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アメリカの連邦政府の権限拡大の理由。
アメリカの連邦政府は時代がくだるにつれて州政府より権限が拡大してきていると本のかかれていましたが、 これは本当でしょうか? ご意見、お願いします。 またそうである理由、そうでない理由も聞かせてください。
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私は米国史の専門家じゃないのですが、やはりおっしゃる通りだと思います。 むしろ初期の連邦政府の権限が極端に小さかった、という方が近いかもしれません。 アメリカという国は植民地時代のイギリスの支配に対するアンチテーゼとして起きた国なので、伝統的に国家権力そのものに対する不信感や嫌悪感が強いんです。 州でできる事は州で、市でできる事は市でやりたがるお国柄のようで、建国当初なんて各州の反対で通貨の発行さえ思うようにできなかったくらいです。 よほどみんな連邦政府が嫌いだったようですね。 それが時代の進展にしたがって、普通並みの中央集権国家に近づいてきます。 具体的には州が組織されていないフロンティアの管理は連邦の管轄ですし(保安官のワイアット=アープも連邦職員です)、 郵便制度や鉄道網の整備くらいはしないといけない。 交通が便利になれば州の範囲を越えた警察活動も必要になりますし、 経済が発展して市場が拡大すれば産業政策や景気対策も国家レベルにならざるをえません。 それに何と行っても戦争です。 例えば南北戦争勃発時の連邦軍の総数はわずか2万人弱。第1次大戦でもせいぜい10万人程度でした。やっぱり大きな連邦軍なんていらん、という声が多かった訳ですが、いざ開戦となるとこれが一挙に100倍くらいに膨れ上がる訳です。たちまち巨大な軍官僚機構の誕生です。さすがに戦争は国家の仕事ですからね。 そうこうしていくうちに、こじんまりとした連邦政府が巨大な官僚機構になって来たという具合です。 おおざっぱな説明ですが、概ねこういう経緯だと思って下さい。 まぁ地域社会→地方政権→国家という風に行政の権限が集中してきているのは、どこの国もあまり変わらないとは言えます。日本だってそうですからね。 工業規格や通貨管理なんてすでに世界レベルの行政みたいなもんですし、 これが地球環境問題やら麻薬対策やら宇宙開発やらとなると、もう州政府の独立なんて言っていられないでしょうから、この流れが止まることはないのでしょうね。 それでも今でも、州政府に権限を戻して、連邦政府を縮小しようという政治的な動きは小さくありません。もともと連邦なんて外交と戦争だけやっていればいいのだ!くらいに考える伝統が生きているんでしょうね。
お礼
ありがとうございます。 日本も最近地方の自治権を拡大しようという動きがあるようですが、 「アメリカを見習って」と、単純に考えるわけには行かないようですね。 いずれにしろアメリカの例は日本もとても参考になると強く感じました。