「トロイの木馬」戦術
何故、誰一人異を唱えなかったのですか?
選挙民を欺くも恬として恥じないとは、政治家として、というより、人間として、失格ではないかと思われるのですが…
〖補足〗
有田芳生
「具体的情勢の具体的分析」が必要だということは、時代が流動化しているときにはとくに注意しなければなりません。「昨日は正しかったスローガンでも情況が変われば今日は変わる」ということでもあります。民進党が希望の党に入ることが両院議員総会で決まったときには、公然とは口にしなかったことですが、「トロイの木馬」のように、多数になるであろう自分達の政策を進めていくという暗黙の合意があったのです。なぜなら民進党の政策を希望の党が「丸のみする」と理解されていたからです。選挙戦を闘えば、当選者は圧倒的に民進党出身者が予想されました。全候補者が合流するとの前提だったからです。これが9月28日のことでした。しかし「トロイの木馬」戦術は一夜にして意味を失いました。
前原代表は衆議院候補者全員を希望の党が受入れる交渉をすると強調しました。私達はその交渉を一任しただけのことです。報道では「満場一致」などとありましたが、正確ではありません。「拍手で確認」であって、ましてや小池代表が理解する憲法や安保問題で「一致」したわけでは「さらさらありません」。参議院議員総会でこの構想を危惧した私は拍手もしませんでした。しかし民進党の政策で総選挙に勝つことができるなら、安倍退陣は確実になる。ここは前原執行部を信頼して進むしかない。そう判断したのです。
希望の党の理念と政策で候補者を選別することなども前原代表の説明とはまったく異なります。衆院選挙は10日に告示されます。小池代表サイドによる選別など冗談ではない。そう判断した候補者は無所属で闘う決意を固めました。しかし無所属では比例復活がありません。ここは希望の党に移籍することを望んだものの公認をえられない候補者、無所属で闘う決断をした候補者は「民進党」の旗を掲げることができるようにするべきです。前原提案の前提は崩れました。再度の両院議員総会を求める声が出ています。規約では3分の1の議員の要求があれば、執行部は会議を招集しなければなりません。
希望の党の公認名簿が漏れはじめています。そこでは民進党の中心メンバーが排除されています。前原代表は昨日の会議で「怪文書」だと言いましたが、どうもそうではないようです。第二次公認発表まで待っても公認されていないなら、選挙戦へのバスは出発し、乗れなかった候補者は無所属で闘うしかありません。もし前原執行部が民進党での立候補を認めないのなら、新党構想は一気に具体化するでしょう。この週はじめが「すべて」の勝負です。(2017/10/1)