ロシアの軍事行政組織について質問です。

質問

ロシアの軍事行政組織の単位と『総局』という組織について質問です。
Wikipediaのロシア連邦の「ロシア国防省」を閲覧している際、よく『局』や『総局』を見かけるのですが、ここで以下の質問です。

１．ロシア連邦の軍事行政組織「ロシア国防省」には、なぜ『総局』や『局』が付いているのに、その他の省庁には、『総局』が付いていない。
なぜ「ロシア国防省」だけ、『総局』が付いていることが多いのでしょうか？

２．それと、昔存在していたロシア帝国の「軍事省」という軍事行政組織にも、総局が付いているのですが、ここで質問です。
ロシアの軍事行政組織のように、省内部に『総局』を設ける場合、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか？

３．ロシアの軍事行政組織のように、省内部に『総局』を設けているのは、世界から観れば少数でしょうか？

回答No.1

HAL2（@HALTWO） · ベストアンサー

Russia は USSR (Union of Soviet Socialist Republics) の頃からの連邦制国家です。
つまり Russia 軍と言うと連邦共和国の一員である Russia 共和国の Russia 共和国軍と Russia 国以外の (例えば Crimea 共和国や Ural 共和国) 軍隊も含む Russia 連邦軍とでは軍組織が異なります。

米国 (United States of America) も一種の連邦制である合衆国 (State が Unite された国家) ですので国軍と州軍がありますよね。
これらを統合するために国防総省 (United States Department of Defense：通称 DoD または The Pentagon) が存在します。
また警察機構も各州で独立していますので、New York 警察は New Jersey に越境して犯人を追う事ができず、FBI (Federal Bureau of Investigation：連邦捜査局) が New Jersey 警察を使って犯人を追う事になります。

Russia は連邦管区と呼ばれる共和国連邦の中に更に共和国や自治州が存在し、例えば極東管区の中には Buryat (ブリヤート) 共和国や Judea (ユダヤ) 自治州、Sakhalin (サハリン) 州、Khabarovsk (ハバロフスク) 地方といった異なる国家や行政区が存在します。

そのため軍の組織も米国の国軍と州軍のような単純なものではなく、軍なんだか警察なんだかよく判らない組織に至るまで様々な治安組織が存在しますので、そうした異なる組織を結んで連邦軍としてまとめ上げる部局が必要であり、それが総局なのでしょうね。

Russia 共和国は Russia 連邦共和国の中でも中心の共和国ですから Russia 共和国軍務局とは別に Russia 連邦共和国軍務総局が存在するのでしょうが、Crimea 共和国や Ural 共和国には軍務総局なんてないでしょうね。
人口 16 万人の Judea 自治州に至っては警察はあっても軍なんて要らないでしょう(^^;)。……名前こそ Judea (ユダヤ) 自治州になっていますが Jews (ユダヤ人) はもはや 2 千人もいないようですし……。

日本も警視庁と警察庁という組織名が残っていますが、警視庁は単なる東京都警であって千葉県警や北海道警となんら変わるこのではなく、警察庁が日本国の警察監督庁です。

幸いにも日本は全国津々浦々まで日本という国の意識でまとまっているのですが、Russia 連邦共和国は中央の Russia 共和国が全連邦を専制しているだけで、地方の連邦国にとっては中央 Russia なんて「外国」でしょうね(^^;)。
そのため (実質的には Russia 共和国軍なのですが) 連邦軍として対外戦争 (連邦内の対反抗国家制圧も含む) を行うためには連邦国家群を跨ぐ最高軍事指導機関として軍務総局が必要となります。

Demerit としては文化慣習の異なる民族集団を跨ぐ軍事指導機関なんて民主的な Bottom-up 組織にしてしまっては何時まで時間をかけても何一つ作戦を立てられずに会議が踊るだけになってしまうことで、専制的な Top-down 組織でなければ成り立たない事です。
米国も国防総省は米軍 8 武官組織中 5 軍を直接配下に収めて大統領府 (The White House) 直結の軍事組織となっています。

連邦制、部族共和制を採らざるを得ない多民族国家では各行政集団の軍事組織を統轄する軍務総局が中央政府に必要となるでしょうが、単一民族国家や単一行政 (共産党一党支配国や王制等) 国家では命令系統が統一されているでしょうから不要でしょうね。