• ベストアンサー
※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:原子量にはなぜ単位を付けないのか?)

原子量に単位を付けない理由とは?

101325の回答

  • 101325
  • ベストアンサー率80% (495/617)
回答No.6

> 私の疑問は、なぜ原子量や分子量だけを特別扱いして、単位を付けないのか、という点です。 私も以前から疑問に思っていることなのですけど、納得できる説明はいまだ見たことがないです。 初学者に対しては、「歴史的な理由により単位をつけない」という説明で十分だと思います。(原子量が質量であるとするなら)現代的な視点からは単位を付けるのが当然なんですけど、「単位?なにそれ?おいしいの?」という時代から200年の間ずっと原子量には単位がなくて、皆がそれに慣れているから今も付けていないだけ、というのが、少しレベルの低い回答になります。 以下は、少しレベルの高い回答になります。少しレベルが高いので、物質量が何かを知らない人向けの説明には使えないと思います。 > 原子量などは、明らかに質量なのですから、それ相当の単位をつけるべきである、と私は考えます。 IUPACの定義によれば http://dx.doi.org/10.1351/goldbook.R05258 原子の質量を統一原子質量単位 u で割ったものが原子量です。ですので、この定義に従えば、原子量は「明らかに質量」といえるでしょう。となると問題は、なぜわざわざ u で割るのか?ということだと思います。 わたしの考えでは、わざわざ u で割るのは「化学者の多くは原子量を質量だとは考えていないから」です。 原子の質量を u で割ったものは、その原子のモル当たりのグラム数、になります(モル当たりの質量ではないことに注意)。原子量に g/mol を掛けたものが、単位物質量当たりの質量、すなわちモル質量になります。単位体積当たりの質量のことを密度といいますけど、これは[質量/体積]の次元を持つ、質量とは異なる量になります。まったく同じ理屈で、モル質量は[質量/物質量]の次元を持つ、質量とは異なる量になります。IUPACの定義によれば「原子量は原子の質量を u で割ったもの」なのですけど、多くの化学の現場では「原子量(や分子量や式量)はモル質量を g/mol で割ったもの」なので、「化学者の多くは原子量を質量だとは考えていない」ということになります。 > 以前には、「原子質量単位」という名の単位を付けていたこともあったように思います。 記憶違いだと思います。ウィキペディアで確認されたと思いますが、Daもamuもuも原子量の単位ではありません。 > なぜ、そのようにしないのかについて、納得できる説明があれば、よろしくお願いします。 原子量は質量であってそれ以外の何者でもない、と考えるなら、わざわざ u で割る意味が分かりません。原子量をモル質量としても使いたいから、u で割ることで、原子量を質量でもモル質量でもない単なる数にしているんじゃないかなあ、というのが私の考えです。つまり原子量に  (原子の質量)=(原子量)×u  (原子のモル質量)=(原子量)×g/mol という二つの意味を持たせたいがために、ちょっと変則的な定義になっているのではないかと。 > 銅の原子量を 63.546(3) g・mol-1 と表記するのは、原子量の現在の定義からして正しくないと思います。 はい。もちろん正しくないです。「原子量(や分子量や式量)はモル質量を g/mol で割ったもの」だからといって、  (原子のモル質量)=(原子量) として良いということではないです。銅の原子量を 63.546(3) u と表記するのが、原子量の現在の定義からして正しくないのと同じです。ただ、初学者の人にあまりこういうことをうるさくいうと、化学が嫌いになってしまう恐れがありますので、気をつけてください。 > 原子量という言葉の定義を、「原子1個の質量を統一原子質量単位を単位に用いて表したもの」、とすれば、もっとこの部分の内容が分かりやすく説明できると思うのです。 質問者さんは初学者の人ではないと思うので、うるさいことをいいますが 「原子1個の質量を統一原子質量単位を単位に用いて表したもの」ではなくて 「原子1個の質量と統一原子質量単位の比」か 「原子1個の質量を統一原子質量単位で割ったもの」か 「原子1個の質量を統一原子質量単位を単位に用いて表したときの数字(または数値)の部分」ですね。 最後に、くどいようですが、原子量には「モル質量を g/mol で割ったもの」という隠れた意味がある、というのは、あくまでも私の個人的な考えです。IUPACの公式文書に基づいた説明ではありません。こういう考え方もある、という程度に受け取っていただければと思います。

