を踏むという習慣があまりなく、もっぱら「五・七・五」のように拍数のみでもってリズム感を出しています。さらに日本語は音素の数が少ないため、自然と単語あたりの拍数を多く必要とします(仏語「je」(1拍)と日本語「わたしは」(4拍)など)ので、特に翻訳の場合は充分に訳そうとすると冗長になりがちです。 つまりフランス語歌詞と同じようなリズムを日本語訳で持たせることは非常に難しいことになります。 また、言語とは別の観点ですが、中世以来の伝統的な流れを汲む欧米の大学では、教養科目として詩を学ぶのが必須となっているそうです。対して日本では、高等教育を受け、一つの外国語をきちんと学んだ人でも、詩を学ぶことはあまりありません。 このような事情も多少は関係しているのではないでしょうか。
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英語の優位性を論じた有名なフランスの哲学者がいましたよ。昔に読んだので忘れましたが、ドゥルーズだっけ。ちがったらごめんなさい。 英語のイメージ伝達はかなり豊かな世界だということは、学問的にも研究が盛んです。 インドヨーロッパ語圏、ケルトゲルマン語圏は交わりながら発達していくのですが、 なぜ、ケルト(アイルランド)に特に大物の文豪が誕生しやすいのか? 不思議ですよね。 ちなみに、皆さんの返答とは違う観点からいいますと、 フレンチポップスなど雰囲気が売りののCDの和訳は、 制作会社がひどく手を入れて変えてしまうんです。 過激な歌詞や文学的な言い回しは、ご法度、といわんばかりです。企業利益第一なのですね。 結果、貧相な日本語で意味不明の、あたりさわりのないものがあふれかえっています。 試しに、クラシック歌曲のフランスものの歌詞カードを見てみてください。ずっとましですよ。
お礼
>フレンチポップスなど雰囲気が売りののCDの和訳は、 >制作会社がひどく手を入れて変えてしまうんです。 >過激な歌詞や文学的な言い回しは、ご法度、といわんばかりです。企業利益第一なのですね。 なるほど、この点はあまり考えていませんでした。 CDの歌詞と対訳は、歌詞の聞き起こし間違いや、 誤訳が結構あるという話は聞いていましたが、 人工的に手を加えていると言う話ははじめて聞きました。 ありがとうございます。
私はフランス語の方が得意なので、丁度 fuss_minさんとは逆の現象が起きますね。 多分 日本語訳だと主語がどれだか曖昧になったり、また日本語には関係代名詞がないので、誰が何と何なのか分かりにくくなることもありますね。 ああ、そうそう。日本語だと普通は譲歩や条件の節は主節の前に持ってきますが、日本語訳の歌詞だとフランス語に合わせ、主節の後ろに持って来たりすることが往々にしてあります。これも大きな要因の一つだと思います。
お礼
あ、そうか・・。 確かに日本語は主語をよく省略するので、曖昧になりやすいですね。 ありがとうございました。
言語学に詳しくありませんが同じような体験はあります。 やっぱり日本語との間よりも、距離が身近いし、比較しやすいんだと思います。 ラテン系言語は、語順は正確には英語とは違いますが、でも日本語より近いです、感覚が。 スペイン語の歌でもそうです。 スペイン語、英訳、和訳、とあると、、 3つ並べると2つ並べるより良く理解できる」という感じです。 私はそれほどスペイン語を解らないし、英語もバッチリではないので、3つ並べるのが解り易いです。 日本語では表現しにくいところもありますよね。 スペイン語文法を英語テキストで習うとか、英文法を英文で勉強するとかすると、日本語だけで習うより理解しやすい部分があります。 ただしこれは言うまでもなく、英語で読んである程度理解できる人の場合でして(笑)、英文を読んでもほとんど解らない・・・という人の場合は、そうはいかないですよね。。
お礼
お返事ありがとうございます。 やはり距離が近いことが関係しているのでしょうか? 同じ印欧系統というのはあるんでしょうね。 ちなみに私は、自分で英語が特に話せるわけでもないんですが、 相手の話を聞くことはできます。 発信(出力)はダメで、受信(入力)のみの一方通行ですが、 「英語は英語のまま」で大体理解しております。 で、歌の詞に限っては、仏詞→英訳、独詞→英訳のほうが、 仏詞→日訳、独詞→日訳よりも、意外によくわかったりします。
お礼
なるほど。 元々、同じ詞とは言え言語が違えば仕組みもだいぶ違うようですね。 あと、 >日本語には感情や心情を表す表現がたくさんありますが、欧米の文学では逆に情景描写に力点が置かれることが多く そういえば、これもどこかで聞いたことがあります。 すっかり忘れていましたが、改めて勉強になりました。 参考にさせていただきます。 ありがとうございました。