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原子量に単位を付けない理由とは?

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回答No.20

■「原子量の単位をめぐって」について 本文を読んでみると、原子量がミクロな量なのかマクロな量なのかについては、三氏の意見は一致しているようですね。 http://ci.nii.ac.jp/naid/110001824350 織田:原子量は正しくは原子質量の相対値であって、一般に原子集団の質量の比といえる。もちろん1個の原子について比較してもよいが、何個の原子でもよいので、同数の原子について比較すれば、同じ数値の原子量が得られる。 内海:m No = M (mは原子の質量(g)、Noはアボガドロ数、Mは原子量(と私は考える))...《中略》...ここでMの数値は1モルの原子集団の質量をグラム単位で表した数値であると同時に、原子1個の質量を原子質量単位で表した数値なのである。 白井:化学で原子量を使うときは1moleの質量として使っている。 三氏とも「分子量はミクロな量であり、同時にマクロな量でもある」と考えていることが分かります。今から50年も前の討論ですから、当たり前のことですけど、昔風の考え方です。 > 内海氏の意見が私と同じもののようです。 そうでしょうか。内海氏は (1個の原子のグラム数)×(アボガドロ数)=(単位なしの原子量) (単位なしの原子量)=(原子1モル当たりのグラム数)=(原子1個の質量/u) という主張をされています。下の式は、原子量に単位を付けない根拠として、#6で私が書いた式と同じですよね。また、この討論の中で氏がMを原子量と呼んでいる箇所はあっても、mを原子量と呼んでいる箇所はないことにもご注意ください。 ■20年前のひとつの試案 モルがSI単位になる前の議論というのは、現代からみるとやはり少し古いかなと思います。こちらは20年前の「化学と教育」誌の記事ですけど、私が読んだ限りでは、現在でもそのまま通用する内容だと思います。質問者さんの授業の参考になれば幸いです。 大川 忠「原子・分子の質量の表し方についての試案」化学と教育 43(6) 403-404, (1995). http://ci.nii.ac.jp/naid/110001828762/ http://www.questions.gr.jp/chem/mass.htm 以下は、私が読んで気になったところと、それに対する私のコメントです。 「原子量の概念を導入することによって、《中略》、原子という粒子が実体をともなった粒子であることが示された」 コメント:“示された”は少し言いすぎと思う。 「高校生が原子量・分子量を使うのはどんなときであろうか。それは、 物質の量が質量で与えられていて、それから物質量を求めるとき、およびその逆の、与えられた物質量から物質の質量を求めるときであろう」 コメント:分子の構造式から分子量を求めるときに原子量を使っているはず。 「そうすると、相対質量として表される原子量や分子量は、物理量ではないことになる」 コメント:これは間違い。単位が1だから省略しているだけ。屈折率が物理量なのと同じで、相対質量も立派な物理量。 「その単位はg/molとする以外にはない」 コメント:高校化学ではこれでOK。だけどSI準拠ならkg/mol。 「少なくとも高校の化学の学習においては、相対質量で定義される原子量、分子量、式量は不用であり、すべてモル質量で統一した方がよいと思われるが、どうであろうか」 コメント:いいと思いますよ。構造式から分子量を求めるときは、形式的には、構造式を分子式に変換させればいいだけのことですし。でも便利なものって、なかなかなくならないんですよね。

matelin
質問者

お礼

何度も親切丁寧なフォローをしていただき、ありがとうございます。 > 「 本文を読んでみると、原子量がミクロな量なのかマクロな量なのかについては、三氏の意見は一致しているようですね。」 本文を教えていただきありがとうございます。本文へのアクセス法を知らず、摘要だけから判断したので、私は思い違いをしていました。 > 大川氏の意見 「少なくとも高校の化学の学習においては、相対質量で定義される原子量、分子量、式量は不用であり、すべてモル質量で統一した方がよいと思われるが、どうであろうか」 私は反対です。原子量は原子1個あたりの質量とすることは、譲れません。問題を解く際に原子1個からモルのオーダーへの変換が何度も出てきて煩雑だから、というのが、上の提案の理由でしょうが、原子の世界で起こっていることと、私たちが目で見る化学現象とは区別して考えることは大切なことであると思います。高校生が扱う問題は、原子や分子の1モルが何gであるかがわかっていれば、すべて解ける問題になっている、というのは受験に偏重した化学観と言うべきでしょう。 #5では、現場でもモル質量さえわかれば立ち行くというご意見でした。#11ではややこしいことは省略した方がよいというご意見でした。しかし、私は高校では原子を基にした物質観を生徒に身に付けさせることが、一般国民教養としての高校化学教育の目的であるべきだと思います。原子1個から原子1モルを導き出したり、原子1モルから原子1個に戻して考えたりすることは、原子を基にした物質観の基本であると考えるからです。もちろん受験で得点するためにはそんな考えは何の足しにもならないとか、現場で化学の仕事を進めるのにそんな考えは何にも役立たないとかは、言えることかもしれません。それでも私は高校生がそれを考えることは意味あることであると思います。 「原子量はマクロな量でもあり、ミクロな量でもある」 この考えは化学の世界に特有の事かと思っていましたが、インターネットを調べると物理でもあちこちに残っているらしいことを知りました。そこで改めて私はこの文の意味を考え直し、やっと了解できました。 2種類の原子Aの集団と原子Bの集団とがある場合、その各集団の原子数が同じなら、そのA集団とB集団の質量の比は、集団内の原子数がいくらであっても、変わらず一定である。例えば、集団内の原子数が1個の場合でも、アボガドロ数個の場合でも、その質量の比は同じになる。この事を踏まえて、与えられた原子の原子量とは、その原子の集団と同じ個数の12C原子の集団の質量を12とした時の、与えられた原子の集団の質量である、と定義する。―― 以前はおそらく多くの人が原子量の定義をこのように受け止めていたのでしょう。その定義を式で表すと、 (元素の原子量)=12×(その元素の原子の集団の質量)/(その集団内の原子数と同じ個数の12C原子の集団の質量)    ただし、その集団内の個数はいくらでもよい。 と言うことです。こう考えると、集団内の個数はいくらでもよいのですから、それを1個とすると、原子量は原子1個の質量の相対値と言えますが、集団内の個数をアボガドロ数個とすると、原子量は1モルの質量をグラム単位で表した値とも言えるわけです。従って、原子量はミクロな量でもあるし、マクロな量でもあるわけです。 htms42様はおそらくそのような考えの上に立ち、原子量はマクロな量である、とおっしゃったのでしょう。私は ドルトンの時代から(原子量)=(原子1個当たりの相対質量) と、考えてきたものとしか、考えられませんでした。浅はかでした。そうではないことを、改めて私は認識しました。htms42様には言い過ぎたことをここでお詫びいたします。 しかし、上の原子量の定義は分りにくいです。一度その考え方を身に付けて慣れてしまえば、何でもないことになるのでしょうが、初学者には理解の壁になります。その分かりにくさの原因は、上の定義がまだ十分に分析された表現になっていないからです。ですから、時代の進行とともにその定義がさらに分析され、より分かりやすい方向に進んでいると思います。現在のIUPACの原子量「relative atomic mass (atomic weight) 」の定義は、「 The ratio of the average mass of the atom to the unified atomic mass unit. 」であり、原子の個数をはっきりと 1個あたり に限定しています。 私はもう一歩進めてほしいと思っていますが、これでも以前に比べると、改善されたのでしょう。 16日まで開けておきますので、まだご意見のある方は、お願いします。

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