運は実力のうち？実力って何？

質問

• 運が実力の一部であるかについて考える
• 運があることと実力があることは違うのか
• 運と実力の関係について考える

回答No.5

noname#227653 · ベストアンサー

言葉の意味というのはその言葉が一般的にどう使われるかによって決まります。

そこでまず「実力」という言葉が一般的にどう使われるか考えてみます。ただしここでは個人の実力についてのみ考えます（集団まで含めると話が広がりすぎるからです）。
すると「新入幕力士が実力者の○○に挑戦します」「あいつには実力ではかなわないから何か策を練らなくちゃ」「実力なら○○が一番だが、人望があるのは△△だ。彼をキャプテンにしよう」「この店で修行して実力をつけたら自分の店を持ちたい」などの例が考えられますね。勝負事に勝ったり、好成績を収めたり、仕事で成功したりするために必要な能力を実力と呼ぶのでしょう。そしてそれは大抵の場合、持ち前の才能に努力や経験で身につけた技術や力、知識などが加わったものを呼ぶのだと思います。だから一般的に顔を「実力」とは呼びません。顔がいいことを「才能」とは一般には言わないし、顔がいいことには努力も無関係だからです。
あれこれ理屈をつけて「顔だって実力のうちではないか」と主張することはできますが、最初に書いたように言葉の意味はその言葉の一般的な使われ方によって決まるのであり、一般的には顔がいいだけで「実力がある」とは言わないということです。

一方、「運」というのはその人の意志とは無関係に起こることです。だから顔がいいのも運だし、筋肉がつきやすい体質も運だし、一生愛しあえる伴侶との出会いも運だし、麻雀で配牌がいいのも運です。これは実力とは関係ないので、実力が運を呼び込むなどということはありません。いくら麻雀の実力が上がっても配牌がよくなることはないのです。

というわけで運と実力というのは別物ですから、本来「運も実力のうち」ということはあり得ないのですが、しかしこれは一般的に使われる言葉です。ではどういう場面で使われるでしょうか。
それは例えば入学試験のために勉強をし、なんとか合格できそうなところまで実力をつけた受験生が、本番で一問だけカンで書いた答えがあっていて合格できた、というような場合に使われます。
カンで書いた答えがあっていたのは「運」がよかったわけですが、この問題以外に「実力」で正解を出せた問題がたくさんあったから、それに「運」で得た点をプラスして合格ラインを超えたのです。誰にだって一問や二問、「運」で得点できた問題はあるでしょうが、その人は合格ラインに近づく程度の「実力」を努力して身につけたから合格できたのであり、そういうときは「運」で取れた点も含めて「実力」で合格したと考えていいよ、という意味で「運も実力のうち」という言葉が使われるのです。

というわけで、実力を身につけた人が多少の幸運もあって何かに成功したり利益を得たりした場合に、多少の幸運はあったとしても、自分は実力で成功したり利益を得たりしたのだと考えていいのだ、というのが「運も実力のうち」の意味です。

お礼

とても丁寧でわかりやすく、納得できる回答です。
本当にすっきりしました。まさに、この通りですね。
実力とは何か、もわかり
運は実力のうち、という言葉の意味もよくわかりました。
本当に、ありがとうございました！！