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置換反応
ベンゼンは置換反応を起こしやすい、と習いましたが、C6H6のHがわざわざ取れて、ほかの部分(CH3など)に入れ替わってしまうのはどうしてなのですか??ベンゼンは安定だと習ったのですが・・・。どなたか教えてください。お願いします。
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No.3です。 > +電荷を帯びるということなのだから、より安定になるということでいいのでしょうか?? 「+電荷を帯びることで、より安定になる」のではなくて、 「+電荷を帯びても、比較的安定である」というのが正しい認識になります。 (もし「より安定になる」だと、何もしなくても正電荷を帯びた状態になることになってしまいます) 化学反応が進むには、それぞれ、よりエネルギーの高い「中間状態」を経る必要があります。 下の反応1と反応2を比較すると、反応前後のエネルギーの差は、どちらも一行分の高さですが、 中間状態になるために必要なエネルギーは、反応2は反応1の2倍のエネルギーが必要です。 (注:反応前(_)と中間状態(/\の頂上)を比較) つまり、反応1の方が、小さいエネルギー(例えばより低温な状態・反応性の低い試薬といった条件下)で反応を起こせる、ということです。 <反応1> エネルギー大 ↑ | 中間状態 |反応前_/\ | \_反応後 エネルギー小 <反応2> エネルギー大 ↑ 中間状態 | /\ |反応前_/ \ | \_反応後 エネルギー小 芳香族での置換反応と、脂肪族での置換反応とが、それぞれどちらに当たるかというと、 前者(芳香族~)が反応1、後者(脂肪族~)が反応2、となります。 ちなみに、余談になりますが、この中間状態にまで持ち上げるエネルギー(=活性化エネルギー)を小さくするものが、「触媒」と呼ばれるものです。
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No.4です。 追加質問に対する回答です。 内容としては、No.5でご回答頂いていることと同じです。 安定、不安定に関しては、それなりの理屈がありますが、簡単に理解できることではありませんので、有機化学を学習の過程で少しずつ理解していくのが良いと思います。 すなわち、この問題に関しては、特に神経質になる必要はありません。種々の反応などを理解していく過程で自然にわかってくると思います。
お礼
回答ありがとうございます。 いろいろな化学に触れていって、化学に親しんでいこうと思います。本当にありがとうございました。
- Ichitsubo
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>このような、安定性についてはどうやったら判別できるのでしょうか??暗記ですか?? わかる人は覚えていますが、わざわざ暗記しようと思って暗記するものではありません。自然と覚えてしまうか、あるいは自然と判断できるようになるものです。 定量的には発熱反応であるか吸熱反応であるか、その反応熱を考えてやります。
お礼
回答ありがとうございます。 自然に判断できるように、これからどんどん化学に触れて生きたいと思います。
補足です。 ベンゼンのC-H結合が安定ではないというわけではありません。 たとえば、ベンゼンのHをメチル基に置き換える方法としては、Friedel-Crafts反応が有名です。ここでは、触媒として塩化アルミニウムが用いられます。 C6H6 + CH3Cl → C6H5-CH3 + HCl この反応が右に進むのは、左辺のC6H6 と CH3Clを合わせたものの安定性と、右辺のC6H5-CH3 と HClを合わせたものの安定性を比較した場合に、右辺の方がより安定であることが原因です。 上述の反応で切断されたのは、C-H結合だけではなく、C-Cl結合も切断されており、その結果として、H-Cl結合とC-C結合ができています。こうした結合の切断と生成をトータルとして考えると、右に進んだ方が安定になるということです。 そもそもC-H結合自体はかなり安定な部類の結合です。 また、新しくできるC-C結合も安定な結合です。 反応の進み方に関しては、個々の結合の強さだけでは判定できないのです。
補足
再び回答ありがとうございます。 書かれていることはわかったとは思いますが、、、(汗)ひとつ気になることがあったのでよろしくお願いします。ある物質がいくつか与えられたとき、このような、安定性についてはどうやったら判別できるのでしょうか??暗記ですか??
- DexMachina
- ベストアンサー率73% (1287/1744)
既に他の方が回答されている通り、「安定なのはベンゼン環」という骨格です。 反応が進むには、反応物と生成物の安定性と同時に、「反応中間体」の安定性も重要になります。 (例えばダイヤモンドはエネルギー的には不安定にも拘わらず、中間状態になるための励起エネルギーが大きいため、その形を保っていられます) ベンゼンなどの芳香族の場合、例えばヒドリド水素が外れて1価の陽イオンを持った状態は、6個の炭素上に均等にかかることで、脂肪族の炭素が陽イオンになった状態よりも安定です。 このため、ベンゼンは、脂肪族よりも置換反応を起こしやすくなっています。 一方、不飽和脂肪族であるエチレンの二重結合が開裂するのに要するエネルギー(→単結合になるためのエネルギー)は、C-Hの単結合が開裂するのに要するエネルギーよりも小さいため、置換反応よりも付加反応が進みやすくなっています。
補足
回答ありがとうございます。中間体も大事なんですか。知らなかったです。 >ベンゼンなどの芳香族の場合、例えばヒドリド水素が外れて1価の陽イオンを持った状態は、6個の炭素上に均等にかかることで、脂肪族の炭素が陽イオンになった状態よりも安定です。 このため、ベンゼンは、脂肪族よりも置換反応を起こしやすくなっています。 なのですが、分子から陽イオンになるということは、+電荷を帯びるということなのだから、より安定になるということでいいのでしょうか??ここがよくわからないです。よければ、詳細を教えてもらえないでしょうか。
ベンゼンが安定と言うよりも、ベンゼン環が安定と考えて下さい。 ベンゼン環のHが別の原子団、たとえばメチル基とかニトロ基などに置き換わっても、「ベンゼン環の構造は保持されます」ので安定です。 そのような反応が進む理由は、反応の相手となる物質との、「反応前」と「反応後」の安定性の比較になり、反応が進むということは「反応後の方が安定」であることを意味します。 それに対して、ベンゼンに付加反応が起こったとするとベンゼン環が無くなってしまいますので、一般に、ベンゼンの付加反応は進みにくいと言えます。 たとえば、塩素は炭素-炭素二重結合に対して、非常に付加反応を起こしやすい分子ですが、ベンゼンへの付加は起こりにくく、外部から、光による大きなエネルギーを供給した場合に限り進みます。 ・・・「ベンゼンが安定」ということについては、上述の話と混同されているのではないでしょうか。
補足
回答ありがとうございます。 つまり、Hが置換反応を起こすことよりベンゼン環が、安定なものになるということですね。 ということは、別の原子団についても、 C-(原子団) の部分はどんな原子団でも置換反応を起こしやすい状態にあるということでよいのでしょうか。
- Ichitsubo
- ベストアンサー率35% (479/1351)
"ベンゼンが安定"というのは炭素骨格のことですよ。
お礼
回答ありがとうございます。C-Hの部分はあまり安定ではないということですね。ただ、気になるのですが、どうして、安定でもないのに、CとHは結合するのでしょうか。わざわざ不安定なものになろうとするのはどうも腑に落ちないです。お願いします。
お礼
回答ありがとうございます。 よくわかりました!! 本当にありがとうございました!!