ショットキーバリアのエネルギー図

このQ&Aのポイント
  • 金属-N型半導体のショットキーバリア形成時について質問です。
  • 電子が金属表面にのみ分布するとされるが、金属中のフェルミ準位が揃った様な図の描き方をするのか疑問に思っている。
  • 表面近傍のバルクの電子状態だけを考慮して説明して頂けると幸いです。
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ショットキーバリアのエネルギー図

宜しくお願いします。 金属-N型半導体のショットキーバリア形成時について質問です。 「両者を近づけ、半導体の伝導帯から電子が金属に向かって流れた時、 その電子は金属表面にのみ分布する」という記述をどの参考書でも目にします。 また、「フェルミ準位が揃うまで電子が流れる」とも書いてあります。 これらを考え合わせると、 「流れた電子は金属表面近傍の電子状態のみ占有していき、 それが半導体の中性領域のフェルミ準位と等しくなると平衡になる。」 と言えると思います。 その時、金属中のフェルミ準位は表面近傍でのみ高くなっていて、 それより深い位置では一定になっているように思います。 質問は、 「この後、表面近傍に帯電した電子がエネルギーの低い金属内部の電子状態に移るのか、 それとも表面のみが帯電したままで、表面近傍ともっと深い内部ではフェルミ準位は違ったままなのか。 だとしたらなぜどの参考書も金属中のフェルミ準位が揃った様な図の描き方をしているのか。」 ということです。 電磁気学で、金属に帯電した電荷は表面にのみ分布すると勉強したので、疑問に思いました。 表面準位、というのは良く分からないので、「表面近傍のバルクの電子状態」 だけを考慮して説明して頂けると幸いです。 宜しくお願い致します。

  • 502SA
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  • semikuma
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回答No.1

> 電子は金属表面にのみ分布する」という記述をどの参考書でも目にします。 多分、読み違えをしていると思います。 孤立した金属球が負に帯電したとき、負の電子間に斥力が働くので、過剰な電子は金属表面にのみ分布するのは尤もと思われます。 一方n型半導体とのショットキー接合の場合、半導体側には電子が失われたことによる正の空間電荷層(空乏層)が現れるので、金属側に移った電子との間には引力が生じ、過剰な電子は半導体との界面に分布する筈です。 ここで、金属の自由電子濃度は10の23乗(cm-3)レベルであるのに対して、半導体は高々18乗レベルと、5桁以上違います。 つまり、金属に流れ込む電子の量は元の量に対して無視し得る程度であり、フェルミ準位は変動しません。

502SA
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 界面に分布する、ということについてはよく分かりました。 金属のフェルミ準位がほぼ変化しないというのも、うなずけます。 ということは半導体側のフェルミ準位が下がってくるということだと思いますが、以下の理解で正しいでしょうか? ・界面における障壁の高さが、(金属の仕事関数)-(半導体の電子親和力)で決まる。 ・その障壁の高さが同じまま(界面における伝導体の底のエネルギーが同じまま)、空乏層の電場によって中性領域の電位が上昇し、フェルミ準位が下がってくる。 度々申し訳ありません。宜しくお願い致します。

その他の回答 (1)

  • semikuma
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回答No.2

はい、正しいです。 念のため補足しておくと、界面における障壁の高さは、金属の鏡像力により正の電荷が金属側にあるように見えるため、若干小さくなります。 また界面準位の影響で、理論通りの障壁にはなかなかならないようですけどね。 二番目は、空乏層内の正の電荷により、金属との間に電位差が生じます。 電界強度は空間電荷の積分値として与えられ、更にこれを積分すると電位差となります。

502SA
質問者

お礼

お礼が遅れてしまいまして申し訳ありません。 丁寧に教えて下さってありがとうございました。

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