- ベストアンサー
ワシントン海軍軍縮条約について
- ワシントン軍縮条約で日本の主力艦の保有比率は米英5:日本3となった。
- 日本海軍関係者は不満だったが、連合艦隊はアジア方面での活動になるでしょう。
- 米英は太平洋・大西洋、イギリスは東洋・本国に艦隊を分ける必要があると思われる。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
●当時の日本海軍には「対米7割論」という考えがありました。 これは簡単に言えば攻撃してくる敵国戦力の7割に該当する戦力を保持していれば五分に戦えるというもので、それまでの海戦史、海軍理論の研究から導き出されたものです。 だから7割に拘りましたが、ワシントン条約では6割に止まり、危機感を抱く軍人や政治家が少なくありませんでした。 ワシントン条約締結後の、日本での第46回帝国議会の衆議院における質疑応答において、津野田是重議員が加藤海相に対し次のように質問しているくらいです。 「主力艦対米6割の受託によってアメリカ海軍との艦隊決戦は不可能となった。補助艦などによる日本近海の防勢に徹する考えはないか?」 対米6割の受諾は「艦隊決戦が不可能になった」と政治家が議会で発言するほど憂える問題だったわけです。 ●日本海軍の仮想敵国第1位は米国でした。 その米国は、確かに大西洋と太平洋に戦力を二分されるわけですが、米国から見て仮想敵国第1位はどこなのかというとヨーロッパにはありませんでした。 第一次世界大戦の終結によりドイツは敗戦国となり、大幅に軍備を削減され多大な賠償金を払わなければなりませんでした。ヒトラーの台頭はもっと後の事です。 イギリス、フランスなどは勝利国にはなりましたが、戦争におけるあまりの犠牲の多さに国力を傾けていました。 ロシアにおける共産主義の台頭は脅威ではありますが、これはロシア内での内戦とそれに対する各国の陸軍をメインにした軍事干渉でした。 こうした状況において、米国の利益と直接衝突する可能性が一番高い国はヨーロッパではなく、アジアで急速に勢力を拡大して来た日本でした。 米国の植民地であるフィリピンの防衛と中国市場への進出問題において、日本と衝突する可能性が一番高く、米国は日本を第1位の仮想敵国としました。 大西洋は英国と友好関係にある限り、米国を脅かす国は無く、また米国の権益を侵す恐れのある国もありませんでした。 つまり、もし日本と有事が発生した場合、米国の主力艦の全力が日本に向けられる可能性がありました。 日露戦争は各国において研究されています。米国においても研究されています。 ロシアの太平洋艦隊とバルチック艦隊が日本艦隊に各個に撃破された戦訓を軽視する国はありません。 つまり日本が戦う場合、相手は初手から全力で来る事が予想されます。 そうした状況において、対米6割に危機感を募らせる軍人と政治家は少なくなかったのです。
その他の回答 (5)
- princelilac
- ベストアンサー率24% (1618/6634)
国防上の戦略から言えば、相手国よりも軍備を拡張するほうが国際社会での発言力を増すことになります。これは現在の核兵器配備にも通じる理論です。「核兵器削減」という掛け声はかかりますが、これは非保有国が新しく保有しないようにするためであり、保有国が自国の核を削減するものではありません。数を減らしたとしても、強力な兵器が開発されるため、脅威が減るわけではありません。「テロの手に核兵器が渡らないようにする」というのは正しい部分もありますが、それを口実にして、新しく保有国が出ないように押さえつけているのです。 過去の軍縮会議も目的はあまり変わりません。大きな戦争が終わった後には、民衆レベルで反戦的な世論が沸きあがるものです。それを政治が小手先の会議で一時的にかわしているに過ぎません。 日本のような有色人種が、白人と同等の軍備を保有することには堪えられないのです。オリンピックなどで日本の選手が活躍すると欧米の選手に有利になるようにルールが改正されます。軍縮もそれと同じ精神なのです。 ここで登場するのが鳩ポッポで、CO2削減のリップサービスをしたように、戦艦削減のとリップサービスをして世界の賞賛を得ようとしたのです。日本を世界平和の先駆者にするつもりでした。しかし日本が騙されているとも知らずに軍縮に応じたので、英米は笑いをこらえるのに必死だったのです。英米は自国の軍を削減する気はありませんでした。しかし日本が軍縮したお陰で、世界の平和を守ったかのように民衆に見せかけることができたのです。削減の数字には何の根拠もありません。
お礼
結局、条約は破棄され無制限時代に突入するわけですが その間に、ボ~っと条約を順守していたのか そのうち一方的に破棄して目に物言わしてくれると 虎視眈々と考えて準備していたかは大違いですね。 日ソ中立条約を後生大事に信じていて、ソ連に講和の 仲介を依頼していた位ですから、日本人は人が良すぎます。 ヒトラーのように独ソ不可侵条約の看板のうしろに大砲を ズラリと並べているくらい狡猾にならなければ、今のように 中韓にナメられるだけです。 回答ありがとうございました。