matelin
質問者

お礼

親切なご回答をいただき、ありがとうございました。あなたの記述を読ませていただき、いろいろ配慮・気遣いをしていただいていることを知り、恐縮に思います。 《以前には、「原子質量単位」という名の単位を付けていたこともあったように思います。》は、ご指摘の通り、言い間違いでした。 私が高校の時に原子質量単位(u)という言葉が物理の授業で出てきていた、ということでした。私が高校で使った物理教科書(1969年発行、東京書籍)を改めて調べたら、次の記述を見つけました。 「原子や分子の質量はふつう原子質量単位(記号u)で表す。1u=1.660×10^(-24)g。原子質量単位で測った原子の質量を表す数値を原子量、分子の質量を表す数値を分子量という。」 現行の高校物理教科書(東京書籍)にも同じ記述があります。 「原子の質量は。質量数が12である炭素原子1個の質量の1/12を基準単位として測ることがある。これを原子質量単位と呼ぶ。記号はuであり、1u=1.660×10^(-27)kg である。原子の質量と原子質量単位(1u)の比で定義される量を原子量という。また、アボガドロ定数は1モルの原子の総数に等しいので、1モルの原子の質量は、グラム単位で表した原子量の数値に等しい。」    この説明には相対質量と言う考え方は後半でちらっと出てくるだけです。 私はこの説明は大変自然で分かりやすいと思います。 しかし、高校化学の授業では「原子質量単位u」という言葉は一切出てこなかったし、現在の高校化学の教科書にも出てこないようです。化学専門の高校の先生に尋ねてみましたが、何人かの先生は原子質量単位というものをご存じなく、化学の授業でそれを教えたことがないと、口をそろえておっしゃいます。 「統一原子質量単位u」は物理では当たり前のように出てくるのに、化学では出てこない、ということから、私はかつてのアトミスティークとエネルゲティークとの対立を思い出しました。19世紀末にはまだ原子の姿を写真で見せることは出来ませんでした。エネルゲティーク派は原子を架空の概念として化学現象の説明に使うことに反対しました。アトミスティーク派は積極的に原子の振舞として物質現象を説明する理論を発展させたのでした。 化学者が統一原子質量単位を軽んじるのは、キログラム原器は現に存在しているが、統一原子質量単位原器は作れていない、ということにこだわっているのではないか、とも想像したりします。確かに統一原子質量単位は概念上のものでしかないと思います。しかし、統一原子質量単位は、物理学者にとっては十分確実な概念なので、それを元にして理論を構成するのに対して、化学者は現象として知覚できないものには信用を置かない傾向があるのでしょうか。 それとも物理では原子1個の振る舞いもまともに問題とするのに対して、化学では主に多数の原子たちの振る舞いを扱う、ということにもその根があるのでしょうか。 私は高校の理科教師として物理も化学も教えます。なので、同じ内容を物理的に展開したり、化学的に展開したり、の使い分けは無用な気遣いに思え、ここで話題にした次第です。

matelin
質問者

補足

> 「原子量には、モル質量を g/mol で割ったもの、という隠れた意味がある。」 あなたの上の考えの説明は興味深く読ませていただきましたが、曖昧な説明であるとの印象を否めません。しかし、私たちが化学操作で扱う対象はほとんどがモルのオーダーの量の物質であり、私たちがその操作から確認できる関係も、モルのオーダーの諸物質の関係である、ということと、理論的にその化学反応を考える時、まず原子の世界で何が起こっているのか、を考えて、その原子の世界で起こっていることと私たちが直接知覚するモルのオーダーの諸物質の関係とを結びつける所に本質的な問題があるのではないか。ということは私も思います。

関連するQ&A

  • 原子量・相対質量

    原子量・相対質量の意味がいまいち分かりません。なんとなくやっていて困らないのですが気持ち悪いので教えてください。 まず原子量=相対質量ですよね。それでこれは基準を質量数12の炭素を12として決めたのですよね。それでこれ以外のもの(抽象的な意味での炭素、アルゴン、酸素、ケイ素などほかの全てのもの)は同位体の質量数と生存比から出すのですよね。 つまり、基本的に質量数で決まると考えてよいのでしょうか。ただし、生存比が偏っていると正確でないので同位体がある物質は調整すると言うことなのでしょうか。 このように理解していて問題ないでしょうか。 P.S. ちなみに、同位体(と言う原子)がない元素はあるのでしょうか。 お願いします。

  • 原子量・分子量が無名数(単位がなく数値だけ)の理由は?

    基本的なことですが、原子量、分子量、式量が無名数である理由を教えてください。 「12Cの質量の1/12との比だから」とよく説明されますが、固定量との比は、その固定量を単位とする量であるはずです(たとえば、質量10kgはキログラム原器との比で10倍の意味で、無名数ではありません)。しかも、12Cの1/12には原子質量単位(amu)という名前があります。 「原子量・分子量・式量に単位 g/molをつけたものをモル質量という」 「1 mol の質量は原子量・分子量・式量にグラムをつけたものに等しい」 「分子量は比だから無名数だが、単位D(ダルトン)は12Cの12/1を1 D とする質量の単位である」 こうした説明も見ますが(私も人にはそう説明しますが)、これらは単位の整合性に欠ける表現です。無名数だが計算のときは単位 g/mol があると見なせ、というのは不自然です。 ただ、無名数であるには、別の理論的な理由、歴史的な経緯、化学界の習慣、無名数にしておいたほうが便利といった事情があるのかもしれません。学術面、教育面のどちらでも結構ですのでご回答いただければ幸いです。

