フェルミ球が動くとはどういう事でしょうか?

このQ&Aのポイント
  • フェルミ球とは電子気体の基準状態において、波数空間の電子によって占められたものです。
  • フェルミ球の内部の自由電子は動かず、表面近傍の電子のみが電流に寄与します。
  • 外部から加えられた電場によってフェルミ球が一定の速さで動くのですが、その理由はまだ明確には分かっていません。
回答を見る
  • ベストアンサー

フェルミ球が動くとはどういう事でしょうか?

他の所で質問したのですが、まだ回答を得られなかったので願いします。m(__)m フェルミ球は電子気体の基準状態において、波数空間の電子によって占められた物とあるのですが、一体どういう事なのでしょうか。具体的なイメージが思い浮かびません。何冊も本を読んで探したのですが、どの本もフェルミ球についての説明はほとんど無く、結局分からず仕舞で行き詰っています。 また、フェルミディラックの分布関数の所と似た質問ですが、フェルミ球の内部の自由電子は動かず、球の表面近傍の電子だけが電流に寄与するとあります。外部から加えられた電場によってフェルミ球が一定の速さで動くのに、なぜ表面付近の電子しか電流に寄与しないのですか?フェルミ球内の電子が全て一緒に動くのなら内部の自由電子も電流に寄与するはずではないでしょうか。そもそもフェルミ球が動くっていう意味がさっぱりです。球の原点はどこに取っているのか(原子、電子、原子核、はたまた任意の格子点なのか)、フェルミ球は金属中に無数に定義されてる物なのか・・・。ブリルアンゾーンのようにフェルミ球の内部の領域だけで現象を記述できるという物かとも思いましたが、どうやらそういう物でも無さそうです。 どなたかこのような疑問に対して説明してもらえないでしょうか。何卒お願いします。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.2

3次元自由電子のバンド分散は E=h^2(k_x^2+k_y^2+k_z^2)/2m と与えられます(hbarを単にhと書いています)。 多数の電子がある場合の基底状態を考えたいのであれば、 基本的にはエネルギーのより低い状態から順につめていけばいいのですが、 その結果、E<E_Fの状態が全て埋まったとしましょう。 E_F=h^2k_F^2/2mとすれば、k_x^2+k_y^2+k_z^2<k_F^2であるような状態が埋まった事になりますので、電子に占有された状態は波数空間上で球状に分布しており、これが「フェルミ球」と呼ばれるものです。 電場をかけた場合、古典論(ドルーデ模型)では、 電子たちは電場から力積を受け取った結果、電子たちの運動量の平均値がqEτだけ増加します。 量子論でも自由電子模型に関しては個々の電子の運動量がqEτだけ増加すると考えれば正しい結論が得られます。つまり、先ほどのフェルミ球内に占有していた電子たちが一律に波数空間上で電場の方向にqEτ/hだけ動くわけです。そうやって動いたものも球ですので、素朴にはフェルミ球が(波数空間上で)平行移動したのだと思う事ができます。 http://www.kh.phys.waseda.ac.jp/superconductivity@.html の図4を見て頂いた方が想像しやすいと思いますが、 フェルミ球が平行移動する事によって、電場をかける前後で電子に占有されていたどうかが変化した軌道がフェルミ球の表面近傍にありますよね。 実際の電流はこのような変化がもたらしているのでフェルミ面近傍の電子が電流に寄与しており、フェルミ球の内部の電子は電流に寄与していないのだ、と考えて頂ければいいでしょう。

kasasa99
質問者

お礼

URL先の図も合わせて考えると分かりました。有難うございます。

その他の回答 (1)

  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.1

「フェルミ球」ってのは実空間に存在しているものではなく、波数空間(逆格子空間)にあるものだという事は理解されてますか?

kasasa99
質問者

補足

すみません、勉強不足でした。しかし逆格子空間で囲んだ電子が動くというと、より一層分からなくなりました。 自由電子は逆格子空間に存在している物と定義されていたのですか?そこも合わせて回答を頂けると有り難いです。

