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「さ」入れ言葉について
最近、芸能人の間に特に歌い手さん達が「さ」入れ言葉をやたらと使っているような気がします。 例えば、歌手の多くの皆さんが、 「それでは、歌わさせていただきます」 殆どの歌手達が、男女の区別なく、そのような調子のようです。 芸能界(特に歌手)には「さ」入れ言葉が、しきたりみたいになっているのでしょうか。教えてください。 「歌わさせていただきます」は「歌わせていただきます」というのが普通の言い方だと思うのですが・・・ 「さ」を入れることの意図、ねらいはなんでしょうか。併せてご教示お願いします。
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最近読んだ 井上史雄『敬語はこわくない』(講談社現代新書) に説明されていました。 「さ」を入れるようになったのは、「~させて」という丁寧表現が定着し、「~せて」形だったものも「さ」を入れるようになったというものです。 目に付く言葉づかいに「ら抜き」もありますが、「さ入れ」と「ら抜き」は実は原因は同じだそうです。どちらも、日本語の動詞活用を上一段活用だけに単純化しようという動きの現れということです。 この本には載ってませんでしたが、彼の別の著書『日本語は年速1キロで動く』には「れ足す」言葉も載っていました。主に関西圏で「ここに書かれてください」のように、「れ」を丁寧語として使う用法です。「書いてください」だと失礼に感じるから、こんな言い方も出たんだとか。最近首都圏にも進出してあるようです。(表題の「年速1キロ」というのは新しい言い方が広まる速度) 敬語の”乱れ”が気になる方に、『敬語はこわくない』は特にオススメです。「~させて頂く」「とんでもございません」などの”乱れた”敬語の原因が、豊富な具体例と彼独自のユーモアで綴られています。 でも、よくある「最近の敬語は乱れている。けしからん!」という本とは一線をかすものです。#2さんもおっしゃるとおり、「乱れ」というのは、言語が使われている限り必然的に起こるものであり、進化の過程といえます。(余談ですが死語になったラテン語は「単語の用法・意味が変わることがないから」という理由で学名に採用されました) これを読むと、最近の"乱れ”に対し別な見方ができるようになります。本当に目から鱗でした。ぜひぜひ読んでみてください。
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- udon86
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「問題な日本語」という本が売れています。それに詳しく載っていたと思います。日本語の乱れに興味がある方は必読書です。
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御回答に感謝し、この項目は締め切らせていただきます。有難うございました。
- tasha
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これはかなり一般にも見られることだと思います。 なぜ「さ」をいれるのかというと、丁寧に言いたいという意識が働くからですね。言葉は長い間使われていると、その意味が薄れてくるものなんです。ですからさらに丁寧な言い回しをしようとしてもともと敬語のところに尊敬の意味を加えて「さ」をいれたりするわけです。 敬語の使い方は自然に身につくものではなく、ある程度年をとってから学校や社会の中で他の人の言葉を聞いて勉強するものです。(そういう意味では外国語と似たものがあります)尊敬語と謙譲語の違いもあるので使い方はなかなか難しいといえます。 ですから、問題のある表現が使われていたとしても、それに気づかず広まってしまうんです。 ただ、「ら抜き言葉」やこの「さ入れ表現」のように一般に広まっていく問題のある表現というのは意外に多いものです。 そして、広まりすぎて多くの人が日本語として正しいと認識した場合、もともとは間違いだったとしても果たしてそれを一概に間違いだと言っていいものか・・・という問題もあるのです。 言葉は生き物です。それがいいことであろうとなかろうと時代と共に変化していくことはさけられないと思います。
お礼
これからの「敬語の在り方」についいて、示唆に富むご提言で大いに勉強になりました。 「言葉は生き物です」まさに、おっしゃる通りです。 でも、極端に、意図的に変化だけを追い求めるという ことについては、考えさせられる面もありますね。 有難うございました。
補足
御回答に感謝し、この項目は締め切らせていただきます。有難うございました。
- Ulu_lun
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「さ」入れ現象は別に芸能界だけではないと思います。 テレビなどのメディアで良く見るのでそのように感じるだけで、「さ」入れ現象については問題視していらっしゃる方も多いですね。 「さ」入れ、「ら」抜きは言語の乱れであると言われる反面、言葉は時と共に変容するものなのであり、たった100年前の日本語の一体どれだけを私達が正しく理解出来るのか、という問題にも繋がっているとも言えるでしょう。 日本語の乱れはネットの中でも多く見られます。 「うるおぼえ」「ご教授ください」「ふいんき」のように「音を誤認したもの」から「びんせんを図る(どうやら便宜を図る)」のような誤読系のもの、「ゆう」のように漫画表現などに影響されたものまで多種多様です。 気持ち悪さは理解出来ますし「それ、正しくないよ」と言えれば良いのですが、指摘する側が必ずしも「正しい日本語」を使っていないという現状も認識しなければならないので難しいと私は感じております。
補足
適切な御回答に感謝し、この項目は締め切らせていただきます。有難うございました。
お礼
ANo.#4さんの敬語の変遷についての系統的に、明快に 論及しているのに敬服しました。 「言語が使われている限り必然的に起こるものであり、進化の過程といえます。(余談ですが死語になったラテン語は「単語の用法・意味が変わることがないから」という理由で学名に採用されました) これを読むと、最近の"乱れ”に対し別な見方ができるようになります。本当に目から鱗でした。ぜひぜひ読んでみてください」~共鳴するところ大なるものがありました。ご教示有難うございました。
補足
御回答に感謝し、この項目は締め切らせていただきます。有難うございました。