量子力学のエネルギー固有値の求め方と束縛状態の条件について

このQ&Aのポイント
  • 量子力学における1次元束縛運動のエネルギー固有値は、ポテンシャルV(x)が与えられた条件下で求められます。
  • 束縛状態(ε<0)が存在しうるためには、条件a^2Vo≧(hbar)^2π^2/8mが必要です。
  • 数式cot(ka)=-κ/kやκ^2/cos^2(ka) = 2mVo/(hbar)^2を用いてエネルギー固有値を求めることはできません。別の方法を使用する必要があります。
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量子力学の以下の問題の解説について

http://okwave.jp/qa/q8011047.html  の続きの部分で質問があります。(前のページに行かなくても問題を把握できるようにしています) 問題3.1 ポテンシャルV(x)はx < 0 のとき+∞ 0 < x < a のとき -Vo (Vo>0) x > a のとき 0 に対する1次元束縛運動のエネルギー固有値はどのようにして求められるか。また束縛状態(ε<0)が存在しうるためには a^2Vo≧(hbar)^2π^2/8m でなければならないことを示せ。 ここで質問なのですが、左のページ一番下の数式 cot(ka)=-κ/k からエネルギー固有値を出すということで、この方程式一つを解いてεを出すことはできないのでしょうか?(私には無理でしたが・・・・) ちなみに、交点を求めて出すというやり方でも κ^2/cos^2(ka) = 2mVo/(hbar)^2 までは変形したのですが、そこからεをだすことができません。 どなたかご教授ください。

質問者が選んだベストアンサー

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  • alchool
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回答No.2

解説にある通りにやればいいのでは? 1.kとκを求めれば固有値εは自然と求まる。 2.cot(ka)=-κ/k (a)には未知数が2つなのでこのままでは解けない。 3.kとκの関係式が必要である。 4.kとκの定義を見直す 内側では -d^2Φ/dx^2=2m(ε+Vo)/(hbar)^2*Φ (1) 外側では d^2Φ/dx^2=2m(-ε)/(hbar)^2*Φ (2) が成り立つ。 ここで右辺の係数が正となるように符号を選んでいることに注意 (ε+Vo)は必ず正。(*1) (-ε)が必ず正である。 また、この時左辺の符号が正と負となることに注意 よって実数k,κを用いて -d^2Φ/dx^2=k^2*Φ (1) d^2Φ/dx^2=κ^2*Φ (2) とおける それぞれの一般解は(1)は三角関数(2)は指数関数であることに注意(*2) 5.kとκの関係式 k^2+κ^2=2mVo/(hbar)^2 (b) 6.連立方程式を解く (a)のグラフ、(b)のグラフを書き (*3) 両者の条件を満たすkとκの値を求めてやればいい すなわちグラフの交点の値を読み取る。 解説の3-4図に相当。 注意 cot(ka)=-κ/k の様な、多項式、三角関数、指数,logなどが 入り交じっている方程式を超越方程式と呼び、 これは解析的には「解けない」ので頑張っても無駄。 図に書いて、紙の上で測定するしか無い。 (もしくはPCに数値計算させるか) 応用 このようなグラフを使った解法は回路などではよくやる方法。 I:電流 V:電圧 I=f(V) 素子の特性  この場合fは数学的でない関数であることがほとんどなので Vについて解くことができない。(連立方程式が解けない) よってグラフを書いて「交点が真ん中に来るように」=「誤差でぶれた時に限界値を超えないように」 などと各種パラメータを設定してやることが多い。 なのでたいていの場合、素子の取説もそれができるように考えてグラフを掲載している。 上記の波動関数の場合だと、「交点が少なくとも一つ存在するように」と各種パラメータを条件付けている。 (*1) εがマイナスなのに(ε+Vo)は必ず正であると何故言い切れるのか? 解説の「ε+Vo>0で無くてはならない」の記述を参照。 すなわちκ^2が正であること=κが実数であることを最初に宣言している。 (*2) (2)は http://okwave.jp/qa/q8008220.html での質問に相当するが この微分方程式の一般解 φ(x)=Aexp{(√k)x}+Bexp{(-√k)x} において 係数Aが0出ない時、x→∞で波動関数が無限大に発散する。 よってこの係数は「波動関数が有界であるべし」という要請により排除される。 よってx→∞で波動関数が0になる解しか残らない それが正しい(その本が答えてほしい)答え。 「深く入れば入るほど存在確率が減少して行く事が要請されます。」 これが「何故そう要請されるのか」というのを説明して欲しいという問題なのだから。 (*3) 因みにcotxのグラフは本当は http://www.calculatorsoup.com/images/trig_plots/graph_cot_pi.gif この様な周期関数なので注意してほしい

godfather0801
質問者

補足

詳しい解説、本当に感謝します。 もしかして、この問題ってエネルギー固有値を出せと言っているのではなくて、エネルギー固有値を求める方法を聞いているだけなのでしょうか? 自分は、εそのものを出そうと必死に考えていましたが、超越方程式とやらで紙で計算して出すのは不可能ということなのでしょうか?

その他の回答 (2)

  • alchool
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回答No.3

<<この問題ってエネルギー固有値を出せと言っているのではなくて、エネルギー固有値を求める方法を聞いているだけなのでしょうか? その通り。 「どのように求めるか」と聞いているのであって、固有値を数式で表せとは言ってない。 (だからεの解が解説書にも書いてない。) 因みにたいていの場合「関連しそうなキーワード」+「講義」で検索すると類題が見つかるよ。演習で躓いたらそれを参考にするといい これ豆知識な。

godfather0801
質問者

お礼

そのような問題もあるものなんですね。 先入観で問題にあたってしまいました。 ありがとうございました。

回答No.1

>cot(ka)=-κ/k からエネルギー固有値を出すということで、この方程式一つを解いてεを出すことはできないのでしょうか? どのみち数値解にしかなりませんが、あらかじめVoを決めてしまえば、未知数がεで一つ、関係式が一つですから原理的には解けます。 f(ε) = k(ε) cot(k(ε)a)-κ(ε) としてニュートン法でも使ってf(ε)=0の解を求めればいいだけです。 ですが見通し悪いですよね。私のような凡才は多分こうやって計算してしまいます。 交点を使う方法は、εとVoの両方を未知数として、ε、Voを同時に変えながら条件にしたがった曲線を描き、円の方程式でVoの値を指定してεを出すという形になっています。こちらのほうが全体像が把握できてはるかに見通しがいいです。こちらは習わなければ多分思いつきません。考えた人は天才ですw

godfather0801
質問者

お礼

返答ありがとうございます。 いえいえ、凡才だなんて・・・ 自分からしたら大先生です。

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