関連するQ&A

  • フェルミディラック分布関数と自由電子の移動

    他の所で質問したのですが、まだ回答を得られなかったので願いします。m(__)m フェルミディラック分布関数の示す意味とは何ですか?本には粒子が占める確率と書いてあって、1の時は100%存在している...と何となく分かるのですが、いまいちピンときません。大体のイメージだけでも良いので教えて欲しいです。 そして本題なのですが、「実際の電流に寄与するのは図の矢印の境界近傍の部分に存在する自由電子だけで、境界より左の部分に占めてる電子は電流に寄与しない。」と教授が言っていたのですがどういう事でしょうか?境界(境界近傍とは関数のZの形でいう / 付近部分)より左側の電子は上の準位に空きが無いから移動できないと説明があって、それはまだ分かるのですが、分布関数とフェルミ準位辺りの電子の移動との関係が全く分かりません。F(ε)=0.5の位置の電子だけしか電流に寄与しないとはどういう事でしょうか。教科書以外に図書館で本を色々と漁ったのですが、フェルミディラック分布関数と導電との関係を述べている本は見つかりませんでした。 どなたかフェルミディラック分布関数の意味とそれと自由電子の移動との関係を説明してもらえないでしょうか。お願いします。

  • フェルミディラック分布則と電子の個数

    各エネルギー値の電子が存在する確率はフェルミディラック分布の形に従いますが、その確率が高ければそのエネルギーを持つ電子の数も多いという事になりますか? フェルミディラック分布関数f(ε,T)自体はあくまで確率分布なので縦軸の最大値は1であり電子の個数を表してるわけではありません。しかしエネルギーの低い所から電子が満たされていくので、金属固体などではエネルギーが低い電子は価電子帯に多く存在し、電流となる自由電子は伝導帯、つまりフェルミ準位付近の僅かな電子しか電流に寄与しません。よってエネルギーが大きくなればそのエネルギーを持つ電子の数も段々少なくなると思います。厳密にエネルギーとそれに対応する電子の個数との関係がフェルミディラック分布関数のようになるのかという意味ではありませんが、エネルギーの低い電子はそれだけ数が多く、エネルギーが高くなればなるほどエネルギーの高い電子の個数もどんどん少なくなっていくという事でしょうか?

  • フェルミエネルギーとは?

    理工学基礎 物性科学 坂田亮著 培風館 ↑ この本を勉強しているのですが、フェルミエネルギーというものはいったいなんなのかいまいちわかりません。 フェルミディラック分布関数によればフェルミエネルギーを取る電子が存在する確率が1/2になるようです。ところが、たとえば真性半導体であればフェルミエネルギーはちょうど禁制帯の真ん中に来ていますがそもそも禁制帯のエネルギーは電子は取りえないのだから存在確率は0なのではないでしょうか? また検索でフェルミエネルギーを調べると、電子の取りうる最大のエネルギーという記述がありましたが、これはつまり固体の中に存在する電子の最大のエネルギーを持っているものが半分であるということですか? 日本語がかなりまずいところもあるかと思われますが、ぜひとも教えていただきたいです。お願いします

  • パウリの排他原理とフェルミエネルギーについて

    絶対零度(エネルギーが縮退している)の場合のとき、エネルギーの低いところからパウリの排他原理に従って電子を詰めていき、最後の軌道を占めている一番エネルギーの高い電子のエネルギーをフェルミエネルギーということは分かりました。 簡単に言うと、パウリの排他原理が及ぶ範囲が分かりません。 金属の場合で考えて、自由電子は、原子の数が増えれば比例して増えていきますよね。 パウリの排他則から行けば電子数が多ければ多いほど最後の軌道を占めるエネルギーは大きくなるということですよね。 単純に金属の物体の体積が大きくなれば原子の数が増えるんで、最後の軌道のエネルギーは大きくなってフェルミエネルギーは大きくなるんですか?

  • フォトニックバンド計算

    フォトニックバンドの計算について、悩んでいます。 どの本、論文でも規約ブリルアンゾーンの周に沿って、 波数ベクトルの終点を動かして、固有値問題を解くことにより 伝搬可能な周波数を計算していますが、 なぜ規約ブリルアンゾーンの内部の点に波数ベクトルの終点を置いて 計算する必要がないのか、どうしてもわからないのです。 どうか、助けてください!!!

