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フェルミディラック分布関数と自由電子の移動
- フェルミディラック分布関数は粒子が占める確率を示す関数であり、1の時は100%存在していることを意味します。
- 実際の電流に寄与するのは図の矢印の境界近傍の部分に存在する自由電子だけで、境界より左の部分に占めてる電子は電流に寄与しません。
- フェルミディラック分布関数と自由電子の移動は、移動できる電子のエネルギー準位がフェルミ準位(Fermi level)によって決まることに関連しています。
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平衡状態では電流が流れませんので、金属に電場をかける事によって電流が流れるためには、電子たちの状態が変化しないといけません。 フェルミエネルギーε_Fよりも十分にエネルギーεが低い軌道を占有している電子を考えます。電場をかけた時にこの電子が電流に寄与するためには、最低限この軌道から別の軌道に遷移しないといけないわけですが、同程度のエネルギーを持つ軌道の中に占有されていない軌道がありません。したがって電流に寄与するとしたらフェルミエネルギー近傍またはそれ以上のエネルギーを持つ軌道に遷移するしかありません。しかし、そのためにはε_F-ε程度のエネルギーを他の何かから受け取る必要があるのですが、そのような大きなエネルギーを受け取るような過程は起こる確率はとても小さいのです。 そういう意味で、このような電子は電場をかけても状態が変化しない=電流に寄与しないのだという言い方ができるわけですね。 一方、フェルミエネルギー近傍の電子を考えた時には、同程度のエネルギー領域に非占有軌道がありますので、小さなエネルギーを授受するだけで状態を変える事ができて、そのような過程は比較的簡単に起こります。そういう意味でフェルミエネルギー近傍の電子だけが電流に寄与するのだと思う事ができます。
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- doc_somday
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量子電磁気学の詳細は自分の手には余るのですが、 >実際の電流に寄与するのは図の矢印の境界近傍の部分に存在する自由電子だけで、境界より左の部分に占めてる電子は電流に寄与しない 以下の説明で納得して頂けるなら幸いです。 1.典型的な例として「金属」を考えましょう。 2.しかも各原子が「導電帯」に一電子のみを供給していると考えましょう。なお、この仮定は「分かり易いため」に使うもので、根源的要請はどこにもありません。今回のご質問ともからむのですが、忘れて下さい。 3.以上の仮定の下、ある金属片があるとき、全ての金属原子から一つずつ電子が供給されて、導電帯が形成されます。 4.量子化学の分子軌道を考えると分かり易いですが、金属片全体の最上位電子軌道を考えましょう。電子はフェルミオンですので、他の軌道を考える必要はありません。なぜならその準位は既に占有されているからです。 5.F(ε)=0.5がいわゆるフェルミレベルです。金属片中の電子それぞれの移動速度は結構小さいのですが、電子が居加えられたり失われたりした「影響」はほぼ光速で伝達します。 6.フェルミレベルに電子軌道が幾つあるかと言うと、全ての原子が等価なので、金属片中の金属の物質量(モル数)だけあります。 7.それで、問題なのはあなた様が「分らない事」が何か、ということなのです。 教授はフェルミレベルに電子が加減されることで電流が生ずるという、面白くも何ともない事を言ったのです。 フェルミレベルの直上と直下には前記したように、金属片中の金属の物質量(モル数)だけの数の電子軌道があります。 直下の軌道が「空く」ことは希ですが、それでも実際には起きています。直上に限らず電子の入れるフェルミレベルより上の軌道(莫大な数あります)にはいつもたくさん電子が「遊んで」います。 特に加熱された場合など「熱電子」の形で、ブラウン管や真空管、質量分析器などに使われてきました。 最終的にまとめると、フェルミレベル以外にある電子の数はフェルミレベルにある電子の数に比べて無視出来るほど少ないので考えなくても良い(だけど面白い)という身も蓋もないお話になります。
お礼
いえいえ、十分分かりやすかったです。有難うございました。
お礼
やっと疑問が解決しました。有難うございました。