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天皇の人間宣言とは
文献を読むとただ事ではなかったな、 と理屈では思えるのですが、いまいち実感がわきません。 「これから何に頼って生けていけばいいのだ」 というほどに国民はショックを受けたのでしょうか? 失意の中、国民は何を考えて、どのように行動したのか、 といった観点から書かれている文献や文学作品など ご存知でしたら、あわせて教えてください。 それをテーマにしたサイトでも結構です。
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☆天皇制 昔のことを思い出します。 小学校の講堂の舞台奥に「ご真影」というのが飾られていました。 「ご真影」とは勿論、天皇陛下の写真です。 毎週月曜の朝、校長が「教育勅語」を読み上げたあと、恭しく扉を開け「ご真影」に向かって拝礼します。 その時、生徒たちは、「ご真影」を見てはいけないものとされていました。 教頭の「敬礼(だったとおもいます、拝礼かも)」の声でじっと頭を下げ、扉が閉じられて「敬礼終わり」の声で頭を上げることになっていたと思います。 戦中、戦後、その時々で、個人個人がどう思うかは別にして、天皇は「生き神様」として崇拝されていました。 その背景にあったのは、明治天皇の存在ではなかったかと思います。 乃木将軍、東郷元帥の働きで、強敵ロシアを、大陸で、日本海で、ことごとく打ち破り日本の名を世界に轟かせた史上最強の天皇として、日本国民を狂喜乱舞させ、熱狂的な崇拝者が沢山生まれたと思います。 思えば、平安末期、鎌倉、足利時代を経て、戦国時代、江戸時代そして明治維新・・・、日本の歴史上、数々の天皇が続いていますが、いずれも、なよなよとしたお公家様に囲まれた非力な存在だったと思います。 そして、その時々の武将のために、国家統一の象徴として利用されることが多かったのではないでしょうか。 それに比べ、軍服に身を固め、ロシアの将軍と向かい合う威風堂々とした姿は、歴代天皇とはまったく違った存在だったと思います。 いまだに、初参りの時期、全国から巨万の人々が集まり、明治神宮を参拝するのが、その名残でしょうか。 ☆終戦ショック バブルの崩壊などと比較されると怒りさえ覚えてしまいます。 トラック島、サイパン島、アッツ等、硫黄島、そして、沖縄。 日本軍は次々に敗退、日本国民は本土決戦の決意を固めつつありました。 金気のものは、刀剣類は勿論、泥棒除けの鉄柵まで、殆ど軍に徴発されていました。 武器らしい武器が無い中で考え出されてのが「竹槍戦術」です。 青竹の先を削って槍のようにしたものを配り、それで戦おうというのです。 街のあちこちで「竹槍訓練」というのが始まろうとしていました。 夜昼無く、空襲警報のサイレンが鳴り響き、防空壕へもぐる日が続いていたのです。 毎日毎夜、日本中の、どこかの街が、空襲で火の海にされていたのです。 広島、長崎に、新型爆弾が落とされ、日本中が焼き尽くされると恐れられていました。 父が、子が、夫が、親戚や友人が、戦地に送られ生死不明の状態でした。 街や島が陥落され、艦船が撃沈されるたびに身内の安否に怯える毎日でした。 「これから何に頼って生きていけば」どころか「明日は誰が死ぬか」という時期だったのです。 極度の緊張感が高まる中での玉音放送に、殆どの国民はその場に次々とへたり込んでしまいました。 口にこそ出せなかったが「やっと終わってくれた」。 殆どの人は、ただ、そう感じただけで他のことは思い浮かばなかったと思います。 戦争で、空襲で、死んでしまった人のことを想い、涙が止まらなかった人も多かったでしょう。 GHQが軍人を次々に絞首刑台へ送る一方で、天皇制を温存し国家統一の象徴として利用したのは歴代の日本の武将のやり方をまねたのでしょう。 その後、アメリカさんが、日本製の繊維製品、玩具、雑貨等を大量に買ってくれたおかげで、日本の産業も少しづつ立ち直っていきました。 本格的に立ち直ったのは、真に申し訳ないことに朝鮮動乱のおかげでした。 韓国の人から、これを理由に、日本を非難されることがありますが、日本人として率直にこれを認めざるを得ません。 幸いにして、金大中さんの頃から、産業、文化等ので韓日関係が改善されているのは喜ばしいことの思います。 沢山の人たちが、努力された結果だと思っています。
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- may-may-jp
