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ローマクラブ
グローバル化の波のせいで世界が狭く感じるようになりました。そろそろ、ローマクラブの「成長の限界」のように経済的にはもう成長の余地がないのでしょうか?
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ローマクラブが成長の限界を指摘したのは情報革命以前の話で、情報社会になった現在では成長の限界は情報技術で克服出来るのがわかったようですが、どちらにしても、日本の経済停滞は失政が原因で、成長の限界とは無関係だと思います。 成長の限界をわかりやすく言いますと、たとえば、カメラで写真を撮って大量に残して行くとします。10万枚の写真を撮って残すとすると、フィルムカメラではフィルム現像代と印画紙への焼き付け代を含めて1枚が80円ぐらいかかりますから、10万枚では800万円かかる計算になります。 もちろん、印画紙の製造に必要な木材も大量に必要とします。個人が支出出来る費用の限界もあります。800万円という大金を出して10万枚の写真を手に入れても、それを保管する場所が必要ですし、保管維持費用も必要になります。 もし、誰もが10万枚の写真を保管するようになったら、木材資源の枯渇などに拍車をかけるので、地球環境が維持出来なくなり、実現出来ないと考えるのが成長の限界ということになるでしょう。 ところが、情報技術が普及した現在では、デジカメで10万枚の写真を撮るのは、それほど難しくありません。何年かかかるでしょうし、デジカメを2~3台買い替えなければならないでしょうが、10万枚の写真を撮って保管するとしても、BD-Rが20枚ぐらいあれば十分で、僅か4000円ぐらいの費用で足りますし、保管場所も机か、本棚の片隅ぐらいの狭い面積で十分です。森林資源の枯渇に繋がるような問題も起こりません。 地球環境という側面から見れば、情報量に関する限り、資源の浪費は大幅に抑えられたわけですが、同時に起こっているのは、従来ならば莫大な投資が必要だったものが失われたことです。 たとえば、先に書いた写真撮影と保管に必要とされた800万円は4000円しか必要とされなくなり、その差額が経済的な影を落としてデフレ経済を引き起こす結果になるわけです。 これは写真に限らず、書籍、DVD、テレビ放送など、全てのマスメディアに影響する問題で、出版不況、視聴率不振を引き起こす原因になっています。 大量の情報を保管する場所が必要無くなったので、大型住宅の需要が減少し、住宅建設にも影響を与えています。 地球環境問題から指摘された成長の限界は回避出来たかもしれませんが、デフレ経済が原因の成長の限界が新たな問題になっているようです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 そうですね。論文が発表されたのが1960年代ですから、約半世紀は過ぎていますね。何とか技術革新で成長の限界を乗り越えてきたわけですが、デフレ経済が成長の限界の新しい問題になっているんですね。