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日米安保条約

日米安保条約について質問します。 1.日本が有事の場合、日本も集団的自衛権を行使し米国と協調して行動とるのでしょうか、そして、その時の日本の軍事行動の範囲などを規定したものはあるのでしょうか。 2.有事の際、本当にアメリカが日米安保条約を守って、日本を防衛したり敵国を攻撃したりすると思いますか。 3.上記の際、防衛とはいえ、戦争の当事者は誰になるのでしょうか。またアメリカに行き過ぎた行動があった場合、日本は意見を言えるのでしょうか。

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回答No.5

1.日米安保条約第5条では、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に共同で対処することを定めています。したがって、「日本有事」には協調して行動することは条約上の双方の義務です。 ただし、これには重要な変更が加えられています。「新ガイドライン」(日米防衛協力の指針)とその具体化である周辺事態法では、「周辺事態」の際には、自衛隊が米軍に対する後方地域支援を行うことになっていて、「日本の周囲の公海及びその上空において行われることもある」とされています。後方地域支援といっても、戦闘地域と後方地域を区別することは不可能で、米軍の装備品の補給や補給品の輸送も含まれていて、実際には軍事作戦に必要不可欠な「兵站」を担うことになっています。「周辺事態」は国会答弁では、安保条約上の「極東」に近い概念と見ていいようです。つまり、極東有事の際には部分的な共同作戦を行う、ということです。具体的には、朝鮮半島有事や台湾有事の時には、自衛隊は米軍の兵站を担う、ということです。これは、安保条約の事実上の改定だと言えると思います。 2.もともと、安保条約は冷戦時代に、米ソ戦争を想定して結ばれたものでした。冷戦後、前記のように事実上の改定があって、自衛隊の任務を拡大しています。北朝鮮の脅威がよく言われますが、北朝鮮の中心的な関心事は朝鮮半島の統一であって、日本への敵意はそれに付随するものです。日本人拉致も対韓工作の一環として行われました。しかも、北朝鮮の装備は、きわめて貧弱で、それを補うために核兵器を持っていると表明している(「ふかし」の可能性もあるけど)のです。で、北朝鮮が日本攻撃を仕掛ける場合にも、工作船で特殊部隊を送り込んで、戦争というよりはテロに近いことをする、というようなことが現実的な想定です。通常部隊を大量に輸送する船がないのです。こういうことに対しては、米軍のハイテク装備とかはあまり関係ありません。あとは「ノドン」「テポドン」といったミサイルですが、これを防ぐのは技術的に不可能で、米軍が出動するかどうかにあまり意味はありません。 イラク戦争のようなことをアメリカが北朝鮮にしかける、ということ以外に、「朝鮮半島有事」はありえないと思います。ときどき言われる、北朝鮮の核施設に対する米軍の限定爆撃が、米側の予想を超えて「有事」に発展する可能性はありますけど。そのとき、安保条約と新ガイドラインは、日本を米側に立って参戦させるものと考えるべきだと思います。つまり、安保体制は日本を防衛するものではなくて、日本をアメリカの戦争に協力させるものだと思います。 3.当事者は、日米双方になります。一応は、日本の領土内のことは日本の判断で制限できるとは言えますが、有事法制の整備で、戦時には米軍の行動の自由を拡大する方向が定められました。イラク戦争への対応を見れば、現在の日本政府はアメリカに対して意見を言おうととかは思ってないような感じがします。

nakata-san
質問者

お礼

みなさま参考になりました。ありがとうございました。

その他の回答 (4)