- ithi
- ベストアンサー率20% (1972/9602)
poppsさん、こんばんわ。 もともと第一次世界大戦後も軍拡競争、特に戦艦建造に拍車がかかっていました。日本の八八艦隊計画もその一つです。 しかし、5大戦勝国でも建造するだけでも膨大な予算を使い、艦隊維持に至っては想像をはるかに超えた予算になることがわかっていました。 だから、戦艦の保有率を制限したのです。確かに日本の保有率はかなり低めの数字ですが、これは米の情報戦における謀略らしいです。 米英の主力艦が全部日本を標的にしているのではないと思うので 分けて配備されれば対米英6割でもそんなに悲観する数字じゃないのでは。 これについては面白いエピソードがあります。戦艦が減るということは戦艦の艦長ポストが減るということです。戦艦の艦長ポストが減るということは海軍軍人として耐えがたいことだそうです。出世の道が益々細くなりますということです。だから、悲観しているのではということです。 ロンドン軍縮条約でのお話に似ていますが、5:3を二乗すると25:9となり、これが総合戦力比になるということでした。つまり、1/3です。これが5:4だと25:16で総合戦力比は2/3です。ここにこだわりがあったのでしょう。 ただ、生産力の強い、英米ですから、条約が成立しなかった時点で、日本の建造能力の何倍ものペースで建艦したでしょうから、かえってこの条約が足かせになって日本にとって良かったのではないでしょうか? 詳細は下記のURLを参照してください。 八八艦隊 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%85%AB%E8%89%A6%E9%9A%8A ワシントン軍縮条約 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E8%BB%8D%E7%B8%AE%E6%9D%A1%E7%B4%84 ロンドン軍縮条約 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%B3%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E8%BB%8D%E7%B8%AE%E4%BC%9A%E8%AD%B0
お礼
そうですね、おっしゃる通り制限を受けるのは 日本のみならず、生産能力を持つ米英も同じですから。 そして日本は量より質だと訓練に励みます。 艦長ポストの話は初耳ですが、戦争中アメリカは 多くの司令官や長官を更迭しましたが、日本は僅かでした。 機動部隊の司令長官には小沢治三郎か大西瀧治郎が適任 であり、または山口多門かと言う位人材がありながら 年功序列で畑違いの南雲忠一になりました。 こんな官僚的な人事をしていてなにが”量より質だ”と バカバカしく思います。 回答ありがとうございました。
- oignies
- ベストアンサー率20% (673/3354)
どんな理由づけがされたにせよ、日本の軍事力が不当に制限された条約であるのはまちがいないのではないでしょうか。 そもそも条約で他国の軍事力を制限するなどきいたことがない。歴史上まったくそんな例は存在しないはずです。また海軍力についていえば、歴史上、アルマダ海戦でスペインをやぶったイギリスがその後世界制覇したように、世界制覇の上で決定的重要性をおびていたのが、海軍です。 第二次世界大戦以後は、空軍の力がかなり重要となりこの点は変化するのですが、ワシントン条約締結の時点では、世界をだれが制するかは、海軍力に相当程度左右される可能性がありました。 また、対ロシア戦で海軍力がおとっていたにもかかわらず、かててしまったのは、作戦もあったはずです。戦隊のととのえかたなどでかなりの工夫があり、それが奏功したのだときいています。でたらめたたかってかったわけではない。作戦が成功してぎりぎりかったという程度のはずです。 余裕をもってかてる、しかも南方、太平洋側に展開してもかてるためには、ほとんど陸続きにちかいロシアとたたかうよりもおおくの海軍が必要になるはず。 あと、米英の主力艦が全部日本を標的にしているわけではないとおもうので、悲観する数字ではないとのことですが、実際に第二次世界大戦のときには、英米どころかABCDラインがはられてしまい、日本は、連合国をすべて敵にまわしてしまったので、列強のなかで唯一のアジア国という特殊な位置をしめていた日本には、孤立の代償として、よりおおくの戦力を保有することがみとめられていなかったら不利であったということはあるのではないでしょうか。
お礼
そうですね、なんの権利があって米英有利な数字にするのか 日本叩きもいいところです。しかし当時の日本の国家予算に 占める海軍予算は相当なものだったらしいので、一律に 戦艦は10隻までとか、単純に決めれば良かったのでは。 で、日本は身の丈に合わせて6隻にします、なら不満は なかったのでしょう。(当時8・8艦隊構想があって かなり国家予算が逼迫していたらしいですが) 回答ありがとうございました。