  • 原子量について教えてください

    自然界の元素には相対質量が異なる同位体が存在するものが多く、それぞれの存在比は決まっていて、各元素の同位体の相対質量の存在比から求められる平均値を、元素の原子量といいますが この平均値というのがよくわかりません。 平均値とは観測されるデータから、その散らばり具合を "平らに均(なら)して" 得られる、統計的な指標ですが 一体なにを平均にしているのですか? 各元素の同位体の相対質量の存在比から求められる平均値ではなく 各元素の同位体の相対質量の存在比から求められる値いってもよいきがするのですが とりあえず何を平均しているのか教えてください

  • 元素の原子量の求め方を教えてください

    (1)銅には、<63>Cu(相対質量63、存在比70%)と<65>Cu(相対質量65,相対比30%)の同位体があるとして、銅の原子量を少数第1位まで求める (2)自然界に存在するホウ素は<10>Bが19.6%、<11>Bが80.4%の同位体の混合物である。<10>Bの相対質量を10.0、<11>Bの相対質量を11.0として、自然界に存在するホウ素の原子量を少数第1位まで求める

  • 原子量を求める計算の定理

    高1です。 各元素の同位体の相対質量の【平均値】が原子量ということですが、 原子量=(相対質量x存在比/100)+(相対質量+存在比/100) なぜこのような計算になるのかがわかりません。 難しい質問かもしれないですが、お願いします。

  • 分子量

    原子量は「その元素の同位体の相対質量と存在比をかけたものをすべての同位体の分足したもの」ですが、分子量も同じように「相対質量×存在比を考えられる同位体の組み合わせの分すべてたしたもの」とすべきですか?

  • 相対質量から原子量を求めるときの有効数字

    高校の化学Iの問題で 『塩素の同位体とその存在比は質量数35の塩素原子が75.8%、質量数37の塩素原子が24.2%で、それぞれの同位体の相対質量は35.0と37.0である。塩素の原子量はいくらか。』 という問題について疑問があります。 まず、自分は有効数字の意味を『測定値として意味のある数値(または有効な数値)』と教科書や参考書などで理解してます。 この問題の解答には、求める原子量が35.5と3桁の有効数字で書かれているのですが。 『各同位体の相対質量が3桁の有効数字で書かれているから、たしかに答えは有効数字3桁で答えればいいよな・・・。あれ?。でも、有効数字って測定値について扱うものだよなー。相対質量は質量の比であって単位がつくものではないから測定値といえないよな・・・?。だったら、なぜ3桁の有効数字で原子量を答えていいんだ?』という疑問が生じました。 この疑問を解決できる方、教えてください。お願いしますm(__)m。 疑問点のみをうまく書きだすことができなかったので、この形式で疑問を書かせてもらいました。疑問点が伝わらない可能性もあるので、そのときは遠慮なく補足くださいm(__)m。

  • 原子量の計算について

    自然界の塩素には、35Clと37Clの2種類の同位体が存在する。35Clの相対質量を35.0存在比を75.0%、37Clの相対質量を37.0、存在比を25.0%として塩素の原子量を少数第一位まで求めよ。

  • 原子量と質量数

    周期表を見ると原子量が書かれている部分に( )書きで質量数が書かれている元素が多くあります。たとえば原子番号88番のRaなど。説明として安定な同位体がなく特有の天然同位体組成を示さない元素についてはその元素の良く知られた同位体の中から1種を選んでその質量数を表示したとあります。原子量は12Cを基準とした相対的質量を表す値、質量数は原子核内の陽子と中性子の数を足したもの。原子量の決め方と原子の質量はほぼ陽子と中性子の質量であることを考えれば原子量と質量数がほぼ同値であるのかと思いますが、そのように受け取ってよいのでしょうか。ちなみに「良く知られた」とは同位体の中でしめる割合が一番高いということなのでしょうか。最近108Hsの質量数が265から269に変わりましたが、「良く知られた」同位体が変わったのでしょうか。非常に悩んでいるのでどなたか教えてください。よろしくお願いいたします。 sakura54

  • 原子量の有効数字の桁数について

    安定同位体の存在比が、一番存在比の多いものでも4桁しかないものでも、原子量は5桁で表示されている場合があるのはなぜでしょうか? 有効数字の計算法がよくわからなくなってきました。 計算するとき、その結果の有効数字は一番有効数字に低いものにあわせるように、教わっています。 ある元素において一番多く存在する安定同位体の存在比の有効数字が3桁であっても、原子量が5桁で表示されている場合があるのはなぜなのでしょうか。 ホウ素は元素の同位体組成表(2010)では質量数11のものが80.1(7)% 質量数10のものが19.9(7)%ですが, 原子量表(2010)では10.811±0.007となっています。(特に2010年が特別というわけではありません。) 存在比は3桁なのに、原子量は5桁です。存在比を括弧部分も含めてで4桁と考えても、5桁目があるのはさらに一桁多く表示したということでしょうか? 炭素も同位体存在比最大の12のものが98.93(8)%(13のものが1.07(8)%)で4桁ですが、原子量は12.0107±0.0008 と6桁です。 通常の高校や大学で教わっていたような有効数字の計算方法では、どう考えても6桁にはできないと思うのですが。 (ナトリウム23は100%の存在比で、原子質量が22.9897692809で原子量も同じ有効数字であることは理解できます。)