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密閉容器の強度
水やガスを封入した缶のような密閉容器を作る場合、気温の変化などによる内容物の体積の変動が、内部の圧力を大きく変化させ、容器を変形させるような影響を与えます。円筒状の胴部の上下を円形の蓋体で閉じた缶で同じ材料で蓋を作る場合、蓋の変形や破損を抑止するためには蓋の面積は小さい方が良いのでしょうか。
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質問の意味は,理解しました。 円筒の部分の関係や細かい条件を無視して,蓋の部分だけを考えた場合,結果としては,お考えの通り直径の大きい方の変形が大きくなります。 つまり,圧力は均等に作用しますが, 蓋に作用する力の総量=圧力x面積 ですので,蓋に作用する力の総量は面積が大きい分だけおおきくなります。 また,増加後の圧力が同等の場合,周囲を固定された蓋(円盤)の応力は半径の2乗倍に比例し,変形は半径の4乗倍に比例します。 最大応力 σ=3pR^2/4t^2 最大たわみ δ=pR^4/64D p:圧力 R:半径 t:板厚 D:円盤の曲げ剛性 例えば,極端な例ですが,半径1,変形1の円盤に対し,2倍の半径の円盤の変形は,2の4乗倍になります。ただし,円盤の半径に対し,変形が非常に少ないという条件 R>>δ が付きます。 ただ,この説明は,単純に蓋のみを考えたときの結果ですので,実際にはその他の部分との整合性を考慮して判断する事になると思います。
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- k_riv
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>蓋の変形や破損を抑止するためには蓋の面積は小さい方が良いのでしょうか 多分,蓋の面積を最小にするというのは,円形の平板を使用すると言う意味で,ドラム缶のような形にすると言うことですよね。内部圧力が大きくなる場合は,面積を最小にするのがよいとは言えません。 ドラム缶もような形の場合,内部の圧力が大きいと,蓋には外向きの力によって,蓋に曲げモーメントが発生します。この曲げモーメントに抵抗することが出来る≒曲げ変形を最小にすることの出来る厚みの板を使用する必要がありますが,加工が簡単です。 蓋を球形の上半分の形(薬のカプセル状)にすれば,モーメントが発生せず,球面の引張力のみを負担すると考える事が出来ますので,板厚を薄くすることが出来る=同厚の開いたよりも変形を小さくする事が出来ますが,球形を作るの加工が難しいです。 内部圧力が大きくなる場合は,加工が難しくても球形にすることが多いと思いますが,密閉すれば良い場合,即ち,内部圧力が余り大きくならない場合は,ドラム缶のような平板にすることが多いと思います。 結局,強度計算時の内部圧力による変形の程度と加工の容易さの兼ね合いによって,どちらが良いかを判断する事になると思います。 私はこの分野の専門家では有りませんが,高圧容器の分野の専門家は,多分,球形の方を支持すると思います。
補足
k_rivさん、丁寧なお答えありがとうございます。少し補足させていただきます。今回の場合教えていただきたいのは、円筒形の胴部の両端を、円盤状の蓋で閉じた缶のような容器に関してです。例えばこのような容器で、同じ厚み、同じ材料で作られた、内容量(缶の中の)が同じで円筒部の直径(つまり蓋の直径)が異なる2つの缶を、加熱するなどして内部に圧力を発生させた場合(胴部の変形はひとまずおくとして)、直径の小さい物の方が蓋にかかる力が小さく、蓋部分の変形等が少ないと考えてよいのでしょうか。密閉容器の内部に圧力が発生した場合、すべての面に均等にかかると教えられましたので、蓋部分に関しては、圧力が加えられる面積の小さな方が、加えられる力の総量が少ないと考えてよいのでしょうか。
お礼
本当に丁寧に説明して頂きありがとうございました。 数式は印刷して、ゆっくり理解していこうと 思います。 ありがとうございました。