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ドップラーシフトについて
超音波ドップラー流速計やADCPで使用されるドップラーシフトはどういったものでしょうか?
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こういう分野には詳しくありませんので自信なしとしますが、「ドップラーシフト」とは、波動が、その波の載っている媒体の運動で、波長や振動数がずれる(変位する=シフトする)ことです。 例えば、空気中の音波で考えれば、自動車や電車などが走りつつ接近して来ると、その走行音が、段々高い音(振動数の大きな音)になり、すれ違う瞬間最高になり、それから遠ざかるに連れ、今度は逆に、低い音(振動数が小さな音)へと変わって行きます。これがドップラーシフト=ドップラー効果で、この場合、別に媒体の空気が運動している訳ではありませんが、音源の電車や自動車が、媒体の空気に対し運動しているので、結果的に、媒体が運動しているのと同じような効果が出るのです。 媒体静止で音源が運動する場合、振動数nの音を、前進方向に出していると、この運動音源の速度が、前進方向向きで、vとすると、音波の速さs(温度によって変化するので、定数ではありません)で、1秒後には、音波はsメートル前方にあり、運動音源はvメートル前方にあります。v<sの場合、s-v>0で、この時、この距離のあいだに、n回の振動があることになります。本来、sメートルの距離のなかに、均等にn個の振動があるはずなのですが、音源が動いているので、s-vの距離のなかに、n個の振動があることになり、s/(s-v)の割合で、高い音に変わって聞こえます。これが接近する電車の音などが高くなることの理由です。 超音波ドップラー流速計の場合、原理は、流れている水のなかに装置を沈め、超音波を発信し、それを、少し離れたセンサーで感受して、発信した超音波と、受信超音波で、どれぐらい振動数が変化しているか測定し、この変化は、液体媒体の運動によるドップラー効果であるので、振動数の変化から、逆算して、媒体が、どのぐらいの速度で、運動していたか、つまり、「流速」が分かるのです。参考URLの装置のように、180度の三つに分かれたセンサーで測定すると、流れが、どの方向に流れていたか、つまり、ヴェクトル量としての流れの速度が測定できます。 液体中でも、音の速度は、温度や圧力で一定に決まって来ますが、ドップラー効果があるので、液体の運動が加わると、音波が超音波になるのです。 原理的には、発信源から、sの速度で音波が進んだところ、丁度、音波の進行方向に向き合う方向に液体が流れていた場合、液体の流速をvとすると、1秒後には、sメートル音波は進むのですが、媒体が、音波の進行方向の逆方向にvメートル進むので、音波は実際には、s-vメートルしか進んでいないことになります。仮に、この距離の位置にたまたまセンサーがあると、センサーは或る振動数を記録します。しかし、1秒sメートルでn回振動しているのが普通の音波で、この場合、s-vメートルでn回振動しており、s/(s-v)だけ、振動数が高くなっているとも言えます。センサーが記録する振動数は、この値です。これはだから超音波になっています。 センサー位置が必ずしも、s-vの位置にあるとは限りませんが、センサー位置で、振動数を計り、センサーと発信源との距離(是は、装置で決まっています)を比較すると、液体の運動、つまり、流速が計算できるということです。
お礼
URL紹介ありがとうございます。詳しく説明していただき大変助かりました。