株式交換・株式移転の効果について
初学者レベルの者です。
株式交換・株式移転により、完全子会社となる会社の株主が、対価として完全親会社から株式以外の財産の交付を受ける規定について、「株式交換の場合」では、会社法768条1項2号で、「株式に代わる金銭等を交付」のとおり「金銭等」とあり、一方「株式移転の場合」にあっては、同法773条1項7号で、「株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付」のとおり「当該株式移転設立完全親会社の社債等」とあるように、株式交換・株式移転で、株式に代わって交付するものが、それぞれで、「金銭等」「当該株式移転設立完全親会社の社債等」として異なっているのはどうしてでしょうか。
ご教示よろしくお願いいたします。
(株式会社に発行済株式を取得させる株式交換契約)
第七百六十八条 株式会社が株式交換をする場合において、株式交換完全親会社が株式会社であるときは、株式交換契約において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株式交換をする株式会社(以下この編において「株式交換完全子会社」という。)及び株式会社である株式交換完全親会社(以下この編において「株式交換完全親株式会社」という。)の商号及び住所
二 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の株主に対してその株式に代わる金銭等を交付するときは、当該金銭等についての次に掲げる事項
イ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式であるときは、当該株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式交換完全親株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
ロ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ハ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ニ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのロに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのハに規定する事項
ホ 当該金銭等が株式交換完全親株式会社の株式等以外の財産であるときは、当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法
三 前号に規定する場合には、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社を除く。)に対する同号の金銭等の割当てに関する事項
四 株式交換完全親株式会社が株式交換に際して株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式交換完全親株式会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項
イ 当該株式交換完全親株式会社の新株予約権の交付を受ける株式交換完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式交換契約新株予約権」という。)の内容
ロ 株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式交換完全親株式会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 株式交換契約新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式交換完全親株式会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
五 前号に規定する場合には、株式交換契約新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式交換完全親株式会社の新株予約権の割当てに関する事項
六 株式交換がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)
2 前項に規定する場合において、株式交換完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式交換完全子会社及び株式交換完全親株式会社は、株式交換完全子会社の発行する種類の株式の内容に応じ、同項第三号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
一 ある種類の株式の株主に対して金銭等の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
二 前号に掲げる事項のほか、金銭等の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
3 第一項に規定する場合には、同項第三号に掲げる事項についての定めは、株式交換完全子会社の株主(株式交換完全親株式会社及び前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて金銭等を交付することを内容とするものでなければならない。
(株式移転計画)
第七百七十三条 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、株式移転計画において、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 株式移転により設立する株式会社(以下この編において「株式移転設立完全親会社」という。)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
二 前号に掲げるもののほか、株式移転設立完全親会社の定款で定める事項
三 株式移転設立完全親会社の設立時取締役の氏名
四 次のイからハまでに掲げる場合の区分に応じ、当該イからハまでに定める事項
イ 株式移転設立完全親会社が会計参与設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計参与の氏名又は名称
ロ 株式移転設立完全親会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合 株式移転設立完全親会社の設立時監査役の氏名
ハ 株式移転設立完全親会社が会計監査人設置会社である場合 株式移転設立完全親会社の設立時会計監査人の氏名又は名称
五 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転をする株式会社(以下この編において「株式移転完全子会社」という。)の株主に対して交付するその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法並びに当該株式移転設立完全親会社の資本金及び準備金の額に関する事項
六 株式移転完全子会社の株主に対する前号の株式の割当てに関する事項
七 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の株主に対してその株式に代わる当該株式移転設立完全親会社の社債等を交付するときは、当該社債等についての次に掲げる事項
イ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の社債(新株予約権付社債についてのものを除く。)であるときは、当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
ロ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であるときは、当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 当該社債等が株式移転設立完全親会社の新株予約権付社債であるときは、当該新株予約権付社債についてのイに規定する事項及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についてのロに規定する事項
八 前号に規定する場合には、株式移転完全子会社の株主に対する同号の社債等の割当てに関する事項
九 株式移転設立完全親会社が株式移転に際して株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる当該株式移転設立完全親会社の新株予約権を交付するときは、当該新株予約権についての次に掲げる事項
イ 当該株式移転設立完全親会社の新株予約権の交付を受ける株式移転完全子会社の新株予約権の新株予約権者の有する新株予約権(以下この編において「株式移転計画新株予約権」という。)の内容
ロ 株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対して交付する株式移転設立完全親会社の新株予約権の内容及び数又はその算定方法
ハ 株式移転計画新株予約権が新株予約権付社債に付された新株予約権であるときは、株式移転設立完全親会社が当該新株予約権付社債についての社債に係る債務を承継する旨並びにその承継に係る社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法
十 前号に規定する場合には、株式移転計画新株予約権の新株予約権者に対する同号の株式移転設立完全親会社の新株予約権の割当てに関する事項
2 前項に規定する場合において、株式移転完全子会社が種類株式発行会社であるときは、株式移転完全子会社は、その発行する種類の株式の内容に応じ、同項第六号に掲げる事項として次に掲げる事項を定めることができる。
一 ある種類の株式の株主に対して株式移転設立完全親会社の株式の割当てをしないこととするときは、その旨及び当該株式の種類
二 前号に掲げる事項のほか、株式移転設立完全親会社の株式の割当てについて株式の種類ごとに異なる取扱いを行うこととするときは、その旨及び当該異なる取扱いの内容
3 第一項に規定する場合には、同項第六号に掲げる事項についての定めは、株式移転完全子会社の株主(前項第一号の種類の株式の株主を除く。)の有する株式の数(前項第二号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、各種類の株式の数)に応じて株式移転設立完全親会社の株式を交付することを内容とするものでなければならない。
4 前二項の規定は、第一項第八号に掲げる事項について準用する。この場合において、前二項中「株式移転設立完全親会社の株式」とあるのは、「株式移転設立完全親会社の社債等」と読み替えるものとする。