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発電コストについて
東京電力福島第一原発事故によって、原発、火力、水力などの発電コストについて諸説あるのは管見ですが存じております。火力ならタービンを回す重油やガスの市場価格でどれだけ燃やせばこのくらい発電量がある、と想像がつくのですが、原発や水力は今一想像がつきにくいのです。原発なら核燃料棒一本おいくら?それはどのくらいの熱量で何年使えるの?とか、水力は水は雨なのでタダでしょうから、ダムそれ自体の維持管理費や用地買収にかかった費用の減価償却費が発電コストになるのか?などなど、考え出したらキリがありません・・どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、御回答宜しくお願い致します!
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>原発なら核燃料棒一本おいくら? 発表されていないので外部の人間には良く分からないというのが現状です。 ネット等に記載されていますのも、全て推定値に基づいています。 これは、何も原発に限ったことではありません。 個々の自動車の生産コストが外部に発表されたことなど一度もありません。 野菜や米も同じです。 >ダムそれ自体の維持管理費や用地買収にかかった費用の減価償却費が発電コストになるのか?などなど、考え出したらキリがありません お考えになられておられるのは、社内でコントロールが可能ないわゆる内部コストと呼ばれるものです。 水力発電のエネルギー源である水は確かに購入費用は必要ありませんから、原材料コストはゼロと考えられても差し支えはありません。 減価償却費用をお考えのようですが、これは、ダムでも原発でも火力でも同じように発生します。 この減価償却という考え方自体が会計学上の定義であって、実際に現金が支払われている訳ではありません。 極端な言い方をすれば、税制上課せられる税金の金額を算出するために設けられた架空の数値とも言えます。 この金額が大きくなって企業の収支が赤字になれば、所得税等の税を支払わなくても良いというルールになっているだけです。 つまり法制度いかんで変わる数値とお考えください。 発電方式を複数所有していても、販売する電気という商品は同じです。 電気を生産する個々の設備とは無関係に会社全体の費用(人件費、経費etc)が発生します。 これを均一に割り振るのか、設備毎に負担率を変えるのかという会計上のテクニックも含まれます。 これは何も電力会社だけではなく、全ての製造業に共通した問題です。 これ等を大まかに計算して出されたのがNo.1の回答者さんが示された総合資源エネルギー調査会総合部会 第3回会合 の参考資料2-1です。 これに対していろいろな外部団体が計算したものがネット上に無数と言って良いほどあります。 例 ウランとLNGの燃料費試算(『環境問題』を考える)原発は燃料費さえ火力 ... www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/602.html 最近企業のコスト計算は、内部コストだけでいいのかという問題が指摘されて議論されています。 外部コスト、社会的コスト、環境コスト等と呼ばれるものがこれです。 例えば今回の原発事故で発生した住民に対する補償金をどう考えるのかということです。 これを事前に想定して積み立てておいたらどうなるか、という問題が生じます。 税を納め終わって残った利益を積み立てておくのか、税法上余剰金とはせずに減価償却費のように費用として会計処理をするのか(コストとして計算に含むのか)という法制上の問題も含まれています。 同じように装置が使えなくなったら取り壊す必要がありますが、この費用をどうするのかという問題があります。 原発は厄介なことに、安全に壊す方法を誰も知りません。 様子をみながら少しづつやっていく以外に方法がありません。 ビルを壊すように重機でバリバリやったりダイナマイトでボカンという訳にはいきません。 恐ろしく手間と費用が掛かります。 さらに壊したあとに残る廃棄物を処分する方法も知りません 取りあえず、地下に埋めてしまえ、と言ってフィンランドでは地下400mのトンネルを掘りました。 日本ではどこにどうするのか決まっていません。精々仮置き場が決まっている程度です。 なにはともあれこの費用をどうするのかという問題です いずれにせよ商品である電気の販売代金すなわち電気代として回収する必要があります。 言い換えると消費者が負担するということです。 やたらメッタラ値上げをされてはかないませんので、国民の間で原発ってホントに安いのということが議論されるようになりました。 おそらくご質問も、この辺の議論を踏まえておられのではありませんでしょうか。 ご質問の御期待には副えませんでしたが、議論が難しいという点をご理解願います。 蛇足 原発も火力発電も原理は同じです。 お湯を沸かしてできたスチームで発電機を回しています。 違いは火でお湯を沸かすのか核反応で沸かすかの違いだけです。 この部分が違うだけで後の装置は同じです。
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- Energie