- takeruhiko
- ベストアンサー率33% (16/48)
ワシントン会議で、初めての海軍軍縮案が検討・交渉され、条約締結を達成しました。 対英米比率、10・10・6(5・5・3)について、アメリカ全権・国務長官ヒューズの、そこでの交渉途中での言説。 「(前略)アメリカは東西両洋に面しているため、理論的にいえばアメリカの艦隊は結局両分せられねばならぬわけであり、この点を考えれば、日本はかえってアメリカよりも有利の地位にあるといえ、かつ他方において人口、富力その他の点も考慮に加える必要があるであろう(後略)」 日本は、海軍、議会(国民)ともに、10・10・7の比率を主張していました。これに対し、しかし政府(全権)としては、国家の代表として、ワシントン会議での、より円満な交渉妥結の任を担っていますので、交渉するしかありません。 そこで日本政府全権は、10・10・7の主張を、最終的には放棄して、10・10・6(5・5・3)の比率を呑むことになりますが、この際、フィリピン、グアムなど、太平洋諸島に、アメリカが増強展開中の軍事基地の、建設・拡大の、現状維持、を妥協案として提示、これが承認されて日本海軍および議会の支持が得られ、ワシントン海軍軍縮条約が妥結しました。 (上記、『日本外交史』13「ワシントン会議及び移民問題」を参照)
お礼
う~ん、アメリカは両洋に分ける必要があるといえども 大和型戦艦はパナマ運河を通航出来ないが、結局パナマックスサイズ 以内で作られた戦艦はいつでも運河を通って両洋を行き来できるので 詭弁でしょうね。 回答ありがとうございました。
- eroero4649
- ベストアンサー率32% (11082/34532)
>分けて配備されれば対米英6割でもそんなに悲観する数字じゃないのでは そらまあそれでそれだからこそ条約は合意に達したわけですが、理屈の上では「対日単独戦になれば全軍を回航するのも不可能ではない」といえなくもないでしょ。 要するにですね、海軍も(そして陸軍も)官僚であり、お役所であるということなんですよ。お役所たるもの、予算が減るものに対しては何が何でも抵抗するものじゃないですか。それに、それでOKということになればそれがOKだという「前例」もできてしまいます。 国家予算規模から考えると、日本に限った話ではなく国防費が国家予算を圧迫しているわけです。だけど、官僚つうのは国益より省益でしょ。それは昔も今も変わらないわけです。 現代だって、今の日本は震災からの復興やらなにやらでお金はいくらあっても足りないくらいなのに、尖閣諸島を取られるのは嫌だから防衛費を増やせなんていう街の声はあります。我らが帝国海・・・いや、海上自衛隊は持ってないのは正規空母と原子力潜水艦くらいなもので、憲法九条で戦争はしない建前になってるはずなのに世界有数の大海軍ですからね。にも拘らずもっと増強しろという声があります。敵を見ると、いくら戦力があっても足りないように見えてしまうのが軍事力の厄介なところです。 あの民主党政権のとき、「2位じゃダメなんですか?」と聞いたら、聞いた人は「科学が分かってない」と非難轟々だったじゃないですか。でもさ、1位じゃないとダメだというなら、1位以外の国はみんなダメな国なのかというとそうでもないわけでしょ。スパコンも1位を維持するためには膨大な予算をかけて毎年更新しなけりゃいけないわけですが、「2位でもいい」となると予算が削られるわけじゃないですか。結局それが嫌だから「あの女は科学が分かっていない」と論点をずらして抵抗したわけです。 だから「3(あるいは6)じゃダメなんですか?」と聞いたら、既得権益の人々から「お前は軍事が分かっていない」といわれてしまいかねないでしょうね・笑。
お礼
今のところ尖閣には中国海軍は出没していませんから 日本も海上保安庁で対応していますが、”遼寧”などが 出張ってきたらどうしましょう。 まあ敵機はハエ叩きかハエ取り紙で始末して、 空自の無弾頭魚雷を”遼寧”のどてっぱらにお見舞いし 「今度来たら分かっとるやろな、あほんだら~~~」で いいでしょうが、その特注のハエ叩きやハエ取り紙が 高くつくから、中国の”殲”をコピーした戦闘機を 多数揃えようと、予算分捕り合戦が始まるのですね。 ところで、理研はかなり予算をもらっていて、一部の者は 予算消化のためにハイヤーで通勤しているとか、愛人を秘書に 雇って高給を払っているとか。何なんでしょうね、この国は。 ありがとうございました。
お礼
限定して対米10対6が7割なら良しとする空気は分かります。 当時はドイツがベルサイユ条約を破棄して軍備拡張するとは 想定されてませんでした。しかし現実にドイツの台頭は起こりました。 米主力艦隊がフィリピンへ向かうあいだに日本の漸減作戦により アメリカは悲観的な結果を想定しています。バルチック艦隊の 二の舞だと。 建造中の戦艦陸奥を認めさせる代わりに米英に2隻のアドバンテージを 認めさせたのは5対3より悪い結果になります。 米英の横暴を認めざるを得なかった外交力のなさでしょうか。 回答ありがとうございました。