体の準同型とK自己同型について

このQ&Aのポイント
  • 複数の本でガロア理論について学んでいるのですが、「K自己同型」という言葉の定義が複数あって困っています。
  • K自己同型群とは、K代数であるAからAへのK同型全体の集合のことで、写像の合成により群になります。
  • 一方、体AのK上の自己同型群は、Aの自己同型全体のうち、Kのすべての元を固定する自己同型の集合です。
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体の準同型について

複数の本でガロア理論について学んでいるのですが、 「K自己同型」という言葉の定義が複数あって困っています。 (1)K,Aを体とする。KからAへの準同型があるとき、AをK代数という。 K,A,Bを体、φ:K→A、ψ:K→Bを準同型とし、φ,ψにより、A,BをK代数とみなす。このとき、準同型f:A→Bが、f◦φ=ψという条件を満たすとき、fをK準同型という。K準同型が体の同型のときK同型という。 AがK代数である時、AからAへのK同型全体の集合は写像の合成により群になる。これをK自己同型群といい、Aut_k (A)とかく。 (2)Aを一つの体とする。Aの自己同型全体をAut(A)で表し、自己同型群と呼ぶ。 Aの一つの部分体Kが与えられたとする。σ∈Aut(A)がKのすべての元を固定するとき、σはAのK上の自己同型と呼ばれる。K上の自己同型の全体はAut(A)の部分群をなすので、この部分群をAのK上の自己同型群という。 (2)の定義の方は理解できたのですが、(1)のK代数の扱いがよくわかりません。この二つの定義は本質的には同じことを定義しているのでしょうか。(よろしければ、そうなる理由も書いていただけると嬉しいです。)

noname#206477
noname#206477

質問者が選んだベストアンサー

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  • tmpname
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回答No.1

つまりですね、(2)ではAがKの拡大である(KがAの部分体)の時を考えているのですが、(1)ではAがKの拡大『と見做せる』ときにも定義しようとしているのです。で、こういう「と見做せる」とか、「ラベルの張り替えに過ぎない」とかいうのを扱うのが準同型ということですよね。 そういったつもりで(1)を見てみると、 *先ず 体から体への(環)準同型は単射しかないことを思い出すと、準同型φ:K→Aを以ってKはAの「部分体と見なす」(AはKの拡大と見なす)こととします。同様にBはKの拡大と見なすこととします。こう見なすと、φもψもid_Kとなります(とみなせます)。 或いは、今はA, BがKの拡大体の時を考えていると思ってもいいです。 *この時「準同型f:A→Bが、f◦φ=ψという条件を満す」というのは、φもψもid_Kだったのだから、f○id_K = id_K。結局fのK上の制限がid_Kとなる、つまりfはK上の元は全て固定する、ということと同じです。つまり、(1)は、 「A, BをKの拡大体とする。この時AからBへの準同型fが、Kの元を全て固定するときfをK準同型という」 といっているのと変わらないこととなります。 *そうした時、「AがK代数である時」というのは「AがKの拡大である時」(と見做せる)ということで、「AからAへのK同型」というのは「AからAへの同型で、Kの元を全て固定するもの」ということと同じになります。 *が、繰り返しになりますが(2)は実際にはAはKの拡大体ではないけれども拡大体「とみなせる」場合にもうまく定義しようとしている訳です。

その他の回答 (4)

  • tmpname
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回答No.5

ああ、全然勘違いしてた... そもそも(環)準同型なんだからf(1) = 1を満たないといけないんだから、f:Q∋q→-q∈Cは準同型ではないですね...

noname#206477
質問者

お礼

たしかに、その通りでした... 準同型というもののイメージをさらに深めることができました。 とても丁寧に詳しく解説してくださって、ありがとうございました。 一番最初の回答をベストアンサーにさせていただきます。

  • tmpname
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回答No.4

「同一視する」というののイメージが分からなければ、例えば有理数体Qから実数体Rをコーシー完備化して作ったとき、Qの元qに対し、コーシー列{q,q,q,.......}が含まれる同値類(これはRの元)を対応させることでQ⊂Rと「見なす」とかいうことをやったのを思い出すとよいです。で、今の対応関係は正しくQからRへの準同型です。

  • tmpname
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回答No.3

> たとえば、f:Q∋q→-q∈Cも単射準同型になりうるのではないでしょうか。 そうですが、ここでfを以ってCをQの部分体『と見なす』という意味を考えてみましょう。 つまり、ここでfを以ってCをQの部分体「と見なす」というのは、Qの元xとf(x)とを『(積極的に)同一視するよ!』といっているのです。 今の例で言うと、Qの元qに対し、f(q)=-qに新たに「^q」みたいな『新しいラベル』をつけ、その上でqと^qとは同じものと「見なす」(^qの実体はもとは-qと呼ばれるものだったけど、今は新しいラベルで考える)。 *ラベルを付け替えるのは、f(Q)の元になっているものだけで、それ以外のCの元は必要ない ラベルを(一部)付け替えられたCを改めてC'と書いておけば、C'も体であって(あくまで一部のラベルを付け替えただけ)、その上で、f:Q->C'は id_Qとなっている、という訳です。

  • tmpname
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回答No.2

最後の最後に間違えた... > が、繰り返しになりますが(2)は実際にはAはKの拡大体ではないけれども拡大体「とみなせる」場合にもうまく定義しようとしている訳です。 というのは正しくは「『(1)は』実際にはAはKの拡大体ではないけれども」です。

noname#206477
質問者

お礼

丁寧な解説大変ありがとうございます。概ね理解することができたのですが、2段落目の最後、「φもψもid_Kとなる」部分が理解できませんでした。単射準同型f:K→AによってKがAの中に入っていくイメージはあるのですが、そのfは恒等写像(id_K)しか存在しないのでしょうか。 たとえば、f:Q∋q→-q∈Cも単射準同型になりうるのではないでしょうか。何度もすみませんがよろしくお願い致します。

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