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自己インダクタンスがコイルの巻き数の2乗に比例すること

Teleskopeの回答

  • Teleskope
  • ベストアンサー率61% (302/489)
回答No.4

    >> 教えてgooの検索では符号の決め方問題のみでした。巻数の2乗になる点を明確に説明してほしい。 ある本には「ループへ作る磁束は巻数Nに比例する だから貫く磁束は巻数Nの2乗と」ありますが「貫く」と言われてもよくわかりません。 説明がどの本も不明確です。<< 1.  正統な電磁気本を見れば必ず載ってることなんで要点を記します; 2乗の成因は「電流同士に力が働く」という現象の、『同士ゆえ』と『閉ループ積分ゆえ』の相乗効果?です。 下記の定番な図式に於いて  i1            i2  │            │  ┃ds1── r ─→ds2┃  │            │ ds1がds2から受ける力dFは   dF = (ds1の電流)×(ds2が張る磁場B)     = i1ds1×( (μ/4π)×r/|r|^3 ) ベクトル三重積ゆえ内積に書けて     = (μ/4π)i1i2/|r|^3 ((ds1・r)ds2-(ds1・ds2)r) 『閉ループ積分』の場合は(ds1・r)の項がゼロに。←ここが肝その1です。     = -(μ/4π)i1i2 (ds1・ds2)r/|r|^3 で、 この力の成因が 何かのポテンシャルエネルギ U による   F = ∂エネルギ/∂変位 だと見なした U は、   U = -(μ/4π)i1i2 ∫∫(ds1・ds2)/|r| この式の電流以外全部を    = -Li1i2 としたLがインダクタンスの定義です。 『閉ループ』だとベクトル三重積が∫∫(ds1・ds2)だけになる所が肝です。こう書けるのは「導線が巻いてある」場合に限る。コイル特有のこと、ということです。 2.  電流がIでN巻きのコイル;これを 1巻の単ループ N個に分断し、個々に電流源Iを付けます。1個の単コイル上の ds1 が力を受ける相手は   ∫∫(ds1・ds2) のds2ですが、これは自分自身のループを含めて N 個ありますね。 ゆえに前記の単ループの N 倍の力を受けます。 ←ここが肝その2です。  N個のds2からの磁場Bがすべて押し寄せますが、遠い立場同士では途中で漏れる(磁束がループを描いて引き返してしまう)ので受ける力はちょっと少な目です。力の元のポテンシャル(磁場エネ)がちょっと少な目。  この漏れ(途中引き返し)が無いものとすれば、 単ループがN個あって「個々の磁場エネは 孤独な場合のN倍」ゆえ、全エネは Nの2乗となります。それを担う係数Lは、ゆえに「孤独な場合のN^2倍」に。 3.  以上をまとめると、 その1:閉ループでは ベクタ三重積が 単項の内積になる。 その2:その内積の相手がN個居るので、エネは孤独な場合のN倍になる。 その3:N倍になったのがN個あるゆえ、全体では N^2倍。 その4:実際は遠い相手同士は磁場が全部は届かないので、現実はN^2より少なめ。 4.余談  電気回路の技術書などでよくあるインダクタンスの導入は「電流の変化は電圧を生んで e=-Ldi/dt‥」のように、何かただの換算係数のような登場のさせかたですね。 なのに、まるで「係長のコネで入った新人ですと紹介されたのに、実は社長の息子だった」みたいに いつの間にか主役になるので、こいつは何者だと釈然としない人は多いかもです。  巻数についても「電流から磁界に変わる所でN、磁界が電圧に変わる所でまたN」と駅の乗り換え改札のような「2回通るから成り行き上そうなった」のような「お話」を、電子技術分野では微分の式で語り、強電分野では微積分を陽に出さない交流理論の言葉で語って済ましてることが多いようで。これがお気に召さないわけですねw  「ひと巻きの閉ループ導線の電磁誘導」を解くとループの面積に比例することから演繹して「コイルはラセン階段である。床面積は連続してN倍ある」 http://linuxenvy.com/bprentice/RotatingGifs/StairsSpin.gif という、折衷的な説明もあります。    

kasugaman
質問者

お礼

うーん、凄い。予想を超えた名解説です。なぜ、わかりにくいか?という点にも答えられています。このような解答をいただける[教えてgoo]というものの力、醍醐味を感じます。らせん階段はダイナミック映像で綺麗でした。必見の値打ちがあると思います。

kasugaman
質問者

補足

図書館で古い本を見ていましたら、熊谷寛夫、荒川泰二、電磁気学、朝倉物理学講座5,(朝倉書店、5版、昭和41年)のpage156になんとラセンの絵が描いて自己インダクタンスが説明されていました。しかも、わかりやすい、相互インダクタンスを先に説明してから、その後でこのラセン図を出しています。わからせる努力をしてあるよい本だと感じました。 同時に、Telescope氏は物理を本当の意味で知りつくした凄い先生にちがいないとも思いました。

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