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発電コストは発電経費を発電電力量で割った値です。 発電経費は大きく固定費と変動費に分けれらます。 発電コスト=(固定費+変動費)/発電電力量 (円/kwh) 固定費は発電電力量にかかわらずかかる経費で、おもに発電所の建設費です。 変動費は発電電力量に比例する経費で、おもに燃料費になります。 核燃料は経理上、固定費とされています。発電中にウランがプルトニウムに転換されます。再処理によって最初のウラン以上のエネルギーが得られるという前提があるからです。 火力発電所の場合は、発電コストに占める変動費(燃料費)の割合が高いので、大ざっぱな計算は可能です。 例として、原油を燃料とする火力発電所の発電コストを計算してみます。 原油価格を1リットル当たり60円とします。(1バーレル約$80) 1リットル当たりの熱量を38MJ、発電効率40%とすると、1リットルで発電できる電力量は 38,000*0.4/3600=4.2(kWh)です。 したがって、発電コスト(燃料費だけ)は 60/4.2=14.3円/kWhとなります。 固定費は各発電所毎に大きくちがいます。新しい発電所はまだ償却していないので、固定費がかかりますが、古い発電所は償却が済んでいて固定費が少なくて済みます。 また、スケールメリットが大きく効いてい来るので大規模発電所のほうが安くなるということもあります。 水力発電所や原子力発電所は変動費が少ないので、稼働率がコストに大きく影響してきます。 稼働率が低いと発電電力量が少なくなりますが、固定費は常にかかるためです。 以上からわかるように発電コストは常に変化するもので、発電種別ごとに固定的に考えることはできません。
お礼
原発の燃料費が固定費になっている、というのは初耳でした!有り難う御座います!
- hg3
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既に、同様の回答が出ていますので、繰り返しになるかもしれませんが、一応説明します。 >火力ならタービンを回す重油やガスの市場価格でどれだけ燃やせば >このくらい発電量がある、と想像がつく これは、発電コストの内、燃料費の部分だけです。 発電コストは、燃料費の他、人件費や設備の維持補修にかかる費用(運転維持費)、減価償却費(資本費)なども考えないといけません。 水力発電をはじめ、風力、太陽光などの発電コストは、燃料費は0で、運転維持費と資本費のみと考えれば良いのです。 また、原発の場合も燃料費はほぼ0とみなせますので、運転維持費と資本費が大部分を占めるというこです。また原発の場合、これとは別に事故対応の費用を加味して考えるかどうかという議論もあります。 運転維持費と資本費は、発電しようがしまいが、ほとんど変わらない費用ですから、昼も夜も常に発電できる原子力や火力は発電量当たりの単価は小さくなります。 一方、水力発、風力、太陽光は、同じ建設費でも発電出力が小さく、また、天候によって発電できたりできなかったりするため、発電量当たりの単価は大きくなるのです。 こうした費用が具体的にどのくらいかは、国が行ったコスト等検証委員会の報告書に詳しく記載されていますので、ご確認下さい。 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy09/pdf/20111221/hokoku.pdf (63ページが分かりやすいでしょう。)
お礼
基礎認識を教えて頂き有り難う御座います!
- iwashi01
- ベストアンサー率17% (187/1051)
発電コストを、廃棄物処理のコストまで含めて考えるなら、 原発については「わからない」としかいえないでしょう 確実な処理方法は見つかってないんですから、値段も算定しようがない 10万年後まで管理し続けると考えただけで、ケタはずれと想像できる 80キロ圏内立ち入り禁止などとしてしまえば、放置ってのもありうるのでしょうかね? 他の発電は、原料の調達コストと、施設の維持管理コストだけでよさそうなんですが
お礼
確かに半減期までの廃棄物管理費用まで考えたらきりがないですよね…
- dragon-man
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どんな発電方式でも、現在の電力料金は積み上げ方式で決められています。積み上げには設備投資の償却、ランニングコスト(主に燃料代、人件費、管理費)、利益が含まれます。原発などの設備投資回収には廃炉費用も含まれます。水力の燃料代はかかりませんが、発電量に比較した設備投資額が、原発などよりはるかに大きいです。原子燃料のコストは火力燃料のコストよりはるかに低いです。原発に関しては福島のような異常状態の廃炉費用までは加算されていません。もし加算されたら、電気料金は今の倍ぐらいになるでしょう。
お礼
積み上げ方式でそのまんま電気代として認可を得るのが、電力会社の常識なんでしょうか?コスト削減意識が彼等にあるとは思えませんね…回答有り難う御座いました!
- ootemon
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発電コストが一番安いとかいわれてましたけど実際そうでもないみたいですね。 http://www.shins.com/nuclear/nuclear0140.html http://www.47news.jp/47topics/e/257032.php
原発は最悪の事態も想定しなければならずその費用は天文学的じゃね。 (´・ω・`)保険はきかないだろうし。
- aokii
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お礼
コストといっても、色んな基準や認識が必要なんですね!丁寧に解説頂き感謝です!