- ベストアンサー
遺伝子診断の問題とは?
- X染色体に座位する遺伝子異常について遺伝子診断を行いました。
- 発端者以外の家族は外見上ふつうであり、発端者のみ症状が現れました。
- 胎児の出征前診断やフェニルケトン尿症の保因者についても考えられます。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
遺伝子診断の詳細な方法が判りませんが、目標遺伝子と相補的な配列を 持つ核酸の断片を何らかの方法で標識して、目標遺伝子の配列を持つ 断片を検出するために使うわけですね。この、標識された断片をプローブと 呼びます。詳細は、この診断の方法に即した書籍や文献などで調べて下さい。 (1)図中にプローブが帯状に示されていますが、これは、目標遺伝子のどの 部分と相補的な核酸断片をプローブとしているかを表しています。 目標遺伝子の中で、このプローブによって検出できるのは、図中でプローブ の「帯」と重複している部分、いいかえればプローブと相補的な配列を有して いる部分ということになります。 具体的にいえば制限酵素の切断部位2から4の間ですね。 (2) 前問とも関連するのですが、もし制限酵素による分解がきちんと進んで いるならば、正常型遺伝子は3.5および4.5kbの断片を与えるはずです。 遺伝子マップでいえば切断部位2と3の間が3.5kb、3と4の間が4.5kb です。ところが発端者では8kbの断片しか見えません。これは、発端者の 遺伝子では切断部位3に変異があって制限酵素に認識されなくなっている ことを意味します。遺伝子マップからは、切断部位1と2の間も4.5kbですが これはプローブと重複していないので検出されないはずです。 (9) 二人の胎児を除く家族の遺伝子診断結果をみると、 ・3.5および4.5kbの断片のみ ・3.5、4.5、8kbの三種の断片 の二通りがあります。とくに女性に着目すると、祖母は前者、母と妹は後者 です。後者の二人から8kbの断片が出ていることは、この二人は発症は していないが変異型の遺伝子を持っていることを意味します。しかし一方で この二人からは3.5および4.5kbの断片も出ているので、正常型の遺伝子 も持っているということです。以上のことから、この二人は二つのX染色体に 正常型と変異型の遺伝子を一つずつ持っているということが判ります。そして この二人が発症していないことから、この変異は劣性であることが判ります。 言い換えると、X染色体を二つ持つ女性の場合、その両方が変異型を持た ない限り発症しません。男性の場合は性染色体がXYで、X染色体が一つしか ないので、その一つが変異型であれば発症するということになります。 祖母は3.5および4.5kbの断片のみなので、二つとも正常型ということ ですね。 さて胎児ですが、胎児Aからは8kbの断片のみが出ています。制限酵素の 反応がきちんとできているという前提でいえば、この子は変異型の遺伝子のみ を持っており、発症すると考えられます。一方胎児Bから8kbの断片は出ていない ので、この子は変異型の遺伝子を持っておらず、発症もしないし保因者でも ないということになります。 (10) 該当する染色体の該当する遺伝子に変異が起きている確率をxとすると、 対になっている二つの染色体のどちらにも変異がある確率はx^2です。 これが10000人に1人、つまり1/10000なので、x=1/100です。 一方、変異を全く持っていない確率は(1-x)^2=0.9801ですから、 10000人中9801人がこれに当ります。従って一方の染色体に変異を 持っているのは 10000ー9801-1=198人 となります。
お礼
いつも大変丁寧な解答解説誠にありがとうございます。 内容理解ができず大変悔しかったのでお陰様でクリアカットできて本当に嬉しく存じます。 ご迷惑おかけしますが今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。