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これは英訳を間違えてGHQが誤解した上での「人間宣言」だったと高校時代に聞いたことがあります。 日本で言う「神」というのは、アメリカや諸外国における「God」とは異なります。 日本の「神」とは、畏れ敬う対象のことであり、天皇だけでなく山(富士山や地域の山)や海や木々(屋久島)なども神になるわけです。また、天皇が人間であるということは国民は百も承知のことであったとも言われています。 一方の「God」は、天地創造の神であり、この大地を創造し、人間をおつくりになったGodです。 その概念の違いを加味せずに神=Godと訳してしまったために(あるいは日本人が天皇をGodと思っていると誤解して?)妙な「人間宣言」ということになったのだと聞きました。 ●「おじいちゃん戦争のことを教えて―孫娘からの質問状」(中条高徳著、小学館文庫) こちらにも、戦前、戦中、戦後通して天皇は本質的に変わらないということが書いてあります。 また、姉妹編の ●「おじいちゃん日本のことを教えて―孫娘からの質問状」(同) というのもあります(私自身読んではいませんが・・・)。天皇制自体についてはこちらのほうが詳しいかもしれません。 以上、参考になれば幸いです。
お礼
参考になります。 本当、外国人が他の国の宗教とか神にかんして浅知恵を振舞わすと、 ろくなことないですよね。 私も日本人が本気で天皇のことを天上に存在する神と思っていたとは考えていません。 しかし、天皇が諸々の宗教的な倫理の領域における"象徴"として存在していたことは明らかで、 GHQの狙いもその宗教性を取っ払うことだったと思います。 それも、日本人の愛国心とか連帯意識などを根絶やしにするというきわめて政治的な目的で… もちろん今日おいても天皇は、日常的親密性――たとえば家父――を持ちながら 国民の情緒的世界の中に内在していると思いますが、 そういう事情を考えると、当時の国民の精神的な領域において重大な影響が あったのではないかと思ったのです。 ご紹介いただいた二冊は聞いたことがあります! さっそく読んでみようと思います。 ありがとうございました。
- apple-man
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>「これから何に頼って生けていけばいいのだ」 というほどに国民はショックを受けたのでしょうか? 身内に戦争体験した人たちがまだ生きて いますんで、いろいろ聞いた話を総合 すると、ショックというより戸惑って いたというほうが正確だと思います。 学校では神々の時代から続く天皇家の歴史が 書いてある部分をみんなですみで塗りつぶした そうです。これは本当の歴史じゃなかった!と 先生がいきなり教え始めたということです。 もしも今学校で、徳川家康とか豊臣秀吉 なんて人は実在しなかった。日本の歴史に 博をつけるために作っていました・・・ と先生が言ったら、みんなどうでしょう? ショックというより、えー何それー? って思うと思います。そんな感じです。 >「これから何に頼って生けていけばいいのだ」 というほどに国民はショックを受けたのでしょうか? 天皇陛下は、普通の人が会うことにできない いわばスーパースターで、人間宣言しようとも その人気がいっきに落ちたわけじゃないんです。 GHQのダグラス・マッカーサーが天皇陛下を 更迭しなかったのも、その人気を利用しようと したからです。 戦後も天皇陛下は多くの日本国民の心のより所 という点は変わらなかったんです。 戦後、天皇陛下は日本中を巡行されましたが、 人間宣言していたからといって国民からの扱いが 変わったということはなく、国民の多くは、 直接会うことなどまずないと思っていた大物 映画俳優がいきなり自分の村や町にやって 来たというような感じで感激してしまったわけです。 終戦というのは多くの国民にとって、天皇制の 崩壊といったような思想的なものではなく、 バブル経済の崩壊のように、これからの生活は どうなってしまうんだろうといった衣食住に 対する不安だったのです。 学校の教科書にも出てきますよね。戦後 皇居の周りでデモ行進があったていう話。 「朕はたらふく食っている!」って書いて ある大きな幕をもった人の写真、覚えない でしょうか? 天皇が人間かどうかというより、とにかく 食べるものがなくて、そういった生活上の 不満のほうが優先していたわけです。
お礼
なるほど、民衆レベルでは窮迫の方が切実な問題であったわけですね。 私も昭和天皇はご立派な方だったと思います。 「国民とともにある」といった感じですよね。 でも、戦前と比べて戦後の天皇に対する見方の変化は、 そのような穏やかなものだけだったのでしょうか。 戸惑った人もいれば、ショックを受けた人もいたような気もするんですが。 三島由紀夫みたいな個人レベルでの激烈なショックは稀だったとしても、 国民的な失望感のようなものが漂っていたのではないかな、と。 長期的な視点からも考えてみたい問題です。 ありがとうございました。
- tollkan
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どの文献をご覧になられたのかわかりませんが (ちょっと観点が違うかもしれませんが) 水木しげるの戦争体験を漫画にしたもの等を見ていると 戦争に行ってる人達も皆が皆”天皇万歳!”とか思っていなかったように思います そうゆう意味では本当に天皇を神格化し崇拝していた人はどれだけいたのでしょうか
お礼
ありがとうございます。たしかに、西洋でいう「神」とは違うような気がしますね。漫画は良い資料になりそうなので、読んでみようと思います。
お礼
貴重なお話しをありがとうございました。 明治天皇についての考察も、ためになりました。