  • SCNK
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回答No.4

1 日米安全保障条約上での日本の義務は、米国軍隊に日本領土を使用させることです。それを協調行動といえば言えなくもありません。  むしろ条約そのものより、さまざまな国内法で規定されています。  有事なのでACSAは関係ないと思いますが、平時の段階における準備には、これや周辺事態法にある自衛隊の行動が使用できます。有事に入ってからは米国軍隊円滑化法が活用できるでしょう。  むしろこれらは条約上の義務とは別のものです。このような場合には日米の部隊は、共同で対処します。共同というのは、それぞれの指揮は別ですが、互いに協力して対処するということです。 2 日本の領土を使用する権利に対するものとして、日本の防衛を行う義務を、少なくとも条約の条文上は負っています。  ただ米本土が侵略を受けて、日本を防衛する余裕がないというような事態になれば保証の限りではありません。  しかしながら日本列島の戦略的価値を米国は心得ています。もし日本が侵略され、占領されるような事態になったとすれば、黙って見ているというようなことは考えにくいことです。  仮に日本が占領され、日本政府が侵略国に降伏し、単独講和を結ぼうとすれば、米国は日本が占領されるまえに、親米政権を樹立するとか、先に占領して軍政を敷いてしまうでしょう。そうなればもはや条約の話ではありませんね。 3 日本が有事なら、日本も当然ながら参戦国です。さすがに日本自身が有事になっているのに、中立を決め込んで米軍だけに戦わせて高みの見物はないでしょう。  戦争の当事者は、参戦国すべてです。それ以外の国が中立国です。  アメリカに対して当然、日本領域ですから当然、意見をいえますよ。もっとも守ってもらっていては、なかなかずけずけとは言いにくいという雰囲気はあるかもしれませんね。  まあ応分の要求は飲まされるでしょう。場合によってはといっても考えにくいのですが、日本の戦域に戦略的価値がなくなれば、おそらく無視されるでしょう。  前例があります。大戦から国共内戦の国府軍です。連合国や米国に援助ばかりもとめて、自分たちは戦おうとせず、指揮官たちはその援助で私腹を肥やすばかりなので、最後には匙を投げました。

  • sudacyu
  • ベストアンサー率35% (687/1961)
回答No.3

 No2です。  誤解があるようなので、補足します。在日アメリカ軍は自分たちの家族の命を守ることを優先するという意味で、結果として日本人も守ることになるということです。  同様に自衛隊もアメリカ人より先に自分たちの家族や友達を守りますよ。アメリカ人の友達がいたり、結果としてアメリカ軍基地を守ることにもなりますが‥‥。

  • sudacyu
  • ベストアンサー率35% (687/1961)
回答No.2

 1については自信のある回答が出来ないので、他の回答者におまかせします。   2・3の質問について  日本は、日米安全保障条約他で規定されている経費以外にも、日本が自主的に「思いやり予算」として負担している費用も含めて、年間数千億円をアメリカ軍駐留費として負担しています。つまりアメリカはほとんど自国の費用をかけることなく日本にある軍備を維持できています。(ですから、イラク・アフガニスタンでかかる費用が巨額なので、その他の軍事費を減らすため世界各地のアメリカ駐留軍が縮小されていても、日本に駐留するアメリカ軍は減りません。)  この費用の中には、既婚軍人の家族の日本滞在費も含まれています。(アメリカ人は海外に赴任する場合、家族帯同が基本なので、アメリカ軍で働く人の婦人・子供の数は数千人と思います。彼らは基地内・またはそれに隣接する日本政府が用意した場所に住んでいることが多いのです。東京都・神奈川県内でも、高級将校の場合は1000m2以上の敷地でプール付きの広い芝生のある家に、日本人の出した税金で生活しています。)  有事の場合、自衛隊基地と在日米軍基地は隣接・共用施設もあるため、アメリカ軍を攻めずに日本の自衛隊を完全に無力化することは出来ません。また、防衛用電子機器は日本・アメリカ共通のものも多く、日本を攻める外国軍にとって、自分にとって安全な距離を維持しながら、アメリカ軍と自衛隊とを完全に区別することは困難です。  つまり、日本を攻撃する軍隊は必然的に米軍基地を攻撃せざるを得ず、結果として非戦闘員であるアメリカ軍人の家族に被害が及ぶことになります。  自国の非戦闘員、特に女性・子供が被害を受けた場合のアメリカ政府の対応は、9・11の状況を見ても明らかなように、日本の意思・意見に関係なくアメリカに対する攻撃とみなして徹底的に報復するでしょう。  私個人の見解ですが、アメリカの国益と日米安保条約が相反する場合、あえて日本を防衛したり日本の敵国を攻撃したりすると、日本政府は信じているわけではないと思います。ですから軍事に関して日本政府は、アメリカの国益と日本の国益が常に一致するよう、巨額の費用を払ってでも、アメリカ軍人の家族を人質にしていると解釈しています。