  • フェルミディラック分布関数の見方を教えて欲しいです

    フェルミ・ディラック分布関数f(E)=1の時、粒子がある状態になる確率が100%で、f(E)=0の時はその状態になる確率は0%というような意味だと思うのですが、まだ曖昧ではっきり理解できていません。 下の図はキッテル固体物理の本の図です。例えばこのグラフから何を読み取る事が出来るのですか?温度が上がるとエネルギーEが低い状態でもf(E)が下がっていくので、ある状態になる確率が低くなるという事だと思いますが、具体的に何の粒子が何の状態になる確率の事を示しているのでしょうか。本文を読んでもそれらしい説明が書いてないような気もしますし、全体的に何の事を言ってるのかよく分かりませんでした。まずこれはある1種類の1つの粒子の状態に対してなのか、ある1種類の粒子の集団の統計的な物のどちらでしょうか。 フェルミ・ディラック分布関数の縦軸の確率は何の粒子の何になる確率ですか?どなたか教えて欲しいです。

  • 物質の原子構造はスカスカであるというが

      物理の本によると、物質の原子構造は、液体であれ、個体であれ内部はスカスカであり殆ど空洞に等しいといわれています。 これは銀や銅などの電導体においても同じであるとされています。 一方、導体が電気抵抗をもつのは電流を引き起こす自由電子が原子核などに衝突して自由電子の運動が妨げられるからであると説明されています。 なぜスカスカの物質内において自由電子が原子核に衝突するのでしょうか。  

  • ある電荷を出来るだけ小さな球に帯電させるには

    こんにちは、 下記HPは静電気に関するもので、静電気を発生させる方法等が紹介されております。 私にとりましては、大変面白くて参考になりました。 これを読みますと、10Cの電荷を出来る限り小さな球に帯電させようとしましたら、(誘電体ではなく)金属を使用すべきであることがわかります。 (下記より抜粋) 電子を出すとか受け取るとか言っても、絶縁体の場合には電荷を持つのは表面のみで、しかもその数は表面の原子数万個に1個程度の割合でしかない、ということを付け加えておきます。電解質のイオン化などとは全くレベルが違うのです。 http://hr-inoue.net/zscience/topics/staticelec/s … ある導体球に10Cの電荷を与え可能な限り導体球の半径を小さくさせた場合、その半径は幾らになるでしょうか?

  • トーマス・フェルミ遮蔽モデルについて

    原子のポテンシャルを求める方法としてトーマス・フェルミ近似があります。ポテンシャルφ(r)についてのトーマスフェルミ方程式を求める事が出来ません。どなたかコメントを宜しくお願いします。 ポアソン方程式 ∇^2φ(r)=-4πe[ρ(r)-ρ_0] (ρ_0:平均電子密度、ρ(r):電子密度) と フェルミエネルギーの式 E_F+eφ(r)=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ(r)]^(2/3) (E_F=(h^2/8π^2m)[3π^2ρ_0]^(2/3):フェルミエネルギー) を用いて、トーマス・フェルミ方程式 ∇^2φ(r) = α φ(r)^(3/2) (αは係数を適当にまとめたもの) を求めたいのですが、ρ_0の項が残ってしまいます。つまり ∇^2φ(r) = α φ(r)^(3/2) + 4πeρ_0 のようになってしまいます。なんとかρ_0の項を消したいのですが。 最終的には φ(r)=χ(r)/r と置いて、 微分方程式 r^(1/2)χ''(r)=[χ(r)]^(3/2) まで求めたいのですが、導出出来ません。 途中で [1+eφ(r)/E_F]^(3/2)~1+(3/2)(eφ(r)/r) の近似を用いて湯川ポテンシャル型を導く事は出来ます。 参考にしている本は山下次郎著「固体電子論」朝倉書店p.153です。 宜しくお願いします。

  • 何故球内にHeガス?

    定常磁場中における電子の運動を利用して、 電子の比電化を測定する実験をしています。 主な実験器具としては、 2つのヘルムホルツ・コイルの中心にガラス球が置かれていて、 球内にはHeガスが入っています。その中には電子銃が入っています。 ここで気になったのですが、 中学の頃このガラス球の内部は真空だと聞いたことがあります。 何故Heガスが入っているのでしょうか? また他の気体ではだめなのでしょうか?