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宇宙と複素数の世界

shiaraの回答

  • shiara
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回答No.3

1)ここで言っているφは波動関数のことだと思われますが、これは値として複素数をとります。波動関数の絶対値の2乗|φ|^2は実数になりますが、これは位置の確率密度を表します。つまり、ある位置に粒子が存在する確率に比例します。なお、φを確率振幅と言うのは正確ではなく、上に述べたように、波動関数自体は、直接は確率に対応しておりません。  「背後に隠れた確率振幅φという複素数の世界によって動かされていて」の「背後に隠れた」とは、それが直接観測されないことを言いたいのだと思われますが、波動関数φは、人間がこの世界を記述するための方法であって、実在している物ではありません。つまり、本質は何だかよく分からないが、複素数を使った波動関数と言う物を使うと、現象をうまく記述できる、というものです。波動関数ではなく、ベクトルを使って状態を表す方法もあります。 2)複素数がこの世界の本質に関係している点を気にされているのでしょうか。だとすると、そういう物だとしか言いようがありません。実際に観測される量が実数であることの方が不思議なのかもしれません。量子力学で使われる量は複素数なのですが、現実と整合を取るために、観測される物理量の固有値が実数になるような制限が加えられます。  量子力学で複素数が必須なのは、次のような例で説明されます。一般の物理状態は、固有状態の重ね合わせで表されます。例えば、2つの固有状態|x>と|y>の重ね合わせを考えます。重ねあわされた状態|ψ>は|x>と|y>の1次結合です。 |ψ>=a|x>+b|y> |ψ>は、その大きさが違っても同じ物理状態を表しますので、異なる物理状態は、aとbの比によって決まります(ベクトルの向きによって状態が区別されるということです)。もしaとbが実数であれば、この重ね合わせの自由度は1つしかありませんが、現実には、位相の自由度がありますので、それでは自由度が不足します。したがってaとbは複素数である必要があります。

noname#17853
質問者

お礼

ご丁寧な回答をいただき有難うございます。 「実際に観測される量が実数であることの方が不思議なのかもしれません。」 --含蓄のあることばですね。 「現実には、位相の自由度がありますので、それでは自由度が不足します。したがってaとbは複素数である必要があります。」 --私の理解力が追いつけません。ブレークダウンして教えていただければ幸いです。

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