nakata-san
質問者

お礼

ありがとうございました。 #1さんのお話を聞いても#2さんのお話を聞いてもます、ます安保条約に対する不信感がつのってきます。 こんな風に感じるのは僕だけなんでしょうか? 有事になった場合は、自衛隊は国民より優先してアメリカ軍人の家族を保護するのでしょうね。 ありがとうございました。

回答No.1

> 1.日本が有事の場合、日本も集団的自衛権を行使し米国と協調して行動とるのでしょうか、そして、その時の日本の軍事行動の範囲などを規定したものはあるのでしょうか。 日本が有事の場合は、集団的自衛権ではなく個別的自衛権の行使により、防衛のための出動・戦闘を行うことになります。集団的自衛権とは、同盟国(例えばアメリカ)の有事に際し、日本が発動するもので、現在では違憲との見解が政府の公式見解ですね。 日本の軍事行動の範囲については、集団的自衛権が否定される以上、日本の防衛にとり重要な地域(日本の領土・領海・領空を中心とした範囲)が軍事行動の範囲となります。周辺事態など、より広範囲における極東有事の際には、日本は集団的自衛権を発動できないため、軍事行動はアメリカのみで行うことになり、日本は空港や港湾の提供、燃料の提供など、直接的な軍事行動と見なされない協力に留まることになります。 > 2.有事の際、本当にアメリカが日米安保条約を守って、日本を防衛したり敵国を攻撃したりすると思いますか。 日本の防衛がアメリカにとって重要な場合は間違いなく集団的自衛権を発動するでしょう。日本はアメリカにとって政治的・経済的に結びつきの強い国ですから、余程のことがない限りは日本を同盟国として堅持する方がアメリカの国益に適います(例えば日本が中国や北朝鮮の傘下に入ったとして、アメリカが失うものはありこそすれ得をすることはないでしょう)。よって、アメリカは極東でのアメリカ自身の国益のために日本防衛に協力をすることは疑いないと思います。 もっとも、アメリカだって日本防衛のために払えるコスト・流せる血の量には限界がありますから、とことん日本防衛に粉骨砕身するとは思えませんが。 > 3.上記の際、防衛とはいえ、戦争の当事者は誰になるのでしょうか。またアメリカに行き過ぎた行動があった場合、日本は意見を言えるのでしょうか。 戦争の当事者という概念がよく理解できませんが、日本は個別的自衛権により日本本土を防衛するという点において当事者と言えるでしょう。しかし、在日米軍(あるいは米軍の増援部隊)は自衛隊の指揮下には入りませんから、誰にも掣肘されずに行動しうるという点で、アメリカはやはり当事者として振る舞うものと思われます。 アメリカに行き過ぎた行為が発生した場合、日本はもちろん意見を言うことが可能です。ただし、意見を強制する権利は日本にはありません。在日米軍は在日米軍の司令官の隷下におかれますから、在日米軍司令官(あるいは米軍の最高指揮官である大統領、その隷下にある統合作戦本部)が軍を統率すべきものです。

nakata-san
質問者

お礼

戦争の当事者というのは戦争の責任者ということなのですけど、やはり、日米安保条約の下での戦争責任はハッキリしないのでしょうね。日本が憲法上で防衛しかできないとしても、アメリカは敵国の基地を叩くでしょうし、イラクのように地上戦になったら、アメリカにも多大な死傷者がでると思います。その時、日本は集団的自衛権が無いからと言って、日本のために戦っているアメリカ兵を見殺しにできるのでしょうか? 考えれば、考えるほど解らなくなる条約ですね。 ありがとうございました。

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