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秀吉の明国 制圧について

eroero4649の回答

  • eroero4649
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回答No.6

>いつも秀吉の思いつきの様に描かれていますが、これも事実なのでしょうか? それはないです。ドラマだから、視聴者に分かりやすくしないといけないからそうしているだけです。 なぜ秀吉は朝鮮出兵を命じたのか。それには諸説ありますが、単独の理由はなく、複合的な理由が合わさって政治的妥協の末にそうなったのが実情だと思います。 ひとつは、豊臣カンパニーというのは成長し続けないといけない宿命にあったというのがあると思います。 かつてホリエモンに率いられていた頃のライブドアは「株価時価総額世界一を目指す」と公言していました。そのためにやっていたことは、株式を分割して発行することで株式市場で資金を得て、そのお金でどこかの企業を買収してライブドアグループを大きくしてそれで株価を上昇させ、その株式を分割して・・・というやり方でした。 しかしこの手法には2つの大きな問題があります。ひとつは「株価が上昇し続けてくれないといけないこと」、もうひとつは「いつまでもこの方法を続けないといけないこと」です。ライブドアはずーっと株主無配当で、時々株主から配当金を出すように求められていたのですが、ホリエモンは常に「株価が上昇しているから配当と同じことだ」といって突っぱねていました。 ホリエモンのライブドアは東京地検による捜査を受けて政治的な思惑によって潰されました。ちょっと話が横道にそれますが、それによってかえってホリエモンは社会的地位が守られたと思います。というのも、ライブドア事件の後にあのリーマンショックが起きています。リーマンショックで株価が暴落すればライブドアのビジネスモデルは破綻するのは明らかで、そうなれば彼は明らかに自滅していたでしょう。「国に潰された」という名目を得て、彼は名誉を守ったのではないかと思います。 話しが横道にそれてしまいました。豊臣政権というのも、このライブドアのように「成長し続けて、家臣に土地を与え続けないといけない」という宿命がありました。あの当時のライブドアが名目上でも成長し続けないと株価が維持できないシステムになっていたように、豊臣政権も成長し続けないと家臣や大名たちの支持を維持できないという宿命がありました。それは日本史上空前絶後の成り上がり者で、血族も譜代の家臣団も持たない「カリスマ会長頼み」の哀しさでもあったと思います。秀吉の不幸は一族にロクなやつがいなかったことです。みんな農民出身の田舎のヤンキーみたいな人たちばかりで、弟の秀長だけが突出して優秀でした。ブレーンが秀長頼みだったのです。だから秀長が死去すると豊臣政権はガタガタになります。福島正則や加藤清正らの武断派と石田三成らの文治派の対立はのっぴきならないものになるし、秀次事件や利休の粛清などが起きて、豊臣政権は自滅への道を歩み始めます。 また、当時は戦場で一時雇用されるような武士が大勢いました。なんていうのかな、フリーター武士ですね。合戦のときだけ雇われる人たちです。映画「七人の侍」に出てくる武士たちだといえば分かりやすいですかね。 どこの大名も合戦のときだけそういう武士を大量に雇ったのです。だけど、平和に天下統一となるとそのフリーター武士たちが大量失業してしまいます。困ったことに、彼らは武器を持ってるだけじゃなくて戦いの大ベテランです。元傭兵がそこらじゅうに銃を肩に担いだままウロチョロされたら大変ですよね。失業したやつがテロでも起こしたら収拾がつかなくなります。 これは後の徳川政権も直面した問題で、徳川政権はこれをどうやって解決したのかというと、ひとつは大阪の陣で、失業フリーター武士、つまり浪人が豊臣方に大量に雇われ、敗北したことによってかなり数は減らされました。この中には例の真田幸村のようなスター級も混じっていました。 もうひとつが、島原の乱でした。島原でキリシタンが蜂起するという噂を聞いて、失業武士つまり浪人が続々と島原に集まったんですね。で、江戸幕府はあえてそれを止めようとしなかったのです。元傭兵の不満分子ですから、できればそれは一網打尽にしたい。あえて彼らを島原に集結させて一気に片付けようとしたんですね。 しかし彼らは戦場の大ベテランですから、幕府軍は大変に苦戦を強いられることになりました。 この大阪の陣と島原の乱でほぼ失業フリーター武士問題は解決しましたが、それでもその後に由井正雪の乱なんかが起きていたわけで、この由井正雪の乱も失業武士たちによる蜂起計画で、その中の丸橋忠弥なんてのは「俺ァ元薩摩藩主の長宗我部盛親の息子だ。世が世ならお殿様でェ」なんて名乗っていた、なんて説もあるわけです。それだけ失業武士問題は深刻だったんですね。 ひとつまた話がそれますが、それは明治維新のときも同じで、明治維新のときは幕藩体制を辞めましたから大量の失業武士が出て、彼らが盛んに各地で蜂起したのです。その最大の蜂起が西南戦争で、西南戦争は明治政府にとって「絶対に負けられない戦い」だったんです。田原坂の戦いで政府軍は戦力の逐次投入という悪手をしているのですが、田原坂を突破されたら全国の不満武士が一斉蜂起する可能性があり、政府としては悪手だろうがなんだろうが一時的だったとしても失うことは政治的に許されなかったのです。この戦いには元新撰組隊士なんかも参加していて(しかも政府軍)、もう「なんでもあり」ですよね。 いずれ生まれるであろう「大量の失業武士問題」の解決方法のひとつとして「朝鮮に出兵して兵員が消耗したらどうだろうか」という面はあったのではないかと思います。 なお、人様の回答にけちをつけるのは規約違反ではありますが、フィリピンてスペインの植民地じゃなかったっけ?と申し上げる次第です。アルマダの海戦が1588年、秀吉死去が1598年です。アルマダの海戦以降にスペインがアジアに大艦隊(=大軍)を派遣することは現実的に不可能だったと思います。ただ、「政治的にそういう面もあった」というのはあると思います。 もちろん、私の「武士の失業問題説」も「国内問題のひとつに過ぎない」という指摘もあると思います。どちらにしても、政権の重大な政策というのは単一の思惑だけでは決まるものではない(様々な立場の人の様々な思惑が絡んでくる)、というのがご理解頂ければと思います。ご静聴、ありがとうございました。

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